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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

JUKI <日足> 「株探」多機能チャートより

■JUKI <6440>  1,223円 (+42円、+3.6%)

 JUKI <6440> が新値追い。同社は24日、YKK(東京都千代田区)とファスナーを取り付ける縫製機を共同開発することで基本合意したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。両社は、それぞれが持つファスニング製品および、その縫製の技術・知識を活用し、独自のファスニング製品の縫製技術の実現に向けて共同開発する方針。17年度中に具体的なファスナー縫製機の完成・提供を目指すとしている。

■UACJ <5741>  357円 (+12円、+3.5%)

 UACJ <5741> 、大紀アルミニウム工業所 <5702> 、日本軽金属ホールディングス <5703> などが高い。ここ商品市況が上昇基調にあり、特にアルミや銅などの上値指向が目立っている。LMEのアルミ価格は年初から一本調子の上げで、24日時点で1トン当たり1867ドルと2015年5月中旬以来、約1年8ヵ月ぶりの高値圏に到達。アルミ市況の上昇が関連銘柄の株価を強く刺激している。また、銅価格も24日時点で1トン当たり5943ドルまで上昇し、昨年12月初旬以来の高値圏と上昇基調が鮮明、これを受けて三菱マテリアル <5711> などの上げ足も目立っている。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,687円 (+259円、+3.1%)

 ソフトバンクグループ <9984> が大幅続伸で一気に昨年来高値を更新。24日の米国株市場は主要3指数が揃って大幅上昇、リスク選好の流れが戻ってきた。同社は昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利した後、いち早く孫正義社長がトランプタワーで会談し米国における500億ドル規模の投資を確約するなどで、トランプ氏とのフレンドリーな関係を構築。トランプ相場の象徴として買われてきた経緯があり、米株高と連動しやすい。直近では、アリババ集団が24日発表した16年10-12月期営業利益が前年同期比66%増と高水準の伸びを示しており、これが同社株に追い風材料となった。

■ファナック <6954>  21,920円 (+605円、+2.8%)

 ファナック <6954> が反発し、昨年来高値を更新した。17年3月期第3四半期決算発表を明日に控え、通期業績の上方修正を期待する買いが向かった。さらに、本日の円相場が1ドル=113円台後半と円安が進んでいることも支援材料となった。同社は下期の想定為替レートを1ドル=100円に設定しており、昨年11月以降の急速な円安進行による業績改善が期待される。中間期(4-9月)経常利益は通期計画に対して進捗率が57.1%に達している。

■テクノプロH <6028>  3,915円 (+105円、+2.8%)

 テクノプロ・ホールディングス <6028> が昨年来高値を更新。大和証券が24日付のリポートで、投資判断「2(アウトパフォーム)」、目標株価4200円でカバレッジを開始したことが好感された。同証券は、IT分野周辺の需要見通しは良好であることに加え、M&Aを通じたさらなる成長可能性を有することを評価。中途採用を中心としたエンジニア数の増、単価の上昇を想定し、17年6月期営業利益は会社計画91億円を上回る前期比12.1%増の95億2000万円、さらに18年6月期は同10.1%増の104億8000万円を見込んでいる。

■村田製作所 <6981>  15,225円 (+345円、+2.3%)

 村田製作所 <6981> 、アルプス電気 <6770> 、TDK <6762> 、日東電工 <6988> 、ローム <6963> など電子部品株に出遅れ修正狙いの買いが流入。電子部品セクターは世界的にも商品競争力が高く、米アップルの有力なサプライヤーとしても名を連ねるが、アップルがiPhoneの生産を1-3月期に前年同期比で1割程度減産する方針にあることが伝わり、年初から売りに押される展開を強いられていた。しかし、各社受注そのものは好調に推移しており、16年10-12月期は主要6社ベースで5四半期ぶりにプラスに転じたことが伝わっている。スマートフォンではここ急速に勢力を強める中国メーカーが需要を支えており、電装化の進展する自動車向けでも部品点数の増加が収益に寄与するかたちとなっている。目先は為替も円安傾向にあり、米株高でリスク許容度の高まった海外投資家による買い戻しの動きを誘発した。

