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【経済】【中国】平均寿命を1歳引き上げへ、「地域医療」推進で77.3歳目指す


国民の健康増進に向けて、中国は医療改革を加速させる。国務院は9日、「医薬衛生体制改革深化に関する第13次5カ年計画(2016~20年)」を発表。20年の国民平均寿命を2015年比で1歳延ばす??とする目標を定めた。15年時点の同国平均寿命は76.34歳。これを77.3歳に引き上げることを目指。

このほか20年までに、◆妊産婦の死亡率を10万分の18、◆新生児の死亡率を7.5‰(パーミル、1000分の1)、5歳以下の子どもの死亡率を9.5‰??へとそれぞれ引き下げる目標を設定した。国家衛星委員会の公表データによると、中国の15年時点の妊産婦死亡率は10万分の20.1、新生児死亡率は8.1‰となっている。

同計画の全体目標は、「主要健康指標の値を中高所得国のトップレベルに引き上げる」こと。その実現に向けて、個人の医療負担比率を引き下げることを前提に、医療制度改革を進めるものとなる。

なかでも改革の最優事項に掲げたのは、「分級診療モデル」(疾病のレベルに応じて級を分けて診療するモデル)の確立だ。その具体目標として、「地域医療」機能を推進する。社区(住宅団地)内の衛生サービス機関や郷鎮衛生院といった小規模な診療所で中医薬治療を提供できる体制を整える方針を定めた。

現在は妊婦や慢性病患者、子どもを重点対象に推奨している「かかりつけ医(ホームドクター)」に関して、その対象を全年齢層へと拡大。ホームドクターを持つ人の比率を17年に国民全体で30%以上、妊婦や慢性病患者、子どもなどの重点対象車で60%以上にそれぞれ引き上げるとする短期目標を掲げた。

このほか計画では、公立病院の医療費に関して、17年は前年比伸び率を10%以内にとどめる目標を盛り込んでいる。


【亜州IR】

《SK》

 提供:フィスコ

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