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2016年09月08日15時38分

【特集】アトラエ Research Memo(2):独自の組織論に基づいた組織力が強みのHR techのリーディングカンパニー

アトラエ <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社の概要・沿革

(1)会社の概要

アトラエ<6194>は、人工知能(AI)やビッグデータ解析技術等のテクノロジーを活用することにより求職者と求人企業の最適な人材のマッチングを行うインターネット人材紹介会社で、テクノロジー×HR領域(いわゆる、HR tech)のリーディングカンパニー。企業ビジョンとして、「世界中の人々を魅了する会社を創る」を掲げ、新卒採用を中心とした独自の組織論に基づいた組織力の強みとテクノロジーを駆使することにより、従来の人材サービスでは提供し得なかった価値を提供するべく、事業を展開する。テクノロジー×HR領域で圧倒的な国内No.1企業としてのポジションを確固たるものとし、並行して2020年までにテクノロジー×HR領域でアジアにおけるリーダー企業になることを目標としている。長期的にはHR以外の領域で、テクノロジーによって価値を生み出すことができうる領域へ事業展開することにより、日本を代表するグローバルカンパニーとして世界中の人々から必要とされる存在になることを目指している。

(2)沿革

同社は2003年10月に、代表取締役である新居佳英(あらいよしひで)氏※が前身である株式会社ユビキタスコミュニケーションズを設立し、2005年4月に株式会社I&Gパートナーズに社名を変更、同氏が長年経験してきたアナログかつクローズドな従来のHR領域にインターネット、テクノロジーの力を駆使して変革を起こし、労働力の最適配置を実現するために人材紹介事業を開始した。

※同氏はDODA(デューダ)を運営する(株)インテリジェンスにおいて、人材紹介事業部の立ち上げから、インテリジェンスの関連会社の代表取締役を経験し、人材サービス業界に関する豊富な経験、ノウハウ等を蓄積した。

広告型求人メディアが全盛であった2006年7月に成功報酬型ビジネスモデルの求人メディア「green」(2011年9月のWebサイトの全面リニューアルを機に「Green」へサービス名称を変更)のサービス提供を開始。以後、サイトの機能強化、リニューアルのほか、モバイルサイトでの提供開始などを行いながら、同社の強みの1つとなっている独自の転職活動・採用活動に関する膨大なデータを蓄積することにより、事業規模を拡大する。

2012年12月にソーシャルリクルーティングサービス※1「JobShare」のサービス提供を開始。2014年7月に「Green」のデータの蓄積及び機能充実などが進展し、会社が成長軌道に乗ったとの判断から、社名を株式会社アトラエ※2に変更した。2015年3月の「JobShare」のWebサイト全面リニューアルを行い、タレントマイニングサービス※3「TalentBase」として新たにサービス提供を開始したほか、2016年1月に完全審査制AIビジネスマッチングアプリ「yenta」のサービス提供を開始するなど新規事業の創出、拡大に意欲的に取り組む。

※1「ソーシャルリクルーティングサービス」とは、Facebook等のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した採用手法の名称。
※2社名のアトラエ(atrae)は「魅了する」、「引きつける」の意味をもつスペイン語の動詞atraer(アトラエール)の第三人称活用形。
※3求人企業の要求水準に適う「talent(才能あふれる優秀な人材)」を、同社独自の人工知能が自動的に「mine(発掘する)」サービスの実現を目指して作成した同社の造語。

2016年6月に新規事業の創出、世界展開を睨んだ資金調達と会社の知名度・認知度の向上を目的として、東京証券取引所マザーズ市場へ上場した。

(3)株主構成

上場前の株主の状況を見ると、代表取締役である新居佳英氏が間接保有を含めた所有株式数は660千株(発行済株式数1,164千株における所有比率は56.70%)を保有する。それ以外の株主としては、第3位の鎌田和彦(かまたかずひこ)氏(インテリジェンス元社長、オープンハウス<3288>代表取締役副社長)が270千株(同23.20%)、菊川曉(きくがわさとる)氏(ガーラ<4777>代表取締役社長)が108千株(同9.28%)、廣末紀之(ひろすえのりゆき)氏(GMOインターネット<9449>元役員、ガーラ元代表取締社長、ビットバンク(株)代表取締役CEO)が30千株(2.58%)を保有するなど、同社設立前から新居氏とビジネス上で何らかの関係があった者が株主となっているほか、同社の元役員の平井誠人(ひらいまこと)氏が57千株(同4.90%)を保有するなど同社の元役員・元社員といった個人が保有しており、金融機関、取引先企業、ベンチャーキャピタルなどは株式を保有していない。

上場に伴う公募及びオーバーアロットメント(主幹事会社を割当先とする第三者割当増資)により、足元の発行済株式数は1,292.6千株へ増加した。なお、同社は新居氏及び同社の役職員に対して新株予約権(潜在株式数は132千株)を付与しており、発行済株式数の10.21%に相当する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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