■新日鐵住金 <5401>  2,766円 (+61円、+2.3%)

 新日鐵住金 <5401> が続伸。また、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 、神戸製鋼所 <5406> なども上昇。鉄鋼セクターは業種別騰落率で33業種中、値上がりトップに買われた。中国の鉄鋼の過剰生産も足もとは削減方向にあることで需給が改善、一方で国内では東京五輪に伴う特需や海外ではアジアの自動車やインフラ向けに鋼材需要が旺盛で、鉄鋼セクターの収益環境の風向きが変わっている。日本鉄鋼連盟が23日に発表した、2016年の粗鋼生産は前年比0.3%減の1億477万トンと2年連続で前年実績を下回ったが、10-12月期は前年同期比0.2%増と3四半期連続でプラスを確保するなど、生産は拡大基調にある。コスト面でも原料炭価格などは目先低下傾向にあり、一方で鋼材の製品価格値上げが利いて利益採算を後押しする状況にある。市場では「中国が景気刺激策として公共工事拡張に動く可能性が出ているほか、トランプ米大統領の掲げる巨額インフラ投資も鉄鋼輸出を支えることになる」(国内ネット証券大手)という指摘が出ている。

■アドバンテスト <6857>  2,099円 (+45円、+2.2%)

 半導体関連株が高い。アドバンテスト <6857> やSUMCO <3436> が新高値に買われたほか、東京エレクトロン <8035> やSCREENホールディングス <7735> などが上昇した。24日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数が上昇し、最高値圏で推移したほか、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が同日発表した昨年12月の北米地域の半導体製造装置のBBレシオは1.06倍と5月の1.09以来、7ヵ月ぶりの水準に上昇した。26日には米インテルの決算が予定されており、その結果にも関心が集まっている。

■トヨタ自動車 <7203>  6,706円 (+127円、+1.9%)

 トヨタ自動車 <7203> 、日産自動車 <7201> 、富士重工業 <7270> 、ホンダ <7267> など自動車株が買いを集めた。24日の米国株市場ではNYダウが2週間ぶりの高値をつけたほか、ナスダック指数、S&P500指数は過去最高値を更新するなど上値指向を強めており、これを受けて足もとはリスクオンの流れが再び強まった。また、外国為替市場では1ドル=114円近辺まで円安が進行したことで、為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善への期待が再燃し買いを誘った。

■信越化学工業 <4063>  9,786円 (+152円、+1.6%)

 JPモルガン証券が24日、韓国LGが保有するLGシルトロンの株式51%を、同じく韓国のSKホールディングスに売却すると23日に発表したことを受けて、電子材料セクターに関するリポートを発表した。これによると、現在、半導体シリコンウエハーは旺盛な需要と限定的な供給増から需給逼迫が継続しているが、今回、SKホールディングスがLGシルトロンを抱え込むことで他の半導体メーカーはよりウエハーの安定調達に奔走する形となると指摘。既に1月からのウエハーの値上げはさまざまなメディアで報道されているが、半導体メーカーからの安定調達要請が強まれば追加値上げはさらにしやすい環境になると予想している。そのため、上記の発表は、短期的には信越化学工業 <4063> 、SUMCO <3436> などウエハー株にはポジティブな内容と捉えているとしている。

■LIXILグ <5938>  2,725円 (+34円、+1.3%)

 LIXILグループ <5938> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が24日付で、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を2150円から2880円へ引き上げたことが好材料視されている。同証券では、17年3月期は、期初より会社計画が保守的だったことに加えて、ASB(アメリカンスタンダード)のマージン改善など、近年M&Aで取得した企業の業績回復期にあたることから、営業利益は会社計画の650億円を上回る800億円になると予想。また、18年3月期もASBのマージン改善や中国での事業拡大、国内のコスト削減などで同878億円(従来予想700億円)と10%近い増益を見込んでいる。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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