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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

イチケン <日足> 「株探」多機能チャートより

■イチケン <1847>  377円 (+67円、+21.6%)

 東証1部の上昇率トップ。26日、イチケン <1847> が17年3月期の経常利益(非連結)を従来予想の24億円→34億円に41.7%上方修正。減益率が36.6%減→10.2%減に縮小する見通しとなったことが買い材料。商業施設の内装工事などの受注が堅調に推移する中、工事採算が改善することが利益を押し上げる。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の8円→9円(前期は8円)に増額修正した。前日終値ベースの予想PERが6.6倍→4.5倍に低下する一方、期末配当利回りは2.9%に上昇し、割安感がさらに強まったことも買い気に拍車を掛けた。

■日本製罐 <5905>  126円 (+19円、+17.8%)

 26日、日本製罐 <5905> [東証2]が17年3月期の最終利益(非連結)を従来予想の6700万円→7億3000万円に11倍上方修正。従来の16.7%減益予想から一転して7.6倍増益を見込み、一気に7期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。投資有価証券の売却に伴い、売却益が発生したことが最終利益を大きく押し上げる。製缶の販売好調に加え、生産性向上やコスト削減なども上振れに貢献する。

■イクヨ <7273>  157円 (+21円、+15.4%)

 26日、自動車部品メーカーのイクヨ <7273> [東証2] が配当修正を発表。従来未定としていた17年3月期の期末一括配当を3円実施し、16期ぶりに復配する方針としたことが買い材料視された。繰越利益剰余金の欠損填補を行い、財務基盤が回復したことを踏まえ、株主への利益還元を再開する。

■ユアテック <1934>  705円 (+78円、+12.4%)

 東証1部の上昇率2位。ユアテック <1934> が急騰。同社は東北電力系の電気工事会社で足もとの業績はビル建築など高水準の民間需要を背景に好調を維持、26日取引終了後に発表した17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算では売上高が1017億4000万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は48億8500万円(同6.5%増)と増収増益だった。また、年間配当を従来予想の12円から8円増額し20円に増額、前期比でも5円の増配となることから、これを評価する買いが集中した格好だ。

■大京 <8840>  221円 (+23円、+11.6%)

 東証1部の上昇率3位。26日、大京 <8840> が発行済み株式数(自社株を除く)の8.33%にあたる7000万株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は10月27日から17年10月26日まで。また、2021年3月期に営業利益280億円以上(16年3月期は183億円)、ROE9%(同7.8%)を目標とする中期経営計画を策定したことも支援材料。

■オリックス <8591>  1,619.5円 (+124円、+8.3%)

 東証1部の上昇率4位。26日、オリックス <8591> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.97%にあたる3900万株(金額で500億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は10月27日から17年3月31日まで。同時に発表した17年3月期上期(4-9月)の連結税引き前利益が前年同期比12.6%減の2192億円に減少したが売り材料視されなかった。

■富士通 <6702>  599.3円 (+43.5円、+7.8%)

 東証1部の上昇率7位。富士通 <6702> が急伸。同社が27日後場に発表した17年3月期第2四半期(4-9月期)累計の連結決算は売上収益が2兆850億7700万円(前年同期比7.0%減)、営業損益258億9900万円の黒字(前年同期124億3700万円の赤字)、最終損益118億6100万円の黒字(同159億5600万円の赤字)と減収ながら黒字転換した。パソコン事業などでのコスト削減努力が損益改善に反映された。また、同社は中国のレノボグループとパソコン事業での戦略的提携について検討していることを発表、これが買い人気を助長した。

■ベクトル <6058>  1,179円 (+44円、+3.9%)

 ベクトル <6058> が年初来高値更新。いちよし経済研究所が26日付のリポートで、レーティング「A」を継続し、フェアバリューを1233円から1500円へ引き上げたことが好感された。ニュースリリースの動画配信サービス「NewsTV」が、サービス開始から1年弱で400本以上の案件を受注するなど好調に推移している。また、戦略PRのサービスメニューも予想以上に強化されており、インターネットメディア企業としても評価している。17年2月期営業利益予想を従来の26億円から27億円(会社計画21億1000万円)へ、18年2月期を同42億円から45億円へ、19年2月期を同54億円から58億円へそれぞれ引き上げた。

■デジタルアーツ <2326>  2,770円 (+102円、+3.8%)

 デジタルアーツ <2326> が続伸。同社は27日午前10時30分過ぎに、17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結業績予想を修正。経常利益は従来見通しの6億800万円を上回り、7億6700万円(前年同期比53.7%増)になったようだと発表した。売上高予想も22億2200万円から24億2000万円(同25.1%増)に増額修正。総務省が求めている自治体情報セキュリティー対策の抜本的強化に関する指針を受け、公共向けに主力製品の「i-FILTER(またはD-SPA)」や「m-FILTER」に対する需要が拡大し、案件の獲得が順調に進んだことが業績を押し上げたという。なお、第2四半期決算は、改めて27日発表する予定。通期業績予想については、現在精査中としている。

