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【経済】【中国】万達がヘルスケア参入、病院チェーン展開検討


民営コングロマリットの大連万達集団がヘルスケア分野への本格参入を計画している。グループ創業者で董事長の王健林氏が18日、病院チェーンの展開を検討していることを明らかにした。不動産事業を主力とし、中国に多数の商業施設を保有する自社の強みを強調。政府がヘルスケア分野への民間参入を奨励する中、既存の経営資源を活用しつつ、病院経営に進出したい考えを示した。複数メディアが19日伝えた。

中国の医療市場はかつて国が独占していたが、現在は民間にも開放され、民営企業が総合病院を経営することも可能。また、許可を取れば外国人医師が中国で医療行為を行うこともできるなど、私立病院の発展に向けた条件が整いつつあるという。王氏はこうした中国の現状に触れ、ヘルスケア分野への進出に前向きな姿勢を示した。

高齢化の加速などを背景に、中国政府はヘルスケア産業の発展を後押しする立場だ。中国保険監督管理委員会の黄洪・副主席はこれ以前に、健康サービスや高齢者向けの養老サービスが今後、国内経済の成長エンジンになるとの見通しを表明。政府による支援策を追い風に、健康サービス産業の規模は2020年の時点で8兆人民元(約134兆円)に拡大すると予測している。

不動産事業を主力とする万達集団は近年、経営の多角化を推進中。スポーツやエンターテイメント、観光などの分野で積極的に事業投資や企業買収を進めている。うちエンターテイメント分野では、昨年1月に映画製作会社の米レジェンダリー・エンターテインメント買収を発表するなど、大きな動きを見せている。報道によると、万達集団の16年売上高は2549億8000万人民元で、うち映画事業は前年比31.4%増の391億9000万人民元と大幅に成長した。

著名実業家の王健林氏が率いる万達集団は、商住複合施設の「万達広場(ワンダ・プラザ)」や高級ホテル、百貨店、映画館などをチェーン展開。不動産事業を基盤とし、傘下に商業不動産で国内最大手の大連万達商業地産などを擁する。近年は、映画やテーマパークなど、レジャー・娯楽サービス事業を強化してきた。


【亜州IR】

《SK》

 提供:フィスコ

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