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【特集】藤商事 Research Memo(5):新工場の建設仮勘定を中心に固定資産が増加、自己資本比率は高水準

藤商事 <日足> 「株探」多機能チャートより

■財務状況と株主還元策

(1)財務状況

藤商事<6257>の2016年9月末の総資産は前期末比3,448百万円増加の63,229百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金・有価証券が3,021百万円増加したほか、受取手形及び売掛金が1,122百万円、棚卸資産が385百万円それぞれ増加した。また、固定資産では新工場の建設仮勘定を中心に有形固定資産が1,208百万円増加する一方で、投資有価証券が508百万円減少した。

負債合計は前期末比3,613百万円増加の12,701百万円となった。主に買掛金が3,294百万円、未払法人税等が312百万円増加したことによる。また、純資産は前期末比165百万円減少の50,528百万円となった。四半期純利益860百万円の計上があったが、配当金の支払いで609百万円、その他有価証券評価差額金で416百万円の減少要因となった。

経営指標を見ると、自己資本比率は負債の増加に伴い79.9%と前期末比でやや低下したものの、高水準で安定して推移している。有価証券も含めた手元キャッシュは29,811百万円と、現在の株式時価総額(11月9日終値換算で266億円)を上回る水準となっている。好財務内容であるにも関わらず、株式市場での評価が低くなっているのは、遊技機器業界が成熟化しており、業界全体での成長が止まっていることに加えて、同社のROEが低い(前期実績で2.4%)ことが要因になっていると考えられる。このため、今後は潤沢なキャッシュを生かした積極投資によって市場シェアを拡大し、収益成長を図ること、並びに株主資本効率の向上に取り組んでいくことが、株式時価総額を高めていくうえで必要と考えられる。

(2)株主還元策
同社では配当方針として、継続した配当を基本方針としつつ、業績動向や配当性向などを総合的に勘案して配当を実施していく考えを示している。2017年3月期の配当金に関しては前期比10.0円増の60.0円(配当性向44.4%)を予定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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