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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円小じっかりの展開か、米次期政権への期待継続も

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想したい。前日、米国のトランプ次期政権への期待面から、米株高となり、米長期国債利回りが急上昇し、ドル高となっており、今日のところはまだそうした動向の継続余地を見極めるムードがあるとみられる。

テーマとしては、米大統領選が市場予想に反する結果となったものの、とにかく通過したことで、次は連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に焦点が移る。10日のアジア市場では日経平均株価が前日の大幅な下げを取り戻し、ドルは一時106円台に迫った。ドルは輸出企業による売りに押されやすい水準だが、前日一時101円20銭まで急落した相場を考えれば、急回復といえる。ある外為ディーラーは「年内の100円割れは考えにくい」としたうえで、目先は「米12月利上げを織り込みに行く展開」と指摘する。

今後は当局者発言や経済指標がより大きな手がかりとなるが、米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は日本時間今日午前の講演で「金融当局は目標達成にきわめて接近している」と述べている。今晩は23時15分からのセントルイス連銀ブラード総裁(投票権あり)の講演(経済見通し)が注目され、その後にリッチモンド連銀ラッカー総裁の講演もある。経済指標では、22時半発表の米先週分新規失業保険申請件数が材料になる。

ただ、市場にはまだ慎重姿勢が残されている。ある市場筋は足元の状況について「トランプ・ショックの巻き戻しであって、まだリスクオンではない」と指摘する。新政権の掲げる政策や組閣人事などが不透明で、なお見極めが必要であるほか、カリフォルニア州では大学生による抗議デモが行われるなど選挙結果への不満も根強い。米次期政権への不安が払しょくされるまではドルの上昇ペースは鈍いと思われる。



【今日の欧米市場の予定】
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:26.0万件、前回:26.5万件)
・23:15 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(経済見通し)
・02:45 ラッカー米リッチモンド連銀総裁講演(経済見通し)
・03:00 米財務省30年債入札(150億ドル)
・04:00 米・10月財政収支(予想:-700億ドル、15年10月:-1366億ドル)

《WA》

 提供:フィスコ

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