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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~トヨタ買い戻しなら、こう着ながらも底堅い相場展開

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより

10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:トヨタ買い戻しなら、こう着ながらも底堅い相場展開
■外資系証券の注文動向:差し引き200万株の売り越し
■前場の注目材料:トヨタ、米大規模投資で向かい風打ち勝つか




■トヨタ買い戻しなら、こう着ながらも底堅い相場展開

10日の日本株市場はこう着ながらも底堅い相場展開が見込まれる。9日の米国市場は10-12月期決算を前に企業業績への警戒感から売りが先行した。その中でアップルがアナリストの買い推奨を受けて堅調推移となり、半導体関連へ物色が波及している。また、先日のトランプ次期米大統領による批判を受けたトヨタ自<7203>だが、米国で今後5年間に100億ドル(約1兆1700億円)を投資する計画を明らかにしたと伝えられるなか、自動車株への買戻しが意識されよう。その他、武田薬<4502>による米製薬の買収なども伝えられており、材料視されそうである。

もっとも、11日にトランプ次期米大統領がNYで記者会見を行うほか、12日にはイエレンFRB議長が教育関係者向けタウンホールを開催する。トランプ氏はツイッターなどを通じた一方通行の意見表明を多用し、企業や金融市場に混乱を与えている。大統領選後は公の場での記者会見には応じていなかったため、市場の関心は高い。またイエレンFRB議長については、米連邦準備制度に関しての講演だが、質疑応答で経済や見通し、金利動向に関する思惑につながろう。内容を見極めたいとするムードのなか、上値追いは慎重になりそうだ。

ただし、トランプ次期米大統領の就任が近づくにつれていったん達成感も意識されそうだが、依然として中小型株などは出遅れ感が目立っており、水準訂正の流れは意識されそうだ。また、節税対策の売り一巡から、米国の1月アノマリーによる上昇も期待される。押し目拾いのスタンスから下値の堅さは意識されることになりそうだ。



(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■外資系証券の注文動向:差し引き200万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り960万株、買い760万株、差し引き200万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。


12月29日(木):60万株の買い越し
12月30日(金):100万株の売り越し
01月04日(水):30万株の買い越し
01月05日(木):150万株の買い越し
01月06日(金):10万株の売り越し


■前場の注目材料:トヨタ、米大規模投資で向かい風打ち勝つか

・NYダウは下落(19887.38、-76.42)
・NY原油は下落(51.96、-2.03)
・シカゴ日経225先物(19430、+30)
・円相場、1ドル115円75-85銭
・訪日客2400万人、5年連続増加


・トヨタ<7203>、米投資1.1兆円
・武田薬品<4502>、米製薬会社6200億円で買収

《SK》

 提供:フィスコ

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