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【市況】国内株式市場見通し:日米決算発表が本格化、米アップル決算受けたハイテクセクターの動向に注目

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。週間の上昇幅は320円を超えている。週初から緩やかなリバウンド基調が続くなか、週半ばにはこれまでのもち合いレンジの上値抵抗水準である17000円を捉えた。その後は、米大統領選の最後のテレビ討論会の行方を見守りたいとのムードが意識されたが、市場はヒラリー氏優勢との見方を織り込む流れのなか、海外勢とみられる資金流入が活発となった。17000円での攻防と見込んでいたが、市場は早い段階でヒラリー氏勝利を想定した流れとなったようである。一気に17000円の抵抗を突破したことにより、リターンリバーサルによる買い戻しの動き等も強まり、日経平均は半年ぶりに17200円を回復している。

また、原油先物相場については米国の原油在庫減少を受けて、一時約1年3ヵ月ぶりの高値となる51.93ドルに上昇。本格化する決算についても米アルコアの決算で不透明感が強まっていたが、その後の米金融大手決算は減収減益ながらコンセンサスを上回っていたことから、安心感につながっていた。さらに経済鈍化が懸念されていた中国については、注目されていた中国7-9月GDPは前年同期比6.7%増となった。1-3月期から2期続けて横ばいだったが、市場予想と一致したことにより、中国経済の減速懸念が和らいだことも物色意欲が高まる一因となった。

日経平均は節目の17000円を突破したことにより、需給状況が改善されているであろう。10 月第2 週(11-14日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は2週連続で買い越している。先週の動きをみても海外勢は買い越しとみられ、海外勢の投資姿勢の変化も安心感につながるだろう。これまでは週毎に上昇、下落をみせており、この流れから今週は調整の週となる。先週1週間の上昇幅は高いところで430円を超えており、急ピッチの上昇に対する利益確定の売りも出やすいところである。ただ海外勢の投資姿勢の変化により、これまでの抵抗線を明確に突破したことにより、今後は17000円処が支持線に変わる。同水準での押し目買い意欲は強いであろう。価格帯別出来高では週間ベースで16500-17000円において商いが相当積み上がっている一方、上は19000円辺りで若干積み上がっている程度である。利益確定の売りをこなしながら緩やかなリバウンド基調が期待される。

今週は国内でも主要企業の決算発表が本格化する。任天堂<7974>、LINE<3938>、エムスリー<2413>、日本電産<6594>、オリエンタルランド<4661>、ドコモ<9437>など個人の関心が高い企業の発表が予定されている。米国では決算がヤマ場を迎えるが、25日にはアップルの決算等も予定されており、業績を手掛かりとした物色に向かうことになろう。為替市場では、米国の年内利上げ観測の高まりから9月以降は円安傾向にあり、今回の決算が円高の影響による大幅な減益となったとしても、市場は織り込み済みと判断し、今後の回復に期待してくる可能性がある。とりわけ、アップルの決算では「iPhone 7」シリーズの好調が見込まれており、アップル決算への評価が、電子部品株への見直しに向かわせる可能性がありそうだ。

経済スケジュールでは、24日に9月の貿易統計、9月の全国スーパー売上高、10月のユーロ圏製造業PMI、25日に10月の米消費者信頼感指数、10月の独Ifo景況感指数、ドラギECB総裁講演、26日に9月の米卸売在庫、9月の米新築住宅販売、27日に9月の米耐久財受注、米週間新規失業保険新鮮件数、英7-9月GDP、28日に米7-9月雇用コスト指数、米7-9月GDP、10月の米ミシガン大消費者マインド指数、10月の独消費者信頼感指数。また、24日から27日まで中国共産党の重要会議である第18期中央委員会第6回総会(6中総会)が開かれる。

《FA》

 提供:フィスコ

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