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【市況】新興市場見通し:新たな金融政策で中小型株に上昇期待、IPO銘柄も人気化か

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、週初は日本銀行・金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見ムードが強かった。ただ、日銀が「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定したことが伝わると、日経平均の上昇に連れ新興市場も上げ幅を拡大する展開となった。祝日明けの23日には、日経平均は円高が重しとなり反落したが、新興市場はバイオ株を中心に強い上昇が続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.4%であったのに対して、マザーズ指数は+3.6%、日経ジャスダック平均は+1.3%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で5.7%高、そーせいグループ<4565>が同4.3%高、サイバーダイン<7779>が同1.7%高と堅調だった。売買代金上位では、アンジェスMG<4563>、デジタルアイデンティティ<6533>、エナリス<6079>、モバイルファクトリー<3912>、リファインバース<6531>などが同2ケタの上昇率となった。アンジェスMGは米国での特許取得が材料視され、モバイルファクトリーは信用規制が解除された。直近IPO銘柄のデジタルアイデンティティやリファインバースは成長期待で急動意を見せた。反面、カナミックネットワーク<3939>や串カツ田中<3547>は利益確定売りに押された。ジャスダック主力では、平田機工<6258>が同6.9%高、セリア<2782>が同4.0%高、エン・ジャパン<4849>が同5.6%高となった。売買代金上位では、田中化学研究所<4080>、シンバイオ製薬<4582>、アサカ理研<5724>などが大きく上昇した。シンバイオ製薬はノーベル賞関連として物色が向かった。アサカ理研はレアメタルリサイクル実証事業の投資計画を発表し、週間で7割強の大幅高となった。一方で直近IPO銘柄のノムラシステムコーポレーション<3940>やVR(仮想現実)関連のIGポート<3791>は利益確定売り優勢だった。

今週の新興市場は、しっかりとした展開が期待されそうだ。日銀が導入した金融緩和の新たな枠組みについては市場が消化するのに時間を要するとみられるが、現在のところ金融機関の収益悪化懸念が後退するなど株式市場にはポジティブとの見方が多い。ただ、為替相場が円高方向に振れていることが大型株の重しになりやすく、物色は中小型株に向かうと考えられる。

9月26日には臨時国会が召集され、政策期待が高まりそうだ。また、シンバイオ製薬が動意を見せているように、10月上旬のノーベル賞発表に向けて関連するバイオ株などに引き続き物色が向かうだろう。なお、今週は9月29日にストライク<6196>、30日に日本メディカルネットコミュニケーションズ<3645>などが決算発表を予定している。M&A仲介のストライクは業績期待が高いようだ。

IPO関連では、9月26日にバリューデザイン<3960>、27日にシルバーエッグ・テクノロジー<3961>とチェンジ<3962>、29日にシンクロ・フード<3963>、30日にG-FACTORY<3474>がいずれもマザーズへ新規上場する。バリューデザインは成長期待で、シルバーエッグ・テクノロジーやチェンジはテーマ性で人気が高い。なお、先週はアイモバイル<6535>(10月27日、マザーズ)の新規上場が発表されている。また、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)やマクロミルの再上場観測が報じられており、今後の動向が注目される。

《FA》

 提供:フィスコ

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