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2016年09月06日14時30分

【市況】米系大手証券、米8月雇用統計はコンセンサス比やや弱め、Fedの12月利上げ予測を維持

 JPモルガン証券は5日付のリポートで、米8月の雇用統計の内容と今後のFedの利上げ見通しについて以下のような見解を掲載している。

 米国の8月非農業部門雇用者数は、15万1000人増と、当社の予想並みではあるが、市場予想よりも弱い数字になった。内訳をみると民間部門が12万6000人増、公的部門が2万5000人増となっている。当社では、8月の雇用者数の伸びが減速したことについては、とくに8月は季節調整の関係で初めはやや弱めに出る傾向もあるため、景気に対する警戒信号とはみていない。

 失業率も4.9%で前月と変わらず、安定している。ただし、週平均労働時間の減少は弱い姿となった。総じてみれば、8月の雇用者数の伸びは、それでも潜在成長率と整合的な伸びの倍のスピードとなっている。今後、米国景気が成熟化していくにつれ、雇用者数の伸びは徐々に減速していくとみている。

 一方で、8月の時間当たり賃金は、前月比0.1%上昇と予想の下限になり、前年比では前月の2.7%上昇から2.4%上昇に減速した。賃金は最近上昇しつつあるとの期待があったため、今回の結果はそれにやや冷や水をかけたようにみえる。しかし、米国の現在の生産性がほとんど伸びていないことを踏まえると、来週に出るユニット・レーバー・コスト(生産1単位当たりに要する人件費)はそれでも高まる可能性がある。つまり、インフレ目標と整合的な名目賃金上昇率も低くなっている可能性が高いのである。しかも、本年 1~8月でみれば、時間当たり賃金は 年率2.8%の上昇である。

 このことと、米国景気の目先の下振れリスクが減少していることを考え合わせると、今回の雇用統計は、強いといえる内容ではないにしても、Fedの今後の利上げへの門戸を開いたと考えることができる。

 ただし、景気、インフレのいずれも、Fedに速やかな利上げを迫るものにはなっていない。当社では、9月21日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)では、今後強いデータが揃ってこない限り利上げが決定されないとみている(利上げ確率は20%)。メイン・シナリオとしては、Fedは9月に年内1度の利上げというメッ セージを送り、12月に利上げを行うとみている。

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)

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