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【経済】NYの視点:ECBは資産買い入れプログラムの期間延長を12月に決定か


欧州中央銀行(ECB)は8日に開いた理事会で、月間800億ユーロの資産買い入れを2017年3月まで続けることを決定した。今回の理事会では資産買い入れプログラムの期間延長は決定されなかったが、ドラギ総裁は記者会見で、「理事会は当該委員会に対し、買い入れプログラムの円滑な実施を確実にするための選択肢を検討するよう指示した」と述べており、市場関係者の間では6カ月以上の期間延長は12月8日に開かれる理事会で決定されるとの見方が多いようだ。

ECBが公表したスタッフ予想では、2017年の成長率とインフレ見通しがやや引き下げられており、買い入れプログラムの期間延長はこの見通しに基づくとみられる。スタッフ予想によると、2017年のユーロ圏域内総生産(GDP)成長率は+1.6%で、6月時点の+1.7%から0.1ポイント引き下げられた。この変更について、ECBのドラギ総裁は英国による欧州連合(EU)離脱決定の影響を勘案したものであると説明している。

ECBは主要政策金利であるリファイナンス金利を0.00%に据え置くことを決定し、下限金利となる中銀預金金利も-0.40%に据え置いた。金利据え置きは予想通りだが、一部の市場関係者の間からは、「経済情勢次第では償還期限がより長い債券や株式、不良債権などが買い入れ対象に含まれる可能性がある」との声が聞かれている。

ただし、このような動きは非常事態的な対応であり、各国政府が構造改革に着手せず、財政政策による支援が期待できない状況になって初めて検討されるのではないか?との見方が多い。現時点で間違いなく言えることはECBの金融緩和策の終わりは全く見えていないということか。

《NO》

 提供:フィスコ

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