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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円上げ渋りか、クリントン氏優勢も慎重な見方

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開となりそうだ。米大統領選候補者によるテレビ討論会で民主党のクリントン候補が、共和党のトランプ候補を制したとの見方が広がり、ドル買いが続く見通し。しかし、市場にはEU離脱の是非を問うた6月の英国民投票が予想外の結果になったトラウマが残っていることから、現段階からドルを買い進めることには慎重になろう。

日本時間の今日午前10時に始まったテレビ討論会は、赤いスーツ姿で健康状態の回復をアピールするクリントン氏、青いネクタイで清廉さを強調する共和党のトランプ氏による初の直接対決となった。冒頭の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)問題では、トランプ氏はクリントン氏が当初TPP推進に賛成だったが後に反対に回ったと批判。しかし、クリントン氏は「後から問題点に気づいた」などと述べ、逆に冷静に対応したことが有権者の信頼感につながったとみられる。今日の討論会を受け、トランプ氏によるメキシコ批判で売り込まれたペソが、クリントン氏優勢の見方から買い戻される場面がみられた。クリントン氏優位の見方が欧米市場でも広がれば、ドル買いの動きが広がるかもしれない。

ただ今回の大統領選には、人種や性差、賃金などで社会的な犠牲を強いられる特定グループの利益を候補者が代弁することで有権者の共感を得るという特徴がある。テレビ討論は10月9日、10月19日にも予定されている。今日の討論会でクリントン氏優勢となっても、トランプ氏が政党や政策の違いを超え有権者の共感を呼ぶことができれば、巻き返しの可能性はある。

6月23日に行われた英国民投票では市場コンセンサスとは逆のEU離脱という結果となり、金融市場は混乱状態に陥った。「選挙を見越した取引は危険」(邦銀筋)との見方から、投資家は両候補のどちらか一方の勝利を先取りする動きを控えるようであり、11月8日の本選で結果が判明するまで、ドル買いが強まるとは想定しにくい状況だ。


【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・8月マネーサプライ(前年比予想:+4.9%、7月:+4.8%)
・22:00 米・7月S&Pシースケラー住宅価格指数(前年比予想:+5.10%、6月:+5.13%)
・22:45 米・9月サービス業PMI速報値(予想:51.2、8月:51.0)
・23:00 米・9月消費者信頼感指数(予想:99.0、8月:101.1)
・23:00 米・9月リッチモンド連銀製造業指数(予想:-2、8月:-11)
・24:15 フィッシャー米FRB副議長講演(なぜ経済学を学ぶのか)
・02:00 米財務省5年債(340億ドル)

《WA》

 提供:フィスコ

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