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【市況】米国株式市場見通し:G20財務相・中銀総裁会議の動向を注視


9月5日はレイバー・デーの祝日で米国株式相場は休場となる。先週の雇用統計は非農業部門雇用者数が15.1万人増と予想を大幅に下回る内容となり、利上げ観測が後退したものの、複数の連銀関係者が年内の利上げに積極的な発言を行っており、引き続き、経済指標から利上げ時期を占う展開が続くだろう。しかし、雇用情勢は概ね堅調であり、今後は頭打ちが続くインフレ動向が焦点となりそうだ。7日にはFOMCでの基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表も予定されており、注目したい。

4-5日に渡り、中国でG20財務相・中銀総裁会議が開催される。会議では企業の租税回避対策や公正な課税方法の構築が議論の中心となるだろう。先週、欧州委員会(EU)が、アイルランド政府による携帯端末メーカーのアップルの税制優遇は不当であるとして145億ドルの追徴を命じたことに対して、米政府が税法の原則に反するとして批判を展開しており、今後の展開を注視したい。また、今回の議論により、米国企業が海外に滞留している利益を米国内に還流できるよう、税制改革を促すきっかけになる可能性もある。

今週は、現地時間の7日より開催されるアップルの新製品発表会や、これを受けた株価動向にも注目が集まる。同社株価は7月下旬に発表した四半期決算でiPhone販売台数が予想よりは減少せず、需要後退に歯止めがかかったことで株価が上昇した。業績成長の多くを中国市場に依存する傾向が強まる中で、同国経済の鈍化、小米やサムスンなど競合他社の台頭によるiPhone需要の後退、北京で発生したiPhone6の販売差し止めなど市場環境の悪化を受けて、インド市場の開拓を進めている。今回の発表会では、中長期的な業績成長予想を見直すことになるか慎重に見極める必要があるだろう。

発表会では、ストレージやバッテリー容量を強化し、イヤホンジャックを廃止した新型iPhoneの発表が予想されている。日本で広く利用されている非接触ICチップ技術「FeLiCa」が搭載されるとの憶測もある。10-12月のホリデーシーズンに向けてiPhoneユーザーの買い替え需要を刺激するような機能を備えているかが焦点だ。ノートPCの「MacBook」や腕時計型端末「アップルウオッチ」も次世代機の発表が予想されており、注目を集めそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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