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【注目】前週末27日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

加地テック <日足> 「株探」多機能チャートより

■カネヨウ <3209>  107円 (+30円、+39.0%) ストップ高

 カネヨウ <3209> がストップ高で昨年来高値更新。同社は兼松系の寝具やインテリアを扱う企業だが、国内では東欧産の羽毛が好調な伸びをみせているほか、ネット通販強化でニーズを取り込むことに成功している。26日取引終了後に、17年3月期の単独業績予想の修正を発表。営業利益を8500万円から1億7500万円(同4倍)に大幅増額しており、これを好感する買いが集中した。100円未満の超低位株ということもあって、個人投資家の短期資金の参戦も見込まれ、27日は値幅制限上限の107円まで上値を伸ばした。

■加地テック <6391>  337円 (+54円、+19.1%)

 加地テック <6391> [東証2]が続急伸。26日、同社に対して三井造船 <7003> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、連結子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格が26日終値を28.6%上回る1株364円とあって、27日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は1月27日から3月9日まで。なお、同社はTOB成立後も上場は維持する。

■エヌジェイ <9421>  2,699円 (+421円、+18.5%) 一時ストップ高

 エヌジェイホールディングス <9421> が一時ストップ高まで買われた。グループのトライエースが開発を手掛けたスマートフォン向けゲーム「スターオーシャン:アナムネシス」が、iPhone&iPadアプリのセールスランキングで順位が急上昇(27日午後1時時点で9位)していることが材料視されたもよう。また、同社は27日、グループのゲームスタジオが企画制作および開発を手掛けた「スターホースポケット」が、セガ・インタラクティブ(東京都大田区)からリリースされたことも明らかにしている。

■ダイベア <6478>  297円 (+39円、+15.1%)

 ダイベア <6478> [東証2]が続急伸。26日、同社が17年3月期の連結経常利益を従来予想の6億円→7.5億円に25.0%上方修正。増益率が6.6%増→33.2%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。主力の自動車用軸受け製品の販売が想定より伸びることが寄与。原価低減による採算改善も利益を押し上げる。併せて、創立80周年記念配当を実施する形で、今期の期末配当を従来計画の4円→5円(前期は4円)に増額修正したことも支援材料となった。

■アオイ電子 <6832>  3,490円 (+390円、+12.6%)

 アオイ電子 <6832> が急伸し昨年来高値。27日午後1時ごろ、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を54億円から56億5000万円(前期比0.3%増)へ、純利益を36億5000万円から41億円(同24.2%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は450億円(同11.5%増)で据え置いたが、生産性の向上による原価低減が図れたことや、第3四半期において為替相場が円安に推移したことが寄与したという。また、青梅エレクトロニクスの買収に際して特別利益が生じたことも純利益の押し上げに寄与した。同時に発表した第3四半期累計(16年4-12月)決算は、売上高334億9900万円(前年同期比9.9%増)、営業利益45億6900万円(同2.4%増)、純利益36億9900万円(同19.5%増)だった。

■エムスリー <2413>  3,230円 (+271円、+9.2%)

 エムスリー <2413> が続伸。東証1部の上昇率5位。26日に決算を発表。17年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前利益が前年同期比23.5%増の186億円に伸びて着地したことが買い材料視された。製薬会社向けに医薬品情報サイトの利用が拡大したほか、医師向け人材紹介サービスが伸びたことが寄与。利益率の高い治験プロジェクトが順調に進んだことも収益拡大に貢献した。なお、直近3ヵ月である10-12月期(3Q)の同利益は全四半期ベースでの最高益を更新した。通期計画の230億円に対する進捗率は81.0%に達しており、通期業績の上振れを期待する買いが向かった。

■ダブル・スコープ <6619>  1,837円 (+139円、+8.2%)

