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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

ゼオン <日足> 「株探」多機能チャートより

■日本ゼオン <4205>  890円 (+28円、+3.3%)

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券が30日付で日本ゼオン <4205> の投資判断「オーバーウエイト(強気)」を継続し、目標株価を900円→1000円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、LiB(リチウムイオン電池)用バインダーを始めとする高機能材料部門が好調であると報告。LiB用バインダーは同社が世界最大手の水系のシェアが上昇しており、新たな成長製品になると指摘している。また、光学フィルムであるZEONORフィルムの有機ELテレビへの採用などが活発になれば、株価にポジティブな影響を与えるとした。

■大豊建設 <1822>  540円 (+17円、+3.3%)

 大豊建設 <1822> が高い。総工費9兆円以上におよぶ“世紀のビッグプロジェクト”といってよいリニア中央新幹線工事では、政府が経済対策の一環として、名古屋―大阪間の延伸工事を財政投融資の活用で最大8年の短縮を図る方針。大深度地下でシールド工法を手掛ける同社のビジネスチャンスが意識されている。東海東京調査センターが30日付で、同社株のレーティングを「アウトパフォーム」目標株価700円でカバレッジしており、これが株価にポジティブに働いた。同調査センターでは「17年3月期受注は、会社計画の1400億円を上回ると予想。土木の大型工事が 受注を押し上げると見ている。既に16年4-6月期に東京外環道ランプ工事を受注。今後もリニア中央新幹線のシールドトンネル関連工事の受注可能性があるほか、今年度の公共事業前倒しの恩恵を受けることも予想される」としている。

■IIJ <3774>  1,907円 (+56円、+3.0%)

 インターネットイニシアティブ <3774> が反発。同社は30日、国内初の「フルMVNO(仮想移動体通信事業者)」として17年度中の商用サービス開始を目指すと発表した。同社は携帯電話の加入者管理機能(HLR/HSS)をNTTドコモ <9437> から借りているが、これを自社運営に切り替える方針。これにより独自のSIMカードの調達・発行が可能になり、より自由なサービス設計ができるようになる。特に、今後発展が見込まれるIoT分野では、組み込み型SIMの提供や課金・開通管理などを自由にコントロールできるサービスの開発ができ、新しいMVNOビジネスモデルの創出が期待できる。

■日テレHD <9404>  1,671円 (+47円、+2.9%)

 日本テレビホールディングス <9404> が3日続伸。同社は31日、子会社でフィットネスクラブを運営するティップネスとともに、スマートメディカル(東京都千代田区)に出資したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。スマートメディカルは、多診療科クリニックの企画・開発および音声気分解析技術「Empath」の開発・提供を行っている企業。ティップネスは、スマートメディカルが経営支援する多診療科クリニックとの店舗間連携や「Empath」を活用した新たなビジネスモデルの構築を行う予定だとしている。

■明電舎 <6508>  326円 (+9円、+2.8%)

 明電舎 <6508> が3日続伸。30日の取引終了後、従来未定としていた17年3月期の配当について、中間配当を4円(前年同期4円)にすると発表しており、これを好感した買いが入った。なお、期末配当は引き続き未定としている。

■アドバンテスト <6857>  1,549円 (+40円、+2.7%)

 30日、アドバンテスト <6857> が配当方針を変更し、配当性向を30%に引き上げると発表したことが買い材料視された。現行の連結配当性向20%から、より業績連動に重点を置いた「半期連結配当性向30%」に変更する。中間配当と期末配当がある場合は、連結配当性向を中間期(4-9月期)30%、下期(10-3月期)30%とし、17年3月期の中間配当から実施する。発表を受けて、株主還元の強化を好感した買いが向かった。

■日本信号 <6741>  840円 (+21円、+2.6%)

 日本信号 <6741> が反発。30日取引終了後、JR西日本 <9021> と資本業務提携契約を締結したと発表したことが好感された。JR西日本の子会社であるてつでん(大阪府豊中市)の発行済み株式総数の49.0%をJR西日本から取得する一方、JR西日本は日本信号の同3.0%を取得し、今後は3社で連携する。同提携により3社は、新たな信号システム装置の開発・設計・製造などに取り組む。なお、17年3月期業績に与える影響は軽微としているが、中長期的に業績の向上に資するとみている。

■ヒロセ電機 <6806>  13,280円 (+330円、+2.6%)

 ヒロセ電機 <6806> が3日続伸。31日の午前中、産業機器用コネクターの世界大手である独ハーティングエレクトロニクスと、10ギガビットイーサネット向け小型接続技術に関する開発・標準化およびマーケティングと協業すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。工場内で機器類とインターネットをつなぐIoT(モノのインターネット)化が進んでいることから、新なた規格を開発・普及させることが重要と判断したことから、新標準作りに取り組むとしている。

■東京エレクトロン <8035>  9,508円 (+168円、+1.8%)

 半導体関連株が軒並み高。東京エレクトロン <8035> が新高値に買われたほか、SCREENホールディングス <7735> やアドバンテスト <6857> 、ディスコ <6146> が上伸。シリコンウエハー関連の信越化学工業 <4063> も新値を更新したほか、SUMCO <3436> も上昇。シリコンウエハー研磨の三益半導体工業 <8155> やフジミインコーポレーテッド <5384> 、それに半導体の微細化に伴い高機能材料が伸びるトリケミカル研究所 <4369> [JQ]などといった関連銘柄が幅広く買われた。為替の円安が追い風に働いたほか、「3次元NANDフラッシュメモリー」や回路微細化の「10ナノ」などの技術革新に伴う設備投資が活発化しており、市場には「半導体関連株は中長期的な投資テーマとして注目できる」(市場関係者)との期待が強まっている。

■東武鉄道 <9001>  502円 (+8円、+1.6%)

 東武鉄道 <9001> がしっかり。同社は30日、金谷ホテル投資事業有限責任組合と金谷ホテル従業員持株会から金谷ホテル(栃木県日光市)の株式を取得することを発表した。金谷ホテルは、1873年に創業者の金谷善一郎氏が自宅の一部を「金谷カッテージ・イン」として外国人向けに宿泊施設として開業した日本における最古のリゾートホテルで、国指定登録有形文化財でもあり日本最古のクラシックリゾートホテルである日光金谷ホテルと、中禅寺湖畔のリゾートホテルである中禅寺金谷ホテルを保有・運営している。今回の株式取得により、金谷ホテルの事業基盤を強化し日光地区全体のさらなる魅力の引き上げを行う。

■信越化学工業 <4063>  7,594円 (+86円、+1.2%)

 信越化学工業 <4063> が4日続伸、年初来高値を更新した。30日付で三菱UFJモルガンスタンレー証券がレーティング「オーバーウエイト」を継続、目標株価を7000円から7500円へ引き上げた。第1四半期の好調な決算やウエハー需要の底堅さを考慮し17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の2250億円(前期2085億2500万円)に対して従来予想の2100億円から2260億円へ、18年3月期を2270億円から2460億円へ引き上げている。

※31日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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