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【特集】JBR Research Memo(6):不採算事業からの撤退で経営指標の改善が進む

JBR <日足> 「株探」多機能チャートより

■財務状況と株主還元策

(1)財務状況

ジャパンベストレスキューシステム<2453>の2016年9月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比398百万円増加の12,328百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金・有価証券が580百万円増加した。一方、固定資産ではのれんが166百万円減少したほか、有形固定資産が56百万円減少した。

負債合計は前期末比363百万円増加の6,889百万円となった。主な増減要因を見ると、有利子負債が583百万円減少した一方で、前受収益及び長期前受収益が780百万円増加した。会員事業において「あんしん修理サポート」「学生110番」「安心入居サポート」などの会員数が拡大したことが主因となっている。また、純資産は前期末比34百万円増加の5,439百万円となった。その他有価証券評価差額金が229百万円増加したが、配当金103百万円の支出に伴い利益剰余金が減少したほか、連結子会社の吸収合併により非支配株主持分が68百万円減少したことによる。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す流動比率や自己資本比率、有利子負債比率はすべて改善している。前期までに不採算事業から撤退し、財務体質の強化に取り組んできた効果が出たものと考えられる。また、収益性についても営業利益率、ROA、ROEともに改善傾向が続いており、営業利益率、ROAについては既に撤退した環境メンテナンス事業に進出する前の水準に近いところまで回復を見せている。

(2)株主還元策

同社では中期経営計画の中で株主還元策についても積極的に取り組んでいく方針を打ち出した。同社のビジネスはストック型のビジネスモデルが中心であり、安定したキャッシュを毎期、獲得できることが強みとなっており、現状7,000百万円を超える手元キャッシュ(有価証券含む)は同社の事業規模では過剰であり、株主へ還元していくことが最適と判断した。

配当方針としては連結配当性向で30%以上をめどとし、安定配当を1株当たり6.0円(中間配当1.0円、期末配当5.0円)として、配当性向基準で計算して6.0円を上回る場合には、その差分を業績連動配当として期末に特別配当として付与することを検討する。また、連結当期純利益の50%から配当総額を引いた金額をめどに、自己株式の取得も実施していく予定だ。既に2016年11月以降2回の自己株式取得を発表しており、181万株(取得価額499百万円)を2016年12月7日までに取得している。

また、株主優待制度も導入している。優待内容は、9月末の株主に対して同社の生活トラブル解決サービスを対象とした割引券を保有株数に応じて贈呈する。100株保有の場合には、5,000円相当の割引券(有効期限は到着日より翌年12月末まで)が贈呈されることになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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