■滋賀銀行 <8366>  546円 (+19円、+3.6%)

 26日、滋賀銀行 <8366> が17年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の80億円→122億円に52.5%上方修正。従来の33.3%減益予想から一転して1.7%増益を見込み、2期連続で上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料。与信関係費用が想定を下回ったことや、株式関係損益が想定を上回ったことが利益を押し上げた。なお、通期の経常利益は従来予想の150億円(前期は225億円)を据え置いた。

■日本空港ビルデング <9706>  4,090円 (+140円、+3.5%)

 日本空港ビルデング <9706> が反発。同社は26日の取引終了後、17年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を2210億円から2029億円(前期比0.6%減)へ、営業利益を129億円から88億円(同22.1%減)へ、純利益を111億円から72億円(同18.8%減)へ下方修正した。株価はこれをうけて寄り付きで前日比70円安の3880円まで売られたが、その後は戻す動きとなった。前年下期から続く「爆買い」沈静化の傾向が予想以上に大きく国際線の商品売上における購買単価が予想以上に減少、市中免税店も当初計画を大きく下回っているが、「爆買い」沈静化の影響は織り込まれているようだ。

■雪印メグミルク <2270>  3,720円 (+105円、+2.9%)

 雪印メグミルク <2270> が続伸。東海東京調査センターが同社株のレーティングを「アウトパフォーム」、目標株価4890円で新規カバレッジ、これが株高を後押しした。17年3月期は同社が14年5月に策定した中期経営計画の最終年度で、経営目標指標として、営業利益130~150億円、EBITDA(=営業利益+減価償却費)310~330 億円の水準を示している。そのなか、25日に会社側は17年3月期上半期および通期計画の上方修正を発表。同調査センターでは、既に16年4-6月期決算において、チーズ、ヨーグルトといった高付加価値商品が貢献して会社計画に対する進捗率も高かったことから、中期経営計画の目標数値も達成可能と考える、としている。

■三菱地所 <8802>  2,092.5円 (+52円、+2.6%)

 三菱地所 <8802> が続伸。東京・丸の内などを中心に大型オフィスビルを運営するほか、マンションも高額物件を中心に定評がある。不動産セクターはマンションの売れ残りなどがネガティブ材料にみられているが、完成在庫が減少し需給も改善してきているもよう。同社を含め大手不動産株には海外資金とみられる大口の買いが観測され、一部オイルマネーの買い戻しも市場で取りざたされた。なお、三井不動産 <8801> も27日まで上値追いを継続し11日続伸となった。

■サンバイオ <4592>  1,440円 (+30円、+2.1%)

 サンバイオ <4592> [東証M]が続伸。26日の取引終了後、神経系疾患を対象に日米で開発を進めている再生細胞薬SB623の外傷性脳損傷を対象とした第2相臨床試験について、国内で最初の被験者の組み入れを開始したと発表しており、研究開発の進捗に対する期待感から買われたようだ。同試験は、他家由来の間葉系幹細胞を使った再生細胞薬としては世界初の外傷性脳損傷を対象としたグローバル臨床試験。外傷性脳損傷を受傷後12ヵ月以上が経過した慢性期の運動障害をもつ患者を対象に、同剤の有効性や安全性、忍容性について評価を行うのが目的としている。なお、同試験は、日米合計で約30ヵ所の医療機関で実施される予定で、米国では既に今年7月に最初の被験者の組み入れを実施しており、被験者数は日米合わせて52人に達する見込みとしている。

■ダイビル <8806>  946円 (+16円、+1.7%)

 ダイビル <8806> が続伸。同社は27日後場取引時間中に17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表、売上高は193億2800万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は51億8400万円(同21.5%増)、最終利益は28億9800万円(同17.0%増)と好調だった。主力の土地建物賃貸事業が「新ダイビル」の寄与などで好調に売り上げを伸ばし全体業績を押し上げた。これを好感する買いが入った。

■アドバンテスト <6857>  1,393円 (+19円、+1.4%)

 26日、アドバンテスト <6857> が17年3月期の連結税引き前利益を従来予想の115億円→153億円に33.0%上方修正。従来の2.3%減益予想から一転して30.0%増益見通しとなったことが買い材料。利益率の高い半導体試験装置などの売上構成比率が上昇し、採算が改善した。業績上振れに伴い、従来未定としていた今期の年間配当は22円(前期は20円)実施する方針としたことも支援材料。

■伊藤忠食品 <2692>  4,190円 (+40円、+1.0%)

 伊藤忠食品 <2692> が続伸。同社は26日取引終了後、17年3月期の第2四半期累計(4-9月)連結業績予想の修正を発表。売上高は3200億円(前年同期比2.5%減)で据え置いたが営業利益を10億円から14億円(前年同期比10.1%減)へ、純利益を10億円から14億円(同17.7%増)へ上方修正した。コスト圧縮に加え、一部費用の発生が第3四半期以降にずれたこと、貸倒懸念債権額の減少により引当金の戻入益を計上したことなどが利益を押し上げた。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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