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【市況】米国株式市場見通し:FOMCと雇用統計、長期金利の動向に注目


今週は11月1日?2日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。今回のFOMCで利上げが決定される可能性は低いが、12月の利上げを予想する向きは多い。先週、欧州の金利上昇を受けて米国の長期金利も5ヶ月ぶりの水準へ上昇しており、FOMCの声明文から利上げに前向きな姿勢を読み取ることができれば、長期金利の上昇圧力が一段と強まり、株価上昇をおさえる要因となる可能性がある。

また、月末・月初となることから雇用統計など多数の経済指標の発表が予定されている。10月雇用統計(4日)では非農業部門雇用者数は17万5千人増、失業率は4.9%への低下が予想されている。非農業部門雇用者数が予想を上回る20万人以上となれば12月の利上げがほぼ確実視されることになるだろう。その他、9月個人所得・支出(31日)、10月シカゴ購買部協会景気指数(31日)、10月ISM製造業(1日)及び非製造業(3日)景況指数、10月ADP雇用統計(2日)、9月貿易収支(4日)などの発表が予定されている。

ピークは通過したものの、引き続き企業決算も多数予定されている。製薬のファイザー(1日)、革製品・アパレルのコーチ(1日)、メディアのタイムワーナー(2日)、ソーシャルネットワークのフェイスブック(2日)、保険のメットライフ(2日)やAIG(2日)、セキュリティソフトのシマンテック(3日)、コーヒーチェーンのスターバックス(3日)、半導体のエヌビディア(3日)などの発表が控えている。保険会社は、金利上昇によって恩恵を受ける為、メットライフやAIGの決算では業績見通しや足元の金利環境の変化について、経営陣からどのような言及があるかが注目点となるだろう。

メディアのタイムワーナーはAT&Tによる総額854億ドルの大型買収に合意したばかりだ。ディールロジック社の調査によると今月(10月)発表された企業買収の総額は既に2489億ドルで、月間過去最高となる見通しだ。大統領選挙では民主党のヒラリー氏が優勢との見方が多く、オバマ政権と同様にアンチトラスト法(独占禁止法)は比較的厳しく適用される可能性がある。しかしながら、ハイテクやヘルスケア関連などで、多額の余剰資金を抱えている企業が少なくない。そして米国に資金を還流する場合に課せられる法人税の引き下げなど、政権交代が米国の税法を見直す良い機会になるとの期待がある。また金利が本格的に上昇する前に資金調達を行いたいとの思惑も、企業買収の増加につながっているようだ。

(HorikoCapitalManagementLLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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