 東証1部の上昇率6位。ダブル・スコープ <6619> が大幅高で4日続伸。25日移動平均線を足場にマドを開けて一気に上放れた。世界的な排ガス規制強化の流れが電気自動車(EV)などの普及加速を後押しし、これがリチウムイオン電池市場の急成長を促している。正極材と負極材の絶縁材として必須であるセパレーター専業メーカーの同社に対する市場の注目度は高い。そのなか、26日に量産移行期が遅れていたリチウムイオン電池セパレーター生産設備第5号ラインで安定的な量産稼働を開始したことを発表、当初予定の生産能力に到達したことで、これを好感する買いが流入した。

■夢の街創造委員会 <2484>  3,190円 (+190円、+6.3%)

 夢の街創造委員会 <2484> [JQ]が反発。26日、同社が2月28日現在の株主を対象に1→4の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の4分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■蝶理 <8014>  1,962円 (+103円、+5.5%)

 繊維商社の蝶理 <8014> が続急伸し、昨年来高値を更新した。26日、同社は17年3月期の連結経常利益を従来予想の64億円→68億円に6.3%上方修正。増益率が16.0%増→23.2%増に拡大し、従来の5期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。繊維製品分野における原価低減やコスト削減が奏功し、採算が想定より改善する。業績上振れに伴い、今期の年間配当を従来計画の36円→38円(前期は36円)に増額修正したことも支援材料となった。

■デクセリアルズ <4980>  1,234円 (+63円、+5.4%)

 デクセリアルズ <4980> が3連騰。26日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、売上高を577億円から612億円(前期比2.3%減)へ、営業利益を19億円から30億円(同63.9%減)へ、最終損益を8億4000万円の赤字から2000万円の黒字(前期45億8700万円の黒字)へ上方修正しており、これを好感した買いが入った。第3四半期累計業績が想定を上回ったことに加えて、第4四半期の前提為替レートを1ドル=100円から110円へ変更すること、さらに、光学フィルムの売り上げが好調に推移していることなどを考慮したという。

■バロック <3548>  1,558円 (+79円、+5.3%)

 バロックジャパンリミテッド <3548> が大幅高。同社はアパレルSPA(製造小売り)で、特に20歳代から40歳代女性向けに強みを持つ。基幹ブランドは「MOUSSY(マウジー)」で、これが中国で大人気となり、大きく売り上げを伸ばしており、今後中国事業を牽引役として、海外展開が同社の強力な成長ドライバーとなりそうだ。2013年に20店舗であった中国の店舗数は、足元(16年11月末現在)で182店舗まで急速に増加しており、さらにファストファッションの新業態を加えて、17年も積極的な出店を計画している。これに伴って中国での月次売上高(卸売)も顕著な伸びを示しており、昨年10月は前年同月比81.7%増、同11月は同78.4%増の急成長をみせている。27日までの3日続伸で、株価は一時、1660円まで買い進まれる場面があったものの、PERは12倍台と依然として割安状態にある。

■H2Oリテイ <8242>  1,852円 (+67円、+3.8%)

 エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> が3日続伸。26日取引終了後、17年3月期第3四半期累計(16年4-12月)の連結決算を発表し、売上高は6805億9800万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は171億3500万円(同7.1%減)と減収減益だったが、悪材料出尽くし感から買われた。百貨店事業は、阪急本店で国内の新規顧客や訪日外国人の増加により、化粧品やハンドバッグを中心に婦人服飾品が好調に推移した一方、免税売上高は客単価の減少に伴い前年実績を下回った。また、阪神梅田本店は建て替え工事の影響で客数が減少し、衣料品や家庭用品が伸び悩んだ。なお、通期業績予想は従来見通しを据え置き、売上高9020億円(前期比1.5%減)、営業利益222億円(同6.8%減)を見込んでいる。

■国際石油開発帝石 <1605>  1,127円 (+40円、+3.7%)

