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【経済】NYの視点:米11月JOLT求人も雇用統計と同様労働市場のひっ迫示す、賃金上昇へ


米労働省が発表した11月JOLT求人件数は552.2万件と、10月545.1万件から7.1万件増加し予想550万件を上回った。「失業率は米国労働市場の状況を完全に反映していない」とする連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、労働市場のスラックをはかる上で同指数に注目している。求人1件につき失業者の割合は1.34人と、昨年7月につけた2001年4月(1.28人)以降で最低の1.33人に近づいた。

採用者数は516万人から522万人へ増加。昨年同月とほぼ同水準となった。採用率(Hires rate)は10月と同様3.6%を維持した。退職者数は306万人と、前月比302万人から増加。11月退職率(Quits rate)は6か月連続で危機前の水準である2.1%を保ち昨年同月2.0%から上昇した。退職者数は昨年12月につけた過去最高水準である308.8万人に近づき、労働者の労働市場への自信のあらわれと見られている。労働市場が改善している更なる証拠となった。イエレン議長は指数の項目の中でも退職率の動向に特に注目している。

解雇者は164万人と、過去3ヶ月で最高となった。しかし、解雇率(Layoffs/discharges rate)は10月と同じ1.1%で、金融危機時1.4%を下回っており、依然安定している。結果は、先週発表された12月雇用統計と同様、米国の労働市場のひっ迫を示しているとの見方。状況はいずれ一段の賃金の伸びにつながり、2017年の利上げを後押しすると見られている。


■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード(最新)

◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
11月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(10月1.1%) 1.4%
12月失業率(Unemploynent rate):4.7%(11月4.6%)     5%
11月求人率(Job openings rate):3.7% (10月3.6%)   3%
11月退職率(Quits rate):2.1%(10月2.1%)     2.1%

◎状態が危機前より依然悪い
12月広義の失業率(U-6):9.2 %(11月9.3%) 8.8%
12月長期失業率:40.0%(11月39.2%) 19.1%
12月労働参加率:62.7%(11月62.6%) 66.1%
11月採用率(Hires rate):3.6%(10月3.6%)     3.8%
12月雇用者数(Nonfirm payrolls):+15.6万人(11月+20.4万人) +16.18万人

《SK》

 提供:フィスコ

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