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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ヘリオス <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヘリオス <4593>  1,913円 (+153円、+8.7%)

 ヘリオス <4593> [東証M]が急反発。9日の取引終了後、武田薬品工業 <4502> が進める iPS細胞技術を用いた創薬応用に関する研究において、器官芽作製技術を非独占的に再実施許諾する契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが入った。器官芽作製技術は、京都大学iPS研究所・山中伸弥教授が発見したiPS細胞などを用いて、横浜市立大学で発明されたヒトの器官(臓器)を作製する技術。ヘリオスは横浜市立大学と、同技術の全世界における独占的な特許実施許諾契約を締結し、共同研究を進めている。今回、武田薬が京都大学iPS研究所とのiPS細胞研究に関する共同研究契約の下、横浜市立大学大学院医学研究科・臓器再生医学所属の武部貴則准教授を研究責任者として、iPS細胞を用いた創薬応用に関する個別研究プロジェクトを開始することになり、このプロジェクトにおいて、創薬スクリーニングおよび安全性試験に用いる評価系を探索・確立するため、非独占的通常実施権を武田薬品へ許諾したという。なお、今回の特許の再実施許諾に伴い、ヘリオスは武田薬から契約一時金を受領するが、16年12月期業績への影響は軽微としている。

■京浜急行電鉄 <9006>  1,136円 (+90円、+8.6%)

 京浜急行電鉄 <9006> が反発。9日に決算を発表。「今期経常を13%上方修正」が好感された。京浜急行電鉄が9日大引け後に決算を発表。17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比17.7%増の176億円に伸び、従来の13.1%減益予想から一転して増益で着地。併せて、通期の同利益を従来予想の250億円→282億円(前期は117億円)に12.8%上方修正し、増益率が2.1倍→2.4倍に拡大する見通しとなった。

■ジャパンマテリアル <6055>  3,745円 (+280円、+8.1%)

 ジャパンマテリアル <6055> が4日ぶり反発。9日に決算を発表。「上期経常が24%増益で着地・7-9月期も34%増益」が好感された。ジャパンマテリアルが9日大引け後に決算を発表。17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比24.0%増の23.7億円に伸び、通期計画の45億円に対する進捗率は52.8%に達し、5年平均の38.9%も上回った。

■奥村組 <1833>  621円 (+46円、+8.0%)

 9日、奥村組 <1833> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の95億円→113億円に18.9%上方修正。増益率が2.5%増→21.9%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。受注単価の上昇などで工事採算が改善することが利益上振れの要因となる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の21円→25円(前期は21円)に増額修正した。前日終値ベースの期末配当利回りは4.35%に上昇し、配当取りを狙う買いも向かった。

■資生堂 <4911>  2,746円 (+200円、+7.9%)

 9日、資生堂 <4911> が決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益は382億円と、通期計画の290億円を31.7%も上回って着地したことが買い材料視された。国内事業で訪日外国人向けを中心に主力の「クレ・ド・ポー ボーテ」「SHISEIDO」など中高価格帯の販売が好調だった。売上構成の良化に加え、コスト構造改革を進めたことも利益を押し上げた。

■東京急行電鉄 <9005>  806円 (+57円、+7.6%)

 東京急行電鉄 <9005> が反発。同社は9日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を1兆1392億円から1兆1222億円(前期比2.8%増)へ、営業利益を770億円から790億円(同4.7%増)へ、純利益を610億円から640億円(同15.8%増)へ修正、利益の上方修正を好感した。持分法投資利益の増加などが利益を押し上げた。

■大日本塗料 <4611>  219円 (+15円、+7.4%)

