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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ファンケル <日足> 「株探」多機能チャートより

■ファンケル <4921>  1,710円 (+77円、+4.7%)

 ファンケル <4921> が反発。8月31日付でみずほ証券が投資判断「買い」を継続、目標株価を2100円から2250円へ引き上げた。中国の代理店の契約更新に関わる業績への影響を勘案し、17年3月期は通期連結営業利益で従来予想の36億円から会社側計画と同様の30億円(前期12億400万円)へ引き下げているが、18年3月期を最終年度とする中期計画(営業利益100億円)に向けて大幅増収を続けていることや、従来になかった株主還元強化に動き、株式市場からの信頼を取り戻そうという動きが見えることを評価している。

■リスクモンスター <3768>  680円 (+30円、+4.6%)

 8月31日、東証がリスクモンスター <3768> [JQ]を9月7日付で東証2部に市場変更すると発表したことが買い材料。発表を受けて、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いなどが向かった。

■ダブル・スコープ <6619>  1,681円 (+66円、+4.1%)

 ダブル・スコープ <6619> が反発。同社はリチウムイオン電池向けセパレーターを生産するが、構造的な需要創出が期待されている。世界的にエコカー需要が高まるなかで、時流はハイブリッド車よりも二酸化炭素排出量の少ないプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)の普及促進に向かっており、つれて車載用2次電池を手掛ける企業に市場の関心が高い。同社は税制面で優遇措置などがある韓国に製造拠点を構え、相対的に低コスト生産が可能であり、その優位性に注目が集まっている。直近では、住友化学 <4005> がリチウムイオン電池正極材を生産する田中化学研究所 <4080> [JQ]の第三者割当増資を引き受け連結子会社化することを発表、リチウムイオン電池部材に一段と注力する構えをみせたことから、間接的に同社の株価を刺激する格好となったようだ。

■大豊工業 <6470>  1,163円 (+43円、+3.8%)

 大豊工業 <6470> が続伸。同社は8月31日の取引終了後、100%子会社の大豊岐阜の敷地内に第3工場を建設することを発表した。今回新たに建設する第3工場は、自動車用部品(主要製品のエンジンベアリング)の生産能力強化および将来に向けた新製品の生産スペース確保、また顧客ニーズにいち早く対応していくため軸受の新材料開発設備の設置を目的としている。投資額は約15億円(16年度投資額は3.2億円)の予定。

■AWSホールディングス <3937>  8,230円 (+280円、+3.5%)

 AWSホールディングス <3937> が大幅続伸。8月31日から9月2日にかけてZMP(東京都文京区)主催で開催されている「ZMPフォーラム2016」で、1日午後4時50分から予定されている同社講演を前に物色人気が高まったもよう。講演は「AWSホールディングスのテスト自動化サービス ~自動運転社会の未来を拓くソリューション~」と題して、同社の事業紹介と自動運転に係るソリューションおよび今後の事業展開に向けたシナリオなどについて、最新の技術動向を織り交ぜながら行われた。

■ソフトクリエ <3371>  1,012円 (+33円、+3.4%)

 1日午前、ソフトクリエイトホールディングス <3371> が発行済み株式数(自社株を除く)の0.7%にあたる10万株(金額で1億3000万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は1日から10月31日まで。

■新日本建設 <1879>  834円 (+27円、+3.4%)

 新日本建設 <1879> が続伸。8月相場で調整局面に入ったものの、13週移動平均線とのカイ離を解消して切り返す展開に。首都圏での再開発事業で商機をとらえ、17年3月期は最終利益がイレギュラーとはいえ、PER4倍台と超割安水準にある。株式需給面からは浮動株比率の低さが際立っていることもポイントで、値動きの軽さから頻繁に投機資金の流入を誘った。

■ニフコ <7988>  5,370円 (+160円、+3.1%)

 ニフコ <7988> が大幅続伸。SMBC日興証券の8月31日付のリポートが刺激材料となった。同証券はニフコの第1四半期決算発表後の株価パフォーマンスは-10.8%とセクター平均の+2.2%から出遅れ感が大きいと指摘したうえで、高収益性と積極的な株主還元は再評価の余地が大きいと報告。また、最近は毎期「自社株買い」の実績があり、今期も実施される可能性が高いと予想している。なお、同社の投資判断「1(強気)」と目標株価6200円は継続した。

■鳥貴族 <3193>  1,827円 (+51円、+2.9%)

 8月31日、鳥貴族 <3193> が16年7月期の最終利益(非連結)を従来予想の6.6億円→9.8億円に46.9%上方修正。増益率が14.0%増→67.5%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料。積極出店や認知度向上などで焼き鳥店「鳥貴族」の売上高が想定以上に伸びたことことが寄与。税金費用が計画を下回ったことも最終利益を押し上げた。

■村田製作所 <6981>  14,300円 (+395円、+2.8%)

 村田製作所 <6981> が4連騰。今期減益決算予想を嫌気されて売り込まれた5月2日に開けたマドをほぼ埋めた。セラミックコンデンサーで世界トップシェアを誇るが、スマートフォン向け需要減速で6-7月は底値圏でのもみ合いを続けていた。ここにきて株価は出直り色を強めている。車載向け部品搭載点数の増加など追い風要因も意識されたほか、米アップルが今月7日にイベントを開催することが伝わり、アップルの有力サプライヤーである同社株を引き続き刺激した。

■ヤマトホールディングス <9064>  2,485.5円 (+44円、+1.8%)

 ヤマトホールディングス <9064> が続伸。同社は8月31日の取引終了後、東南アジア地域統括会社のヤマトアジアを通じてマレーシアを本拠地とするクロスボーダー陸上幹線輸送事業者であるOTLグループを買収することを発表した。OTLグループが持つシンガポールからマレーシア、タイ、ラオスやカンボジア、ベトナム、中国と6ヵ国間を結ぶ約6000キロメートルの幹線輸送ネットワークを取得することで、ASEANと中国におけるクロスボーダー陸上幹線輸送サービスを提供することが可能になる。

■千葉銀行 <8331>  621円 (+8円、+1.3%)

 千葉銀行 <8331> 、山梨中央銀行 <8360> 、京葉銀行 <8544> 、福井銀行 <8362> 、愛知銀行 <8527> 、十六銀行 <8356> 、百十四銀行 <8386> など地銀株が軒並み高に買われ、市場の注目を集めた。全体相場底上げの動きのなかで「海外ファンドなどを中心に機関投資家のポートフォリオ一部組み換えの動きが反映されている。食品などPERが割高でも全体指数と連動性の乏しい最小分散投資がハヤされ、それが行き過ぎたことで、反動からリターンリバーサルの動きが加速した」(国内準大手証券ストラテジスト)という。足元は米早期利上げ思惑を底流に米国株市場にとどまらず、先進各国の市場で金融株全般が買い戻される流れにある。東京市場もメガバンクをはじめ広範囲にリバランスの買いが銀行セクターに流れ込んだ。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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