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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

インフォMT <日足> 「株探」多機能チャートより

■インフォマート <2492>  1,081円 (+150円、+16.1%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。インフォマート <2492> がストップ高。29日午前11時ごろに3メガバンクとの連携でフィンテック分野に参入すると発表しており、これを好感した買いが入った。同社の企業間で請求書の受取・発行ができるクラウドサービス「BtoBプラットフォーム請求書」で、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の入金データを自動的に取り込むことができる「自動入金消込・督促機能」を、9月27日から提供するという。これにより、「BtoBプラットフォーム請求書」の利用企業が所定の書類を上記3行に提出すると、指定口座の入金データが約1時間おきにプラットフォームと自動連携され、学習機能付きの自動入金消込機能により入金消込を行うようになり、これまで、月初に行っていた消込作業がなくなり、時間短縮・コスト削減につながるという。また今後は、各地方銀行・信用金庫・信用組合などとの連携を拡大し、機能強化を図るとしている。

■三菱ケミHD <4188>  632.2円 (+38円、+6.4%)

 三菱ケミカルホールディングス <4188> が急伸。SMBC日興証券が26日付で同社株の投資評価を「2」から「1」に引き上げており、目標株価も650円から870円に大きく引き上げた。これが短期資金の流入を誘った。構造改革・ポートフォリオ転換の加速や、機能商品分野の営業利益率が10%を超えたことなどを評価、18年3月期のSMBC日興予想ベースのPERは7倍台と、総合化学各社との対比で割安感が強く、今後のEPS成長率の大きさが株価には織り込まれていないという見方を示している。

■BEENOS <3328>  2,660円 (+147円、+5.9%)

 BEENOS <3328> [東証M]が急反発。連結子会社デファクトスタンダード <3545> の東証マザーズ上場が8月31日に迫ってきたことで、含み益拡大を期待した買いが入ったようだ。同社はデファクトスタンダード発行済み株数の80.3%(7月28日現在)を所有。上場にあたり同社保有株式の売り出しは行わないとしていることから、上場後(公募株数110万株)の所有割合は比率は60.0%になる。なお、同件による16年9月期業績への影響は軽微で、予想の修正が必要な場合は速やかに発表するとしている。

■トクヤマ <4043>  437円 (+24円、+5.8%)

 トクヤマ <4043> や昭和電工 <4004> が大幅高で新値街道を走ったほか、日立化成 <4217> も商いを伴い上昇し2月1日以来約7ヵ月ぶりに年初来高値を更新するなど、化学株の強さが目立つ。足もとドル買いの動きが強まり、1ドル=102円台に入るなど円安基調にあることが収益面で追い風となった。また、原材料価格の低下によるマージンの増加、好調な半導体や2次電池需要などを背景とした電子材料の拡大が、株価の見直し機運につながった。世界の景気情勢に左右されやすい素材関連株への追撃ムードが全般相場に活力をもたらし、29日は、日経平均も一時400円を超える上昇をみせるなど上放れが鮮明。

■安川電機 <6506>  1,484円 (+78円、+5.6%)

 安川電機 <6506> が大幅高。同社は29日、ルネサンス <2378> が運営する元気ジム湘南深沢店で、脊髄損傷者用の歩行アシスト装置「ReWalk」および脳血管疾患者用の足首アシスト装置の実証実験を行うと発表した。これらの機器の利用は肢体不自由者を対象としており、常駐する理学療法士が利用者の1人ひとりの身体の状態にあわせた歩行および機能訓練のプログラムを提供する。なお、「ReWalk」は神奈川県の「さがみロボット産業特区」の「ロボット導入支援補助金」の支給対象となっている。

■CKD <6407>  1,095円 (+54円、+5.2%)

 26日、CKD <6407> が株主優待制度を新設すると発表したことが買い材料視された。毎年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じてクオカードを贈呈する。100株以上500株未満保有で500円分、500株以上1000株未満保有で1000円分、1000株以上保有で2000円分となる。発表を受けて、株主還元の拡充を好感する買いが向かった。

■日本郵船 <9101>  185円 (+9円、+5.1%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など海運株が軒並み高。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数がここ上げ基調を強めており、前週末時点で6日続伸し720まで上昇、7月21日以来の水準まで回復。これが足もとの株価を刺激した。また、ジャクソンホールのイエレンFRB議長講演を受け、為替相場では1ドル=102円台まで円安が進行、これもドル建て決済の海運セクターにとって追い風材料だ。さらに安倍首相がアフリカ開発会議で、官民を挙げてアフリカの成長支援に乗り出す構えをみせたことが海運株のビジネスチャンスにつながるとの思惑もある。郵船はケニアに合弁企業を設立し、東アフリカで完成車の物流事業を始めることがメディアを通じて伝わっており、今後の展開が注目される。

■東ソー <4042>  632円 (+28円、+4.6%)

 東ソー <4042> が5日ぶり反発。前週は微調整を入れていたが、29日は4%超の上昇で再度13週移動平均線との上方カイ離を広げた。SMBC日興証券が26日付で同社株の投資評価「1」を継続とし、目標株価を690円から800円に引き上げており、これが株高を後押しした。同証券では、同社についてスペシャリティとコモディティ両事業がバランス良く利益を押し上げ、連結全体で10%を超える営業利益率を記録するなど収益力の高さは総合化学各社との対比において抜きん出ていると評価。半面、PERは8倍台にとどまり、水準訂正余地が大きいとの見解を示している。

