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【特集】【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家元・社長:カジノ関連銘柄を深掘り特集

日金銭 <日足> 「株探」多機能チャートより

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家元・社長氏(ブログ「元投資顧問会社社長のチラシの裏」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2016年8月31日12時に執筆

個人投資家の注目が集まる、カジノ関連銘柄に関して徹底的に深掘りして解説していきます。

リオデジャネイロオリンピックが終了し、4年後の東京オリンピックに向けて、再びカジノ関連銘柄に注目が集まりだしています。

もともと日本にもカジノを作るべきだという議論は元東京都知事である猪瀬氏の主張でしたが、先日の東京都知事選で新都知事となった小池百合子新知事もカジノ賛成論者。今は築地市場移転に絡んだ話題が大きく取り上げられていますが、今後、カジノ建設に関する報道が過熱してくる事は必至です。

今回は、今後再び注目が集まる、カジノ関連銘柄に関する解説をしていこうと思います。


■カジノ推進の概要

具体的な候補地としては、お台場や沖縄などの名前があがっていますが、具体的にはどのような計画なのでしょうか。

まず、カジノの支援組織としては、超党派の国際観光産業振興議員連盟(略称:IR議連)があります。このIR議連が、外貨獲得の目玉として、日本国内でのカジノ建設を唱えているようです。


■カジノ建設 賛成派の主張

すなわち、訪日外国人によるインバウンド需要が根強い昨今の状勢下において、カジノを日本に建設することにより、更なるインバウンド需要の発掘が可能となり、それは大きな外資の獲得にも資することになるのではないかという主張です。

カジノの具体的な成功例としては、マカオの例がよくあげられますが、その中でも代表的なのが「サンズ・マカオ」というカジノリゾートです。

マカオの経済規模を考えてみますと、サンズ・マカオの稼ぎだす外貨の額には、目を見張るものがあります。ただ、カジノと言いますと、何か危険な施設なのではないかというような印象を持たれる方も多いのではないかと考えられます。

しかし、実際に建設しようとしているカジノ施設は、IR (Integrated Resort)と呼ばれている施設です。日本語に翻訳すれば、統合型リゾートと言えますね。

要するに、カジノだけを建設するのではなくて、ホテルやショッピング・センター、劇場や様々なアミューズメント施設の中に、カジノの施設も入っているというのが正確な表現になるわけであり、そのためのIR推進法案というものも現在用意されているということになります。

つまり、このようなIntegrated Resortの施設を日本に作れば、外国人のお金持ちがたくさんのお金を日本に落としてくれるのではないかということです。

そうすれば、日本経済も潤って、経済も成長するようになるというわけです。


■カジノ建設 反対派の主張

これに対して、カジノ反対論者は、ギャンブル依存症になる人が増えるのではないかということを懸念しています。つまり、ギャンブルで借金漬けになり、生活困窮者となってしまう人が増えてしまうのではないかという主張です。

現在は、生活補助金をもらって生活をしている人が、昼間からパチンコに行っているのはどうなのかというような論争がなされていますが、日本にカジノの施設ができれば、生活補助金をもらって生活をしている人が、昼間からカジノで遊ぶようになってしまうのではないかという理屈です。

それに、周辺にカジノの施設ができることにより、治安の悪化ということも懸念されます。それから、カジノを日本に誘致すれば経済が活性化するという議論にも、疑問の声を上げる人がいるのも事実です。

事実、過去に建設されたカジノ施設が現在は廃墟のようになっているという地域も、世界の中にはあるわけで、日本のカジノ施設が将来そのようなことにならないという保証はどこにもないと言うこともできるわけです。


■カジノの建設をアベノミクスの起爆剤へ

こうしたカジノ建設に絡む流れの中で、カジノの日本誘致を、安倍政権の推し進めているアベノミクスの起爆剤にしようという動きもあります。

大胆な金融政策や財政政策を進めてきたアベノミクスですが、ここにきて足元では円安が円高に転じ、株価も低迷状態が続いています。

そこで、カジノを新たな成長の目玉政策にしようというストーリーです。

幸い、訪日外国人数は当初の目標を大幅に上回って推移していますから、その延長線上にカジノ誘致を持ってくるのは、良い発想といえるでしょう。

カジノ誘致が現実化するとするならば、どのようなカジノ関連銘柄が有望な投資先となるのかということが、株式市場で注目していきたいトピックなのです。


■カジノ関連銘柄

カジノ誘致によって、どのような会社の利益が増えることになるのでしょうか。まず考えられるのが、建設関連の企業。すなわち、Integrated Resortの建設を受注する事になる建設会社には、巨額の収入と利益が見込まれると考えられます。

次に、ホテルや宿泊施設の運営に関連する企業も有望です。なぜなら、統合リゾート施設には必ずホテル等の宿泊施設が含まれています。

続いて、ゲームやアミューズメント関連の企業も、統合リゾート施設にかかわる企業として有望ですし、予定されている統合リゾート施設周辺の交通にかかわる会社も有望だと考えられます。

株価というものは、現実の経済を先取りするものというのは投資の世界の常識です。実際にカジノの誘致が決まった後では、既に株価に織り込み済みとなってしまっている可能性が高いでしょう。

すなわち、カジノ関連銘柄の値上がり益を狙うならば、まだカジノの誘致が決定しておらず、一旦沈静化している今が大きなチャンスといえるのではないでしょうか。

ということで、改めてカジノ関連銘柄のチェックをしていきましょう。

▽日本金銭機械<6418>
紙幣の判別システム機器や貨幣の集計機器を製造・販売するのが日金銭。
米国のカジノ市場では実際に大きなシェアを誇っており、名実共にカジノ関連銘柄の本命と言えるだろう。

▽セガサミーHD<6460>
パチスロ機器大手のサミーを子会社に擁するセガサミーもチェックしておきたい。
韓国カジノ最大手のパラダイスグループとの合弁で立ち上げる統合型リゾートでもカジノリゾート開発の実績を持つ同社は、運営面での関わりが期待されている。


■その他のカジノ関連銘柄一覧

インターライフ<1418>
鹿島<1812>
イチケン<1847>
ALSOK<2331>
ゲンダイAG<2411>
JALUX<2729>
フィールズ<2767>
テックファム<3625>
コムシード<3739>
SDエンター<4650>
フジHD<4676>
リゾートトラ<4681>
アドアーズ<4712>
GCジョイコ<6249>
藤商事<6257>
平和<6412>
SANKYO<6417>
マース<6419>
ユニバーサル<6425>
ダイコク電<6430>
グローリー<6457>
アクセル<6730>
サン電子<6736>
EIZO<6737>
富フロンテック<6945>
CWE<7612>
バンナムHD<7832>
マミヤOP<7991>
タカチホ<8225>
三井不<8801>
空港施設<8864>
京急<9006>
ANAHD<9202>
ニッコウトラ<9373>
HIS<9603>
スペース<9622>
鴨川グランド<9695>
アゴーラHG<9704>
日本空港ビル<9706>
帝国ホテル<9708>
ロイヤルホテル<9713>
乃村工芸社<9716>
グランド<9720>
藤田観<9722>
京都ホテル<9723>
KNTCT<9726>
セコム<9735>
CSP<9740>
丹青社<9743>
コナミHD<9766>

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執筆者名:元・社長
ブログ名:元投資顧問会社社長のチラシの裏

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