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【材料】東和薬品---2017年3月期は積極投資で一時的に減益になる計画、中計最終年度の2018年3月期には増益に転じると見込む

東和薬品 <日足> 「株探」多機能チャートより

東和薬品<4553>はGE(ジェネリック医薬品=後発薬)大手の一角。自前の営業拠点の整備を進め、直販比率(2016年3月期は単体ベースで60.2%)が高いのが特色であり強みでもある。医薬品取扱品目は696品目にのぼり、業界のトップクラスだ。医薬分業が進む中、近年は病院や保険薬局向けの営業活動に注力し、販売が順調に拡大。特に保険薬局向けの売上拡大が顕著となっている。2016年4~6月期の納入先別売上高(単体ベース)は診療所向けが21.6%、保険薬局向けが67.0%、病院向けが11.4%である。製剤技術も強みとしており、優れた崩壊性と錠剤硬度を両立し、飲みやすさと扱いやすさにこだわったOD錠(口腔内崩壊錠)は、医療現場の声に応えた同社製剤開発技術の代表例とも言える。

2017年3月期は売上高が前期比13.9%増の935.00億円、営業利益が同5.7%減の105.00億円、経常利益が同1.9%増の103.50億円を計画。政府のGE普及策による数量拡大で増収を見込む一方、今年4月の薬価改定の影響に加え、政府が掲げるGE数量シェア70~80%への対応に伴う生産能力増強のための設備投資による減価償却費の増加や営業体制強化のための費用増、付加価値製剤開発に向けた研究開発費増などが利益を圧迫する見通しだ。なお、8月8日に発表した第1四半期決算は売上高が前年同期比3.8%増の201.77億円、営業利益が同55.6%減の13.38億円、経常利益が6.72億円の赤字(前年同期は33.38億円の黒字)で着地。経常利益が赤字になったのは、原料代金の為替ヘッジを目的としたデリバティブ取引に評価損(21.43億円)が発生したため。

同社は現在進行中の3カ年中期経営計画で、最終年度の2018年3月期に売上高を1050.00億円、営業利益を130.00億円、経常利益を130.00億円にそれぞれ引き上げることを目指している。達成に向けては、2018年3月期に生産能力を年間140億錠(2016年3月期は75億錠)に引き上げ、安定供給体制を整えるほか、直販体制を強化するため、営業所数を2018年3月末をメドに80カ所に増やす計画だ。また、OD錠の品目を90品目以上(2015年5月時点で53品目)に拡大する方針である。

《SF》

 提供:フィスコ

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