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【特集】城南進研 Research Memo(1):今期は順調に進捗中、ソリューション事業など新たな成長戦略に注目

城南進研 <日足> 「株探」多機能チャートより

城南進学研究社<4720>は東京・神奈川を地盤とする総合教育企業。大学受験の「城南予備校」から出発し、小学生、乳幼児へと教育サービスを拡大してきた。業態についても予備校、個別指導塾、映像授業、など様々な業態を取りこみ顧客ニーズに対応している。

2017年3月期第2四半期決算は、売上高3,560百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益245百万円(同横ばい)となり、売上高は第2四半期累計(上期)ベースとして6期連続の増収となった。教育事業セグメントで映像教育部門や児童教育部門が堅調に伸長したほか、2016年3月期下期から加わったスポーツ事業セグメントが収益に貢献した。

少子化に加え、受験市場の多様化、大学受験における推薦・AO入試の拡大など、塾・予備校業界には逆風が続いている。これに対して同社は、年齢層の幅を拡大して総合教育企業を目指すことで対応を進めている。また、児童・生徒の年齢層の枠内においても、小学生低学年からの長期囲い込みにシフトすることで収益の安定化を目指している。

同社の強みは、小回りの利く事業規模や、それを活かせる経営のフレキシビリティと意思決定の速さ、顧客満足度重視の経営哲学、などにあると弊社では考えている。2015年11月に子会社化した(株)久ケ原スポーツクラブでは会員増に加えて同社のeラーニング教材とのシナジー効果創出に注力している。久ケ原スポーツクラブは傘下に愛犬フィットネスやペットホテルを抱えており更なるシナジー拡大戦略が期待される。

さらに、同社の教育に関するノウハウや知見を活かした商材やサービスを、法人相手に販売する「ソリューション事業」を本格展開する方針だ。乳幼児育脳法である「くぼたのうけん」のノウハウについて(株)講談社パルに提供を開始したほか、eラーニング教材「デキタス」をスイミングクラブなどに卸販売をしている。同社は、他にも電子黒板などBtoBの商材を数多く抱えており、新たな成長戦略の1つとして浮上したソリューション事業の今後が注目される。

■Check Point
・予備校部門、個別指導部門とも、経営効率・収益体質強化に取り組む
・好調な映像授業部門、幼児教育部門も成長中
・マクロ的成長戦略は総合教育企業としての発展・進化、個々の事業も成長

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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