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【注目】前週末11日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

川本産業 <日足> 「株探」多機能チャートより

■川本産業 <3604>  299円 (+80円、+36.5%) ストップ高

 10日、川本産業 <3604> [東証2]に対してエア・ウォーター <4088> がTOB(株式公開買い付け)を実施し、連結子会社化を目指すと発表したことが買い材料視された。TOB価格が10日終値を43.4%上回る1株314円とあって、11日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げた。買付期間は11月11日~12月16日まで。併せてエアウォータを引き受け先とする117万3100株の第三者割当増資を実施する。なお、同社はTOB終了後も上場は維持する。

■川田テクノロジーズ <3443>  5,280円 (+705円、+15.4%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。10日、川田テクノロジーズ <3443> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の35億円→55億円に57.1%上方修正。増益率が33.0%増→2.1倍に拡大する見通しとなったことが買い材料。原価低減や設計変更による追加工事の売上増加などが寄与し、鉄骨事業の採算が大きく改善する。持分法投資利益の増加も利益を押し上げる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の30円→60円(前期は30円)に大幅増額修正したことも買いに拍車を掛けた。

■やまびこ <6250>  1,204円 (+119円、+11.0%)

 東証1部の上昇率5位。10日、やまびこ <6250> が決算を発表。17年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比6.7%増の43.5億円に伸びて着地したことが買い材料視された。円高の影響による目減りがあったものの、国内外で刈払機やパワーブロワなどの小型屋外作業機械の販売が拡大したことが収益を押し上げた。円高による為替差損13.4億円を計上したが、増益を確保したことが好感された。

■三菱UFJ <8306>  607.9円 (+50.4円、+9.0%)

 東証1部の上昇率8位。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などメガバンクや、第一生命ホールディングス <8750> など保険株、野村ホールディングス <8604> など証券株に至るまで金融関連セクターへの集中的な買いが入った。次期大統領に選出されたトランプ氏は、金融機関に対する自己資本規制などを緩和するとの思惑や、米金融規制改革法であるドッド・フランク法を撤廃するといった思惑など、金融セクターにフレンドリーな政策スタンスが注目されており、米国株市場では銀行や証券などへ物色資金が流入、総花的に買われており、その流れが東京市場にも及んだ。メガバンクなどはPBR、PER、配当利回りいずれも割安感が際立っており、比較感から外国人投資家が食指を動かしているとの観測もあったようだ。

■ダイフク <6383>  2,074円 (+153円、+8.0%)

 10日、ダイフク <6383> が決算を発表。17年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比12.3%増の102億円と、従来予想の94億円を上回って着地したことが買い材料視された。豊富な受注残や空港向けシステムの採算改善などで米子会社の収益が大きく改善したことが寄与。原価低減や欧州子会社の黒字転換なども増益に貢献した。

■トレンドマイクロ <4704>  3,855円 (+275円、+7.7%)

 11日、トレンドマイクロ <4704> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.73%にあたる100万株(金額で40億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は11月11日から12月22日まで。同時に決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益が前年同期比20.4%減の215億円に減少したが売り材料視されなかった。

■三菱マテリアル <5711>  3,425円 (+220円、+6.9%)

  三菱マテリアル <5711> 、住友金属鉱山 <5713> 、DOWAホールディングス <5714> など非鉄株が軒並み高。10日のロンドン金属取引所(LME)で銅相場(3ヵ月物)は前日比188ドル高の1トン=5601ドルに急上昇。米次期大統領となるトランプ氏は大規模なインフラ投資を政策に掲げており、これに伴う需要増の思惑から、銅価格は先週末から大幅高となった。この動きが非鉄株の買い材料に働いた様子だ。また、10日一時ストップ高に買われた三菱マは、11日も大幅続伸。三菱マは米カリフォルニア州に「米国三菱セメント社」を持ち、 セメント製造から生コンクリート・骨材事業までを手掛けている。米国でインフラ投資需要が盛り上がることは、同社のセメント需要増につながるとの期待が出ている。

■日東電工 <6988>  7,755円 (+493円、+6.8%)

 日東電工 <6988> が急騰。同社は11日、米製薬大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)と進行性非アルコール性脂肪性肝炎と肝硬変を対象とした治療薬の開発でグローバル独占ライセンス契約を結んだことを明らかにした。この契約は、日東電工が肝硬変を対象に治験を進めている開発製剤「ND-L02-s0201」を含む全世界を対象とする独占的な権利となる。今回の契約条項に基づき、日東電工はBMSから1億ドルの契約一時金を受け取るほか、今後の臨床試験および承認申請に応じた一時金(レギュラトリーマイルストン)、ロイヤルティーおよび販売達成一時金(セールスマイルストン)を受領する権利を、また肺やそのほかの臓器線維症に対するオプション行使時のマイルストンなどの受領権を得る。