 大日本塗料 <4611> が大幅反発。同社は10日午後2時ごろ、17年3月期の連結業績予想の修正を発表し、売上高を780億円から745億円(前期比2.5%減)へ下方修正したが、営業利益を61億円から66億円(同12.7%増)へ、最終利益を40億円から41億円(同13.4%増)へ上方修正したことが好感された。国内の天候不順や人手不足による工事遅れ、為替の円高進行などが影響し、売上減を見込んでいる。ただ、ナフサ価格の下落に伴う原料コストの低減に加え、高付加価値品の拡販が寄与し、全体の利益を押し上げるとしている。あわせて発表した第2四半期累計の連結決算は売上高358億8000万円(前年同期比5.1%減)、営業利益29億6400万円(同9.6%増)、最終利益18億8400万円(同26.1%増)だった。

■クックパッド <2193>  1,030円 (+69円、+7.2%)

 9日、クックパッド <2193> が決算を発表。16年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結税引き前利益が前年同期比51.2%増の61.3億円に拡大して着地したことが買い材料視された。NTTドコモとのサービス連携などで料理レシピサイトの有料会員が増えたことが寄与。スマートフォン広告の収入が伸びたことも大幅増益に貢献した。

■タカラトミー <7867>  1,101円 (+72円、+7.0%)

 タカラトミー <7867> が反発。東海東京調査センターが9日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」を継続でフォローしており、これが物色人気を後押しした。同社が8日に発表した17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算は、売上高が766億8800万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は25億9300万円(同3.1倍)、最終利益は5億9900万円(同2.3倍)だった。円高の進行により売上高は減収となったものの、利益率の高い国内定番商品「トミカ」、「リカちゃん」や最重点商品である「ベイブレードバースト」が好調に推移して利益は拡大した。17年3月期通期については予想を据え置いているが、下期も引き続き利益率の高い国内定番商品の販売好調に加え、新規商材が積み上がり、通期計画についても上方修正期待が高まると同調査センターではみている。

■沖電気工業 <6703>  1,359円 (+85円、+6.7%)

 沖電気工業 <6703> が大幅反発。10日午前11時ごろ、ソラスト <6197> とICTの活用による新たな医療事務関連分野について業務提携すると発表し、これが好感された。今回の提携の最初の取り組みとして、「患者情報自動登録システム」を共同で開発し、全国の医療機関に導入する。患者の保険証情報の読み込みから登録まで、初診受付にかかる一連の作業を自動化することで、患者の負担軽減を目指す。今後、両社は初診受付以外の受付関連業務をはじめ、診療予約、病院におけるさまざまなデータの集約・分析・活用、その他周辺業務へのICT導入を検討するとしている。

■サンバイオ <4592>  1,393円 (+86円、+6.6%)

 サンバイオ <4592> [東証M]が急反発。9日の取引終了後、独自に開発を進めている再生細胞薬SB623について、外傷性脳損傷を対象とした特許をオーストラリア特許庁から取得したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。SB623は、中枢神経系において神経再生を促す再生細胞薬で、外傷性脳損傷など重篤な神経障害をもたらす疾患に対し、新しい治療薬の提供を目指して開発を進めている。今回のオーストラリアでの取得承認で、外傷性脳損傷に起因する慢性期の運動障害を抱える患者にとって新たな治療の選択肢になることが期待されているという。

■ディスコ <6146>  12,940円 (+790円、+6.5%)

 ディスコ <6146> が急反騰。半導体チップをウエハーから切り取る半導体切断装置の世界トップメーカーで、3次元NAND型フラッシュメモリーなど高水準のメモリー向け投資需要や中国の半導体産業育成政策などが収益機会をもたらせている。17年3月期は円高の影響から営業利益段階で16%減益を見込んでいるが、上方修正され減益幅が縮小する公算が大きい。また、18年3月期については3次元NANDの普及に伴い消耗品の伸びが収益に貢献する見通しで、市場では2ケタ増益転換の可能性も指摘されている。

■日本特殊塗料 <4619>  1,340円 (+80円、+6.4%)

 9日、日本特殊塗料 <4619> が17年3月期の連結経常利益を従来予想の53億円→58億円に9.4%上方修正。従来の4.2%減益予想から一転して4.8%増益を見込み、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。海外向け自動車用防音材などの販売が好調に推移するなか、生産性の向上や原材料価格の低下で採算が想定以上に改善する。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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