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【経済】NYの視点:米ベージュブックも年内の利上げを後押し


米連邦準備制度理事会FRBが公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)も9月の公定歩合会合の議事録に続き、年内の利上げを後押しする結果となった。このベージュブックは11月の連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる。大統領選挙を数日後に控えた11月FOMCでの利上げを予想する市場関係者は少ない。ただ、結果は12月FOMCでの利上げを正当化し引き続きドルを支えると見る。

ダラス連銀が8月末から10月初旬までの全米12地区の情報をまとめた報告によると、ほとんどの地区の経済活動は緩慢または緩やかな成長拡大を継続した。ただ、NY地区では活動が横ばいにとどまった。ほとんどの地区で、緩やかなペースでの成長が続くと、見通しも楽観的だった。

利上げの鍵を握る労働市場の状況は依然ひっ迫。雇用や賃金に緩やかな伸びが見られた。人員削減は製造業や石油、ガス企業で多く見られた。同時に、技術職だけでなく、建設、セールス、運輸、製造、ヘルスケア部門などで雇用不足も報告された。結果、賃金も安定した上昇を示した。物価はネットで緩やかな上昇を示した。

米国経済で7割を占める消費はまちまち。小売り売上は増加した一方、製造業は依然ドル高が活動を抑制した。建設や不動産市場の活動はほとんどの地区で拡大が報告された。結果はほぼ予想通り。サプライズなく米国金利先物市場での12月の利上げ確率は依然65%前後で推移した。

■経済
経済活動はほとんどの地区で緩慢または緩やかな成長拡大を継続

■見通し
ほとんどの地区で楽観的、緩やかなペースでの成長が続く

■労働市場
状況は依然ひっ迫

■賃金
賃金に緩やかな伸び

■物価
緩やかな上昇。

■製造業
依然ドル高が活動を抑制した。

■消費
強弱まちまち

■小売り
増加

《FA》

 提供:フィスコ

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