■宝ホールディングス <2531>  1,042円 (+64円、+6.5%)

 宝ホールディングス <2531> が続伸。10日大引け後に決算を発表。「今期経常を4%上方修正」が好感された。17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比29.8%増の56.1億円に伸びた。併せて、通期の同利益を従来予想の128億円→133億円(前期は128億円)に3.5%上方修正し、増益率が0.1%増→3.6%増に拡大する見通しとなった。

■住友不動産販売 <8870>  2,634円 (+139円、+5.6%)

 住友不動産販売 <8870> が続伸。10日大引け後に決算を発表。「上期経常は5%増益で着地」が好感された。17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比5.0%増の71.3億円に伸び、通期計画の159億円に対する進捗率は5年平均の39.8%を上回る44.9%に達した。

■THK <6481>  2,348円 (+115円、+5.2%)

 THK <6481> が続伸。10日大引け後に決算を発表。「7-9月期(2Q)経常は48%増益」が好感された。なお、17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比32.4%減の79億円に落ち込み、通期計画の196億円に対する進捗率は40.4%にとどまり、5年平均の47.9%も下回った。

■ネクソン <3659>  1,757円 (+79円、+4.7%)

 ネクソン <3659> が続伸。10日、同社が発行済み株式数の0.7%にあたる316万8703株の自社株を消却すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。消却予定日は11月30日。同時に決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結税引き前利益が前年同期比70.4%減の180億円に落ち込んだが売り材料視されなかった。

■SUMCO <3436>  1,192円 (+51円、+4.5%)

 SUMCO <3436> が連日の大幅高で新値街道。同社が10日取引終了後に発表した、16年12月期第3四半期累計(16年1-9月期)の連結決算は売上高1554億1600万円(前年同期比14.6%減)、営業利益85億9100万円(同66.3%減)、最終利益34億2300万円(同78.2%減)と大幅減収減益だった。しかし、業績低迷は株価に既に織り込まれており、マーケットの関心は四半期ベースでの直近7-9月期の動向で、4-6月期との比較で売り上げ減少が止まったことを評価する動きとなった。同社はシリコンウエハーで世界屈指の実力を持つ。ビッグデータ時代の到来に伴うデータセンター増設需要や、スマートフォン高機能化の進展、自動車の電装化の加速などで半導体は先行き旺盛な需要が見込まれており、つれて同社の収益環境も今後尻上がりに改善していくとの見方が株価を押し上げた。

■三菱商事 <8058>  2,462.5円 (+72円、+3.0%)

 三菱商事 <8058> が続伸、新高値圏に躍り出た。総合商社の最大手で海外投資家からの注目度も高い。原油市況の底入れが追い風となったほか、非資源事業への注力効果も期待されている。サケマス市況改善で北欧での養殖事業の回復なども収益に追い風となった。また、成長分野に焦点を合わせた出資先の絞り込みなど、構造的な取り組みも今後業績に貢献しそうだ。株価は依然としてPBR1倍を割り込んだ水準で、一段の水準訂正余地が意識されている。

■長谷工コーポレーション <1808>  1,051円 (+28円、+2.7%)

 長谷工コーポレーション <1808> が大幅続伸。10日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想について、営業利益を800億円から860億円(前期比25.1%増)へ、純利益を540億円から550億円(同7.4%増)へ上方修正したことが好感された。マンション建築工事の完成工事総利益率が改善していることが要因としている。売上高は8000億円(同1.6%増)で据え置いた。子会社が保有する固定資産の譲渡を決定したことに伴い、第2四半期に減損損失56億4000万円を計上したことから、純利益は増額幅が小さくなった。なお、同時に発表した第2四半期累計(4-9月)決算は、売上高3447億2000万円(前年同期比2.6%減)、営業利益360億1700万円(同23.0%増)、純利益248億7000万円(同24.7%増)だった。

■トヨタ自動車 <7203>  5,952円 (+114円、+2.0%)

 トヨタ自動車 <7203> 、富士重工業 <7270> など自動車株が買われた。10日の米国株市場でNYダウが過去最高値を更新したことでリスク許容度の高まった外国人買いを呼び込みやすくなっていたほか、外国為替市場で一段とドル高円安が進行、足もと1ドル=106円台後半の推移で輸出採算の改善期待も膨らんだ。

■ダスキン <4665>  2,170円 (+21円、+1.0%)

 ダスキン <4665> が続伸。同社は10日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想の修正を発表、売上高を1665億円から1630億円(前期比1.3%減)へ、営業利益を44億円から50億円(同6.9%減)へ、純利益を31億円から32億円(同7.3%増)へ修正、利益の上方修正を好感した。クリーン・ケアグループではマットなどで新布投入、スタイルクリーナーの商品原価や重油単価が期初想定よりも低位に推移したことなどで売上原価が下振れる見込み。加えてその他コスト削減努力も利益増に寄与した。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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