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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~原油高の持続性見極め、足元一服の中小型株などの押し目拾いか

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・原油高の持続性見極め、足元一服の中小型株などの押し目拾いか
・ドル・円は101円31銭付近、ドル堅調、日本株強含みで買い継続
・三菱UFJ、三井住友FGなど4社の目標株価変更


■原油高の持続性見極め、足元一服の中小型株などの押し目拾いか

日経平均は反発。233.78円高の16699.18円(出来高概算8億4000万株)で前場の取引を終えている。28日の欧米市場は上昇。注目されていた石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合では、原油生産量を制限することで合意した。実質の減産合意となったことが好感され、NYダウは続伸で25日線を回復。シカゴ日経225先物清算値は大阪比80円高の16540円だった。円相場は1ドル100円75銭辺りと、前日からは若干円安に振れているなか、買いが先行した。

16600円を回復して始まった日経平均は、その後16600円を下回る局面もみられた。しかし、石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合での原油減産合意を受けて鉱業、鉄鋼、石油石炭、非鉄金属、卸売、機械など資源・素材セクターを中心に強い値動きをみせているほか、円相場が1ドル101円台に乗せる円安基調のなか、日経平均は上げ幅を広げて一時16700円を回復している。

原油減産合意を受けて資源関連を中心に強い動きをみせており、東証1部の騰落銘柄は値上がり数が6割を占めている。一方で、内需・ディフェンシブ系を中心に利益確定の流れとなっているほか、中小型株の中にも利益確定から下げに転じている銘柄が目立ってきている。原油安に歯止めがかかることで株高・円安基調への転換が期待されてくるだろうが、OPECは11月30日にウィーンの本部で開く総会で詳細を詰め、正式に生産調整に踏み切る方針である。それまでに反対の動きも出てくる可能性もありそうなため、持続性を見極める必要がありそうだ。

そのため、物色としては足元で一服をみせてきている内需・ディフェンシブ系や中小型株の押し目拾いのスタンスが有効のように感じられる。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は101円31銭付近、ドル堅調、日本株強含みで買い継続


29日午前の東京外為市場では、ドル・円は堅調地合い。日経平均株価の強含みを背景にドル買いが継続した。ドル・円は100円70銭付近で寄り付いた後、前日同様に月末要因による輸入企業のドル買いが続き上昇基調となった。日経平均の強含みを背景に一時100円41銭まで上昇。また、前日の主要産油国による減産合意もリスク選好的な円売りを誘発したようだ。

ある外為ディーラーは「月末にもかかわらず、輸出の売りがそれほど強くないためドルはやや上を目指す展開」と指摘する。

ランチタイムの日経平均先物は引き続き200円超と堅調な値動きのため、ドル・円は午後の取引でも101円台で底堅い値動きが続くだろう。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペース鈍化の見方に変わりはなく、積極的なドル買い材料が見当たらなければ上値が重くなりそうだ。

ここまでドル・円は100円66銭から101円41銭、ユーロ・円は112円90銭から113円85銭、ユーロ・ドルは1.1215ドルから1.1233ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は101円31銭、ユーロ・円は113円75銭、ポンド・円は131円96銭、豪ドル・円は77円96銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・三菱UFJ<8306>、三井住友FG<8316>など4社の目標株価変更

・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、2位ファーストリテ<9983>、2銘柄で日経平均を約33円押し上げ

・シルバーエッグ<3961>、モジュレ<3043>、GMOクラウド<3788>など6社がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・安倍首相
「引き続き政府・日銀は連携しながらあらゆる政策を総動員」

・ジョージ・カンザスシティ連銀総裁
「FRBは緩やかでも確実な前進が必要」
「FOMCにとって見解の多様性は健全」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・特になし


<海外>
・特になし

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 提供:フィスコ

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