 国際石油開発帝石 <1605> 、石油資源開発 <1662> など資源開発関連が高い。WTI原油先物価格が26日に1ドル強の上昇をみせ、終値ベースで1バレル=53ドル78セントと1月6日以来の高値圏に浮上した。鉱業セクターは原油高が収益面にメリットを与える業種であり、WTI原油価格に連動しやすい。このほか、JXホールディングス <5020> や昭和シェル石油 <5002> などの石油元売り企業も買いが優勢となった。

■カゴメ <2811>  2,935円 (+98円、+3.5%)

 カゴメ <2811> が続伸。26日、同社が16年12月期の連結経常利益を従来予想の94億円→113億円に20.2%上方修正。増益率が34.0%増→61.1%増に拡大し、4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。機能性表示食品として発売したトマトジュースや野菜ジュースの新製品が販売好調だったことが寄与。原価低減や不採算商品の削減といった構造改革を進めたことも上振れに貢献した。併せて、期末一括配当を従来計画の22円→24.5円(前の期は22円)に増額修正したことも支援材料となった。

■ブリヂストン <5108>  4,208円 (+117円、+2.9%)

 ブリヂストン <5108> が続伸。26日に、油圧駆動ハイパワー人工筋肉の開発に成功したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回開発した人工筋肉は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)タフ・ロボティクス・チャレンジの一環として、東京工業大学鈴森康一教授などとの研究チームで開発を進めていたもの。材料にゴムチューブを用いることにより軽量かつ衝撃や振動に強く、大きな力を出すことができるのが特徴で、災害現場などで活躍可能なタフなロボットの実現が可能になるという。また、将来的には、今までにない小型軽量で高出力の産業用・家庭用ロボットへの展開も期待できるとしている。

■さくらインターネット <3778>  1,187円 (+29円、+2.5%)

 さくらインターネット <3778> 、インフォテリア <3853> などフィンテック関連の一角に物色の矛先が向かった。金融とITの融合をコンセプトとしたフィンテック分野はブロックチェーン技術などの進展とともに開拓が進んでおり、最近ではメガバンクなど既存の大手金融機関もベンチャーとの協業を図る動きが顕在化している。政府も法改正など普及に前向きな姿勢をみせており、官民を挙げての取り組みが目立ってきた。27日付の日本経済新聞が「金融庁はベンチャー企業が銀行と組んで新しいサービスを始めやすくする。適切に情報を管理できる事業者を登録制にしたうえで、銀行に口座情報などへの接続を認める体制をつくる努力義務を課す」と報じた。「家計管理やネット通販などのベンチャー企業が銀行業務の一部を代行できる体制を整える」と伝えており、フィンテック分野の普及が進むなか環境整備が一段と進むとの思惑が、有力関連銘柄であるさくらやインフォテリの株価を刺激した。

■日本海洋掘削 <1606>  2,401円 (+34円、+1.4%)

 日本海洋掘削 <1606> が続伸。26日取引終了後、日本メタンハイドレート調査(東京都千代田区)との間で海洋研究開発機構所有のドリルシップ「ちきゅう」を使用する第2回メタンハイドレート海洋産出試験に関する掘削契約の締結を発表し、業績拡大の期待感から買われた。作業実施時期は17年上半期を予定しており、受注金額は約28億円を見込んでいる。なお、同件は18年3月期業績に計上する予定。

■東海カーボン <5301>  416円 (+4円、+1.0%)

 東海カーボン <5301> が3日続伸。26日の取引終了後、集計中の16年12月期連結業績について、売上高が従来予想の870億円から885億円(前の期比15.6%減)へ、営業利益が7億円から10億円(同75.5%減)へ上振れたようだと発表しており、これを好材料視した買いが株価を下支えした。黒鉛電極やファインカーボンなどの販売数量が見込みを上回ったことに加えて、為替が円安で推移したことなどが要因。また、カーボンブラック事業の売価改善が進捗したことなども寄与したという。なお、最終損益は、電極製造設備における減損損失約40億円や特別退職金2億8600万円を計上したため、51億円の赤字から83億円の赤字(前期24億8400万円の黒字)へ下方修正した。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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