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【特集】【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:「失敗の本質」から学ぶ株式投資

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2016年10月6日9時に執筆

10月相場入りしてからの東京市場は、先月末に飛び込んできた「OPEC減産合意」の一報から原油相場の引き締まりと緩やかに進む円安を好感し、3日続伸となる好スタートを切っている。

目先の日経平均は17000円どころにある心理的な壁を突き抜けることができるか正念場を向かえている。7/21、8/12、9/5といずれも16900円~17100円のゾーンを高値に押し返されている。この壁を4度目の正直で水準訂正に進めるかが短期的な焦点だ。

小池百合子東京都知事による豊洲新市場予定地内の土壌汚染に対する責任究明の手法・手腕については各方面から必ずしも歓迎されていないようである。これほど一地方自治体の首長が連日トップニュースの主役を張る事態も珍しい。

一連の都庁内の戦犯探しも徒労に帰すのは「責任者・決定者・検証する者」の3点セットが不明確だからである。こうした出来事が起こると、必ずと言ってよいほど話題に上る良書がある。旧日本軍の「失敗の事例研究・失敗の本質・失敗の教訓」を体系的に捉えようとした「失敗の本質」(中央公論新社)である。

わたしは発行当時にこの本を購入している。現在の同書の評価はどちらかというと戦前の軍隊という組織の意思決定構造の杜撰さを戦後の日本社会特有の「組織論」・「企業経営論」になぞらえて、或いはこじつけて拡大解釈する風潮が強いと感ずるのだが。

じつは株式投資にこそ、同書の分析から得られる教訓がちりばめられていると思っている。戦いに敗れたときの幕引きの難しさ。当初の成功体験に固執するあまり、小さな負けを認められない体質がやがて破滅するまで方針転換できない思考硬直をおこし、完膚なきまで打ちのめされてなお現状を継続しようとする。

まさに、個人投資家が投資人生で一度や二度は直面する、大敗時の幕引きの難しさである。小さなロスカットから逃避していくうちに「いつか戻るだろう」と思い込むことで機敏な判断を先送りして放置してしまう。株式投資は負け戦から学ぶことが実に多い。同書は文庫本で800円程度だから秋の夜長の読書には向いていよう。

個別株では、引き続きシコリ玉の少ない直近IPO銘柄の個別物色の流れに乗りたい。新規出店効果と既存店売上が好調な串カツ田中<3547>、連日の新値追いが続くチェンジ<3962>、スマート農業など話題性のあるセラク<6199>などに注目している。

執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記

《MT》

 提供:フィスコ

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