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【通貨】欧米為替見通し:ポンドは堅調か、英中銀の緩和ペース鈍化なら買い継続

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日7日の欧米外為市場では、ポンド・ドルは堅調地合いとなりそうだ。欧州連合(EU)の離脱に伴う英実体経済への懸念が後退しているためだ。今日発表の経済指標や金融当局者の発言などで英中銀による緩和ペースの後退に思惑が広がれば、ポンドは一段高となるだろう。また、ポンド・円の上昇はドル・円を押し上げる可能性がある。

英中銀は8月3-4日に開催した金融政策委員会(MPC)で、2009年3月以来、7年5カ月ぶりとなる政策金利の引き下げを決定。また、英国債買い入れ枠拡大と社債の買い入れを加えた金融緩和に踏み切った。しかし、8月製造業購買担当者景気指数(PMI)(9月1日)や同サービス業PMI(同5日)など、足元で発表された経済指標では予想を大幅に上振れるケースが目立つ。

しかも、PMIは景気の好不況の境目となる50を上回る内容だ。英中銀は、政策金利を年内にゼロ付近まで引き下げるとの観測が広がっているが、足元の経済情勢の改善を受け、緩和ペースが鈍化するとの期待が広がり始めた。

今日の注目材料は17時半発表の英・7月鉱工業生産、同製造業生産。いずれも下振れ予想だが、市場コンセンサスを上回る可能性はあろう。また、22時15分からの英中銀総裁らによる議会証言で緩和スタンスの鈍化が示された場合には、ポンド買いが強まりそうだ。

ポンド・ドルは投機的な売りが収束したとみられ、上昇基調が続いている。足元では1.3400ドル台を回復し、75日移動平均線(1.3534ドル)が視野に入ってきた。前日発表された米8月労働市場情勢指数(LMCI)やISM非製造業業況指数が低調となり、連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測が後退していることも、ポンドが買いの支援要因となるだろう。


【今日の欧米市場の予定】

・16:30 英・8月ハリファックス住宅価格(前月比予想:-0.1%、7月:-1.0%)
・17:30 英・7月鉱工業生産(前月比予想:-0.2%、6月:+0.1%)
・17:30 英・7月製造業生産(前月比予想:-0.3%、6月:-0.3%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:2.8%)
・22:15 英中銀のカーニー総裁ら議会証言
・23:00 米・7月JOLT求人件数(予想:562.5万件、6月:562.4万件)
・23:00 カナダ銀行が政策金利発表(0.50%に据え置き予想)
・23:00 米カンザスシティー連銀総裁、リッチモンド連銀総裁が下院証言
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

《WA》

 提供:フィスコ

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