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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~ファナックは押し目拾いの水準まで一気に調整

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・ファナックは押し目拾いの水準まで一気に調整
・ドル・円は104円92銭付近、ドルは下値が堅い、日銀の金融政策は現状維持
・トヨタ紡織、三菱地所など3社のレーティング格上げ


■ファナックは押し目拾いの水準まで一気に調整


日経平均は小幅に続落。25.72円安の17399.30円(出来高概算9億株)で前場の取引を終えている。10月31日の米国市場では、大型買収の発表が好感される場面もあったが、連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計の内容を見極めたいとの思惑や、クリントン氏の私用メール問題によって大統領選の見通しが不透明となったとの懸念から上値も重く、結局は小幅な下げになっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の17395円となり、サヤ寄せする格好から売り先行で始まった。

その後は下げ幅を広げる場面もみられたが、前日の安値は割り込まず、反対に一時17400円を回復するなど、下げ渋る動きもみられている。日銀の金融政策決定会合やFOMC、大統領選などイベントを控えており、模様眺めムードの強い相場展開だった。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1100を超えている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも下げているが、大型株指数の底堅さが意識される。セクターでは電力ガス、不動産、空運、保険が小じっかり。半面、海運、石油石炭、鉱業、電気機器が冴えない。

日経平均はこう着感の強い展開が続いており、5日線を挟んでの推移に。サプライズは無いとはいえ、日銀会合の結果を見極めたいとする模様眺めムードが強い。また、これが通過したとしても、FOMCのほか、米大統領選待ちの状態であり、方向感の乏しい展開が続きそうである。

物色は決算を手掛かりとした流れが続いているが、昨日、事業統合発表で物色されていた大手海運が揃って下げるなど、物色が日替わりといった感じである。ファナック<6954>は一気に25日線レベルまで下げているが、明日以降の自律反発を意識した押し目拾いも一考か。ソニー<6758>も売り一巡後は直近ボトム水準での下げ渋りをみせており、こちらも押し目を意識しておきたいところである。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は104円92銭付近、ドルは下値が堅い、日銀の金融政策は現状維持


1日午前の東京外為市場では、ドル・円は下値の堅い展開。日銀の政策決定を控え様子見ムードが広がるなか、日本株の下げ幅縮小でドル買いは継続したようだ。ドル・円は前日の海外市場で105円22銭まで上昇したが、米大統領選候補の民主党クリントン氏が国務長官時代に私用メールを使用していた問題で、連邦捜査局(FBI)の捜査再開を嫌気したドル売りが重石となった。東京市場では104円後半で推移。

ただ、今日10時に発表された10月中国製造業PMIの予想上振れなどで中国経済への懸念はさらに後退し、日経平均株価はやや下げ幅を縮小。日銀の政策決定を前にドル・円の動意は薄かったが日本株の反転期待で下値の堅い値動きとなった。

なお、日本銀行は1日開催の金融政策決定会合で当座預金における政策金利を-0.1%に据え置くことを決定した。また、10年国債金利の操作目標を0%程度で維持することも決定された。いずれも予想通り。ドル・円は104円85銭前後で推移している。

12時21分時点のドル・円は104円92銭、ユーロ・円は115円03銭、ポンド・円は128円34銭、豪ドル・円は79円96銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・トヨタ紡織<3116>、三菱地所<8802>など3社のレーティング格上げ

・田辺工<1828>、白鳩<3192>、パピレス<3641>など6社がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・東和フード<3329>、10月度の売上高を発表


☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・日銀展望レポート発表


<海外>
・12:30 豪準備銀行が政策金利発表(1.50%に据え置き予想)
・米連邦公開市場委員会(FOMC、2日まで)

《WA》

 提供:フィスコ

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