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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~メジャーSQを意識した17000円の攻防

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・メジャーSQを意識した17000円の攻防
・ドル・円は101円68銭付近、ドル下げ渋り、日本株の反転期待は継続
・DeNA、ファナックなど9社の目標株価変更


■メジャーSQを意識した17000円の攻防

日経平均は小幅に続落。41.39円安の16971.05円(出来高概算7億2000万株)で前場の取引を終えている。7日の米国市場では地区連銀経済報告(ベージュブック)では大半の地区で緩やかなペースで経済が拡大したものの、大統領選挙が一部企業の経済活動に影響を与えるとの認識が示され、小幅な値動きに終始する展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の16970円、円相場は1ドル101円65銭辺りで推移するなか、売り優勢の展開となった。

ただ、下値では日銀のETF買入れへの思惑のほか、明日のメジャーSQを控えて積極的な売買は手控えられており、一時17000円を回復するなど、下げ渋りの動きをみせている。セクターではその他製品、海運、鉱業、ゴム製品、機械、証券が堅調。半面、保険、鉄鋼、サービス、その他金融、電力ガス、水産農林が小安い。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が過半数を占めている。

セクターでその他製品が上昇率トップだったが、任天堂<7974>のインパクトが大きい。米アップルは7日、スマートフォンの新機種「iPhone 7」を披露した。また、iOS向けに任天堂の人気ゲーム「スーパーマリオ」の新作ゲーム「スーパーマリオラン」の提供を開始すると明らかにした。さらにポケモンGOが 「Apple Watch」に対応。この発表を受けて大幅高となり、さらにディーエヌエー<2432>などポケモノミクス関連へ波及している。

後場は日銀のETF買入れへの思惑から17000円を挟んでの底堅さが意識されそうである。メジャーSQを控えていることもあり、同水準で動きたくないであろう。ただし、17000円への戻りの鈍さが意識されてくるようど、権利行使価格の16875円寄りに推移してくる可能性もある。日経平均を横目で睨みながら、ポケモノミクス関連等のテーマ株の循環が続きそうである。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は101円68銭付近、ドル下げ渋り、日本株の反転期待は継続

8日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開。日本株の反転期待を背景に安値圏では底堅い値動きとなった。ドル・円は101円70銭台で寄り付いた後、101円92銭まで上昇したが、上値の重さが意識されて反落。日経平均株価のマイナス圏推移を手がかりに101円50銭台まで値を下げた。ただ、日経平均が切り返すとの期待もあり、ドル買いは継続。

一方、10時半に発表された豪・7月貿易収支は赤字幅が予想を上振れた。また、交易関係の深い中国の貿易収支も改善したことで、豪ドルは対ドルや対円で小幅に上昇。これにより、ドル・円は安値圏ながらやや底堅さが増したようだ。

ランチタイムの日経平均先物は引き続きマイナス圏推移のため、ドル・円は午後の取引も積極的なドル買いは手控えられる見通し。ただ、日経平均が下げ幅を拡大しなければ、ドルは101円半ばを大きく割り込む展開は想定しにくい。

ここまでドル・円は101円57銭から101円92銭、ユーロ・円は114円27銭から114円55銭、ユーロ・ドルは1.1235ドルから1.1258ドルで推移した。

12時21分時点のドル・円は101円68銭、ユーロ・円は114円42銭、ポンド・円は135円75銭、豪ドル・円は78円07銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・DeNA<2432>、ファナック<6954>など9社の目標株価変更

・DeNA<2432>、AppBank<6177>、田中化研<4080>などがストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・南ア中銀総裁
「今年の成長率見通しを月内に上方修正する可能性」

・菅官房長官
「日本経済は緩やかな回復が続いている」



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・13:30 中曽日銀副総裁講演
・14:00 8月景気ウォッチャー調査・現状(予想:45.5、7月:45.1)


<海外>
・時間未定 中・8月輸出(前年比予想:-4.0%、7月:-4.4%)
・時間未定 中・8月輸入(前年比予想:-5.4%、7月:-12.5%)

《WA》

 提供:フィスコ

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