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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

ベクター <日足> 「株探」多機能チャートより

■ベクター <2656>  555円 (+80円、+16.8%) ストップ高

 ベクター <2656> [JQ]が全体相場無縁の急騰劇。値幅制限いっぱいの80円高は555円まで買われ、前週末に続く連続ストップ高。約4ヵ月ぶりに年初来高値も大幅更新。同社はオンラインゲームやソフトウエア販売を手掛け、足もとの業績は低調ながらソフトバンクグループ <9984> とヤフー <4689> 合計で過半の同社株式を保有、9月15日から「東京ゲームショウ」を控えていることもあってマーケットの注目度が高い。今月1日に新作ブラウザゲーム「リグレティア」の今秋サービス開始を発表、2日以降は急激な株価上昇局面に突入している。

■クレアホールディングス <1757>  51円 (+7円、+15.9%)

 クレアホールディングス <1757> [東証2]が急騰。同社は9日取引終了後に、中国の上海復華軟件産業発展と業務委託に関する基本合意書を締結したと発表。これが材料視されたようだ。上海復華軟件は、中国の最高学府のひとつである復旦大学の傘下企業で、中国初の大学関連上場企業として上海証券取引所に上場している上海復旦復華科技の出資により2003年に設立。医薬品の製造やソフトウエア開発を主事業とする上海復旦復華科技のプロジェクト「上海復華高新技術園区」の開発を担っている。クレアHDは上海復華軟件を通じて、同園区内の企業に対し、日本の医療・老人介護の技術ノウハウおよび関連製品・サービスなどの紹介、誘致を行うことなどについて基本合意書を締結することを決め、今年12月末までをメドに正式合意契約を締結する予定だとしている。

■小田原エンジニアリング <6149>  1,273円 (+140円、+12.4%)

 小田原エンジニアリング <6149> [JQ]が9日にストップ高まで買われたのに続き、本日も大きく値上がりし3連騰、連日で年初来高値を更新した。同社は8月10日に決算を発表。16年12月期上期(1-6月)の連結経常利益は前年同期比72.0%増の5.7億円に拡大し、従来の40.5%減益予想から一転して増益で着地した。自動車、家電向けの大型案件や原価低減で、主力の巻線機事業の収益が急拡大したことが寄与。併せて、通期の同利益を4.5億円→7.5億円に66.7%上方修正した。連日の株価上昇で予想PERは12倍台まで上昇したが、PBRは0.8倍台と依然割安感は強く、好業績・バリュー株として物色資金の流入が続いている。なお、同社が手掛ける巻き線機の最終製品となるモーターは電気自動車(EV)やハイブリッド車でも多く使用されていることから、EV関連としても注目されている。

■アドソル日進 <3837>  2,000円 (+216円、+12.1%)

 9日、東証がアドソル日進 <3837> [東証2]を16日付で市場1部に指定替えすると発表したことが買い材料。TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いが向かった。同時に、9月30日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いも向かった。また、実質14.8%の増配を発表したことも支援材料となった。

■セラク <6199>  3,590円 (+375円、+11.7%)

 セラク <6199> [東証M]が5連騰。前週末9日に、12日から石川県金沢市で開催される日本生物環境工学会2016年金沢大会で、セラクと大阪府立大学、エスペックミック(愛知県・大口町)の共同研究による「クラウドを利用した遠隔モニタリングシステムの改良と活用事例」を発表・展示すると発表しており、これを好感した買いが入った。なお、同研究は、セラクの農業IoTサービス「みどりクラウド」を用いて、農業生産現場へのIT導入がどのように収量増大や品質管理に寄与したかを報告するものだという。

■フルスピード <2159>  825円 (+85円、+11.5%)

 フルスピード <2159> [東証M]が反発。同社は9日取引終了後、17年4月期の第1四半期(5-7月)連結決算を発表したが、売上高は49億500万円(前年同期比39.3%増)、営業利益は2億3800万円(同27.5%増)と、ともに高水準の伸びを示しており、これが好感された。イレギュラー要因として貸し倒れ引当金1億2100万円を計上したにもかかわらず、アドテクノロジー事業が想定を上回る成長をみせており、全体を牽引している。

■カナモト <9678>  2,476円 (+240円、+10.7%)

 東証1部の上昇率2位。カナモト <9678> が急反発。前週末9日の取引終了後に発表した第3四半期累計(15年11月-16年7月)連結決算は、売上高1034億2200万円(前年同期比4.5%増)、営業利益105億7600万円(同15.4%減)、純利益58億8900万円(同21.5%減)と営業利益が2ケタ減益に終わったものの、減益は織り込み済みであり、悪材料出尽くし感から買いが入ったようだ。東北復興や東京五輪に向けたインフラ再整備などの需要が底堅く推移したほか、ニシケンの新規連結組み入れで九州地区の売上高が大きく増加し増収を確保したものの、レンタル資産などへの投資増強に伴う減価償却費の負担増から減益を余儀なくされた。なお、16年10月期通期業績予想は、売上高1432億円(前期比7.4%増)、営業利益146億3000万円(同10.1%減)、純利益85億5000万円(同10.5%減)の従来予想を据え置いている。

