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【経済】NYの視点:今週の注目はイエレンFRB議長証言、米小売、トランプ次期米大統領と安倍首相の会談


トランプ次期大統領とアドバイザーは引き続き、引き継ぎや官僚の人選などに時間を費やすことになる。同時に、海外要人との連絡も継続する。17日には訪米する安倍首相との会談もNYで予定されている。司法長官にNY元市長のジュリアーニ氏、財務長官にJPモルガン銀行のダイモン最高経営責任者(CEO)などの名が挙がっている模様。財務長官にはそのほか、大手の投資ファンド運用会社ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)、米下院金融サービス委員会のジェブ・ヘンサーリング(Jeb Hensarling)下院議員(共和党)も候補として挙がっていると伝えられている。こういった顔ぶれは、マーケットフレンドリー、成長重視の政策、さらに、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の撤廃を視野に入れていると期待されている。

また、気になるイエレンFRB議長の進退だが、トランプ次期大統領に金融政策を助言しているジュディ・シェルトン氏はブルームバーグTVとのインタビューの中で、「トランプ氏はイエレンFRB議長が非常に有能だと見ている」とし、速やかに辞任を強要することはないことを示唆した。また、「FRBは独立機関であり、独立機関であり続ける」としており、利上げの道のりも維持されると見られる。トランプ氏はキャンペーン中、利上げを見送っているのは「大統領選挙を見据えた動き」と、イエレンFRB議長を非難したため、イエレンFRB議長が辞任するとの懸念も広がった。そのほか、「トランプ氏は意図的な通貨安は不公平と見ている」と述べており、中国が通貨操作国として認定されるとの懸念は残る。

トランプ次期大統領の政策が景気やインフレを押し上げるとの思惑にドル高・人民元安に拍車がかかり人民元は対ドルで6年ぶりの安値を更新。中国人民銀行は人民元の急落を抑えるべく介入を行っている。この努力で、トランプ次期大統領は速やかに中国を通貨操作国に認定する動きを避ける可能性もある。

連邦公開市場委員会(FOMC)の12月の利上げが確実視されつつある中、10月小売売上高、生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)でさらに、米国の金融政策の道のりを確認する。また、FRBのイエレン議長は経済合同委員会で経済に関する証言を予定しており、利上げの根拠が引き続き強まっているかどうかの判断に注目が集まる。


■今週の主な注目イベント

●米国
14日:カプラン米ダラス連銀総裁が講演、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁が講演、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が講演、
15日:ローゼングレン・ボストン連銀総裁、タルーロFRB理事、フィッシャー米FRB副議長、カプラン米ダラス連銀総裁
16日:ブラード・セントルイス連銀総裁が金融政策に関しロンドンで講演、カプラン米ダラス連銀総裁が「大きすぎてつぶせない問題」をNYで講演、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
17日:イエレンFRB議長が合同経済委で経済に関して証言、安倍首相とトランプ次期大統領がNYで会談、米10月PPI:前月比予想+0.3%、9月+0.3%、前年比予想+1.2%、9月+0.7%、米10月CPI:前月比予想+0.2%、9月+0.1%、前年比予想+2.2%、9月+2.2%
18日:ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁、カプラン米ダラス連銀総裁、パウエルFRB理事が講演

●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ

《WA》

 提供:フィスコ

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