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【特集】ソフトブレーン Research Memo(3):16/12期2Qは増収増益で期初会社計画を上回る好調な決算

ソフトブレン <日足> 「株探」多機能チャートより

■決算動向

(1) 2016年12月期第2四半期累計業績概要

7月28日付で発表されたソフトブレーン<4779>の2016年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比27.7%増の3,642百万円、営業利益が同10.7%増の408百万円、経常利益が同9.4%増の405百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同19.1%増の242百万円といずれも期初会社計画を上回る好調な決算となった。

売上高は主力のeセールスマネージャー関連事業、フィールドマーケティング事業を中心にすべての事業セグメントで増収となり、半期ベースで過去最高を更新した。売上原価率は前年同期比で5.9ポイント上昇したが、販促費・広告宣伝費などの適正化を進めたことにより販管費率が同4.2ポイント低下し、営業利益率は11.2%となった。また、四半期純利益の増益率が高くなっているが、これは実効税率の低下による。

○eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業の業績は、売上高(外部顧客向け、以下同様)が前年同期比5.7%増の1,596百万円、セグメント利益が同7.5%減の166百万円となった。「eセールスマネージャーRemix Cloud」の販売が順調に拡大したほか、営業課題解決にフォーカスした営業コンサルティングや営業スキルトレーニング、並びにスマートデバイスの販売・導入コンサルティングなども堅調に推移した。「eセールスマネージャー」の中でもクラウドサービスの売上比率は42%まで高まっており、契約社数の拡大とともに安定的な売上げ成長が続いている。

セグメント利益が減益となったが、これは前年同期に本社現状回復に関する償却費の戻入益21百万円を計上したためであり、これを除けば4%の増益となっている。今後の成長を見据えた人員体制の強化に伴い人件費が増加したが、増収効果や販促費や広告宣伝費の適正化を進めたことで実質増益となった。

○フィールドマーケティング事業
フィールドマーケティング事業の業績は、売上高が前年同期比68.8%増の1,673百万円、セグメント利益が同38.2%増の220百万円となり、同事業セグメントでは過去最高業績となった。消費財メーカーにおける店頭でのフィールド活動業務のアウトシーング化が進むなかで、同社のサービス品質が高く評価され、大型案件の獲得につながったことが増収増益要因となった。同社のサービスは訪問単価制となっていることが特徴で、コストを明確化していること、また、顧客ニーズに合わせて人材派遣を始めとした多様なサービスを提供できることが強みとなっている。

利益率が若干低下したが、これは収益性が相対的に低い人材派遣ビジネスの拡大に加えて、今後の業容拡大に向けて、九州と中部に支店を開設し、東京本社の増床を行ったほか、人材面でも管理職クラスを中心に積極的な採用を進めるなど先行投資を実施したことが要因となっている。

○システム開発事業
システム開発事業の業績は、売上高が前年同期比1.2%増の230百万円、セグメント利益が同20倍の8百万円となった。国内のIT投資の回復傾向が続いているが、同社では人的リソースが限られるなかで安定収益の確保を重視しており、当期においてもわずかながら黒字を達成した。

○出版事業
出版事業の業績は、売上高が前年同期比16.7%増の142百万円、セグメント利益が同52.2%減の13百万円と増収減益となった。売上高は堅調に推移したものの、人件費や販促費の増加が減益要因となった。

(2)財務状況と経営指標

2016年6月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比で354百万円増加の4,755百万円となった。流動資産が352百万円の増加となっており、主に受取手形及び売掛金で155百万円、現金及び預金で89百万円、棚卸資産で86百万円の増加となった。

負債合計は前期末比90百万円増加の1,624百万円となった。有利子負債が28百万円減少する一方で、未払金が64百万円、前受金が88百万円増加した。また、純資産は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上を主因に、同263百万円増加の3,131百万円となった。

主要経営指標を見ると、自己資本比率が62.7%と60%台で安定推移しているほか、有利子負債比率も10.9%と低水準で推移しており、財務の健全性は高いと判断される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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