■ポールHD <3657>  807円 (+72円、+9.8%)

 東証1部の上昇率3位。ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス <3657> が大幅続伸。同社は9日取引終了後に、17年1月期第2四半期累計(2-7月)の連結決算を発表。営業利益は8億5300万円(前年同期比34.9%減)となり、従来予想の6億8900万円を上回って着地した。半面、売上高は88億8500万円(同3.9%減)と、従来予想の93億3500万円を下回った。円高の影響で海外売上高が予想を下回った一方、利益面では国内でプレイステーション4向けソフトのデバッグ受注が堅調に推移したことが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■ダブル・スコープ <6619>  2,094円 (+86円、+4.3%)

 ダブル・スコープ <6619> が全般悪地合いのなかで、売り物をこなし続伸。前週末まで4連騰で株価を22%も上昇させていただけに、利益確定売りやむなしの場面だが、積極的に買い向かう動きがこれを凌駕した。同社は9日、韓国にリチウムイオン電池用セパレーターの高付加価値製品であるコーティングセパレーターの工場用地を取得し、第1段階として2ラインの生産設備を増設、生産能力を15年末の2倍以上に引き上げることを正式に発表した。世界的に環境保全に対する意識が高まるなか、自動車業界では排ガス規制強化の流れが強まっており、電気自動車(EV)プラグインハイブリッド(PHV)の普及が加速する方向にある。つれて車載用2次電池としてリチウムイオン電池の需要が急増する流れにあり、同社のビジネスチャンス拡大に向けた期待が高まっている。

■エイチーム <3662>  1,965円 (+55円、+2.9%)

 エイチーム <3662> が全般下げ相場に逆行高。同社は9日取引終了後、17年7月期の連結業績予想を発表したが、売上高は320億円(前期比39.3%増)、営業利益は33億円(同49.1%増)、最終利益は21億5000万円(同66.3%増)を見込んでおり、これを好感するかたちで買いが流入した。ネット関連サービスを手掛ける同社はビジネス特性上、例年第3四半期が繁忙期であるほか、採用・研修費、株式報酬など人材を確保するための費用計上を上期に計画していることから、利益は下期偏重となる見通し。モバイル端末向けゲーム開発も手掛けていることから、15日から幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ」関連としても買いが集まりやすい。

■東京ドーム <9681>  990円 (+22円、+2.3%)

 9日、東京ドーム <9681> が17年1月期の連結経常利益を従来予想の89億円→99億円に11.2%上方修正し、減益率が16.3%減→6.9%減に縮小する見通しとなったことが買い材料。プロ野球・読売巨人軍の公式戦振替試合の開催に加え、東京ドームスポーツにおける指定管理者制度による新規の運営受託などが寄与し、売上が計画を上回ることが利益を押し上げる。

■武蔵精密工業 <7220>  2,299円 (+48円、+2.1%)

 武蔵精密工業 <7220> が反発。9日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエイト」を継続、目標株価を2550円から2700円へ引き上げた。ホンダ <7267> の四輪グローバル生産台数が従来想定よりも堅調に推移することや南米の収益改善が想定以上であることを指摘。17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の110億円(前期133億9800万円)に対して従来予想の114億円から118億円へ、18年3月期は124億円から157億円へ引き上げている。

■ディー・エヌ・エー <2432>  3,535円 (+50円、+1.4%)

 ディー・エヌ・エー <2432> が軟地合いのなかしっかり。12日、同社と住友商事 <8053> の合弁会社DeSCヘルスケアが、医療関連事業における開発や医療情報のサーチ・提供を行うサスメドと不眠治療用スマートフォンアプリの企画・開発について業務提携契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の提携は、非薬物療法である認知行動療法のアルゴリズムを使用したスマートフォンアプリの開発を行い、同アプリが不眠症を治療可能な医療機器として認可されることを目指して共同で取り組むというもの。神経研究所附属晴和病院など医療機関の協力を得て9月から臨床試験を開始する計画で、サスメドは主にアプリ全体の製品企画と医学的知見の活用を担い、DeSCヘルスケアはユーザーインターフェースおよびプログラムの開発を担当するという。なお、不眠症治療用スマートフォンアプリの臨床試験については、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の起業家候補(スタートアップイノベーター)支援事業ともなっている。

■コカイースト <2580>  1,949円 (+26円、+1.4%)

 9日、コカ・コーライーストジャパン <2580> が16年12月期の連結経常利益を従来予想の136億円→178億円に30.9%上方修正。増益率が30.6%増→71.0%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料。新製品を中心に水やコーヒーの販売が好調に推移する中、生産効率化やコスト削減が想定以上に進み、採算が大きく改善する。

■日信工業 <7230>  1,554円 (+20円、+1.3%)

 日信工業 <7230> が堅調。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を1200円から1350円へ引き上げたことが好材料視された。17年3月期は1ドル=100円を前提としても会社計画の営業利益90億円を上回ると予想しており、同証券では17年3月期営業利益予想を94億円から112億円へ引き上げている。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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