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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~日銀ETFへの思惑も、短期筋の売り仕掛けに注意

TOPIX <日足> 「株探」多機能チャートより

13日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・TOPIXマイナスで日銀ETFへの思惑も、短期筋の売り仕掛けに注意
・ドル・円は101円68銭付近、ドル下げ渋り、米年内利上げの期待は継続か
・富士通、カルソカンセイなど5社の目標株価変更


■TOPIXマイナスで日銀ETFへの思惑も、短期筋の売り仕掛けに注意

日経平均は小反発。2.73円高の16675.65円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えた。12日の米国市場はNYダウが230ドル超の上昇となった。ブレイナードFRB理事の発言を受けて利上げ観測が後退しており、これが好感された。この流れを受けてシカゴ先物は大阪比115円高となるなか、日経平均は反発して始まった。

ただし、円相場が円高に振れて推移するなか、日経平均は寄付き直後に16787.06円まで上げ幅を広げた後は、じりじりと上げ幅を縮めている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がり数が拮抗。規模別指数では大型、中型株が下落、小型株指数のみが小幅に上昇している。セクターでは医薬品、ゴム製品、鉱業、食料品、石油石炭、小売がしっかり。半面、保険、銀行、海運、その他製品が冴えない。

日経平均は僅かに25日線を回復して始まったが、その後は同線に上値を抑えられる格好で上げ幅を縮めている。円相場は1ドル101円70銭辺りで推移しており手掛けづらさが窺える。TOPIXがマイナスで引けているため、後場は日銀のETF買入れへの思惑から底堅さが意識される可能性はあるが、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、短期筋の売り仕掛け的な商いに振らされやすいだろう。

物色の流れとしては、大型株が手掛けづらい需給状況のなか、中小型にシフトしやすいと考えられえる。ゲームショウのほか、自動運転車、フィンテックなどのテーマ株の循環が続きそうである。また、調整が長期化している中小型株への出遅れ修正の動き等も意識されやすいだろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は101円68銭付近、ドル下げ渋り、米年内利上げの期待は継続か


13日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開。日経平均株価の上げ幅縮小に伴い、ドルは値を切り下げたが、101円半ば付近で下げ止まった。ドル・円は、101円80銭付近で寄り付き、もみあった後は日経平均の上げ幅縮小に連動し、一時101円42銭まで下落。日銀による追加金融緩和への期待は継続しているが、株高を背景としたリスク選好的な円売りは弱まった。

ただ、前日はブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事ら当局者による早期引き締めに慎重な発言が相次ぎ9月利上げは後退したものの、年内実施への期待は残された。このため、日経平均はマイナス圏に下げた場面でも、ドルは101円前半で押し目買いが入ったようだ。

午後も引き続き株価にらみの展開を予想する。ランチタイムの日経平均先物は底堅い値動きが続いており、日本株のプラス圏推移が続けばドルは101円半ばから大きく下げる展開は想定しにくい。

ここまでドル・円は101円42銭から101円99銭、ユーロ・円は113円94銭から114円57銭、ユーロ・ドルは1.1225ドルから1.1242ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は101円68銭、ユーロ・円は114円23銭、ポンド・円は135円52銭、豪ドル・円は76円71銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・富士通<6702>、カルソカンセイ<7248>など5社の目標株価変更

・ベクター<2656>、タクミナ<6322>がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・麻生財務相
「(日銀は)物価2%上昇の目標に向け、いろいろ検証することを期待」

・クリントン米民主党大統領候補
「できるだけ早期に選挙運動を再開」

・関係筋
「北朝鮮は核実験を中国に事前説明」




☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・特になし


<海外>
・特になし

《WA》

 提供:フィスコ

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