■電通 <4324>  5,480円 (+240円、+4.6%)

 電通 <4324> が反発。同社は24日にリクルートホールディングス <6098> の株式を売却すると発表。保有する3000万株のうち900万株を売却し、今12月期に約280億円を特別利益として計上する予定だ。こうしたなか、市場からは、「リクルート株売却に伴い自社株買い実施があるのでは」との観測が出ている。過去には14年12月に築地に保有していた不動産を約300億円で売却し、翌年5月に約200億円の自社株買いを発表している。資産圧縮の動きに併せ、今回も自社株買い実施への期待が膨らんだ。

■MCJ <6670>  751円 (+29円、+4.0%)

 MCJ <6670> が反発。29日午後1時ごろ、子会社のマウスコンピューターが製造・販売するWindows10 Mobileを標準搭載したスマートフォン「MADOSMA Q501A」を北國銀行 <8363> が全行員に導入すると発表し、業績への貢献が期待されている。同行では、2016年度末までに最新のWindows10環境に一新するとしており、セキュリティーや管理性の高さ、Microsoft Officeなどのアプリ連携による生産性の向上が実現できるということから、日々の業務で利用するスマートフォンとしてマウスコンピューターの製品が採用された。

■トヨタ自動車 <7203>  6,147円 (+236円、+4.0%)

 急激な円安進行を受け、トヨタ自動車 <7203> 、マツダ <7261> 、富士重 <7270> など自動車株や、日立 <6501> 、オムロン <6645> 、村田製 <6981> など電機株といった輸出関連株が軒並み大幅高となった。前週末にイエレンFRB議長が講演で「この数ヵ月で追加利上げへの説得力が強まっている」と発言。具体的な時期には触れなかったものの、9月の利上げを排除しなかったことで利上げが意識され、ドル円相場が1ドル=102円台前半まで急激に円安が進んでおり、円安による収益改善を期待する買いが輸出関連株に向かった。

■ケーヒン <7251>  1,556円 (+58円、+3.9%)

 ケーヒン <7251> が反発。ジャクソンホールでのイエレン発言を受けてドル安・円高の動きとなり、自動車メーカーに買いが集まったが、その延長線上で自動車部品株にも物色の矛先が向いた。同社株は8月18日以降、売り物がかさみ下に放れた格好となっていたが、足もとは安値を拾う動きが顕在化し、25日移動平均線とのマイナスカイ離修正の動きにある。ホンダ <7267> 系部品メーカーで、燃料直噴システムで好調な需要を取り込む。また、世界的な排ガス規制を背景としたエコカー需要に対応し、ハイブリッド車向け製品を充実、中核部品の内製化を推進するなどで一貫生産体制も確立している。円高デメリットはあるもののPBR0.7倍台、配当利回り2.5%前後の時価は割安感もある。

■デクセリアルズ <4980>  869円 (+27円、+3.2%)

 デクセリアルズ <4980> が3日ぶり反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が26日付で投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を800円から880円へ引き上げたことが手掛かり材料視された。比較対象会社群の株価上昇を考慮したという。ただ、中小型フラットパネルディスプレー向け光学弾性樹脂(ハイブリッドSVR)や異方性導電フィルム(ACF)といった主力製品が思ったよりも苦戦していることから、17年3月期営業利益予想は35億円から32億円へ、18円3月期は同55億円から52億円へ下方修正している。

■三菱UFJ <8306>  535.3円 (+16.6円、+3.2%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが買われた。ジャクソンホール経済シンポジウムの討論会で、日銀の黒田総裁はマイナス金利を深掘りする可能性を示唆する発言をみせたが、これを嫌気する動きは限定的となった。市場では「29日は全体相場のリスクオンの流れも幸いしたが、黒田発言については既に(メガバンクは)免疫ができている。ジャクソンホールでマイナス金利政策についてネガティブな見解を示すわけもなく、かといって今後積極的にマイナス金利幅を広げていこうという意思を示しているわけでもない。こうしたなかで、三菱UFJは9月適用分の住宅ローン金利を一部引き上げると発表するなど我が道を行く展開で、したたかさをみせている。住宅ローンは新規はともかく、借り換え需要が高水準で少々の引き上げてもニーズは落ちない」(準大手証券ストラテジスト)と銀行株の上昇に肯定的だ。また、28日閉幕した第6回アフリカ開発会議では、安倍首相は共同記者会見で、日本が官民を挙げてアフリカ主導の発展を支援することを表明した。これについても「三井住友フィナンシャルグループが融資案件の掘り起こしに動くことが報じられるなど、メガバンクのアフリカでのビジネス展開強化に期待する買いも反映されているのでは」(同)としていた。

■凸版印刷 <7911>  914円 (+25円、+2.8%)

 凸版印刷 <7911> が反発。29日、双方向のデジタルサイネージ技術を高級家具調テーブルに組み込んだ一体型サイネージ「コミュニケーションテーブル」の本格的販売を9月から開始すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。新システム「コミュニケーションテーブル」は、三菱地所ホーム(東京都港区)の瀬田ホームギャラリー(東京都世田谷区)に7月2日にオープンした、システム設計住宅「WIZE-H(ワイズエイチ)」のモデルハウスに採用。水平配置した46インチのタッチパネルディスプレーを中心に、テレビやプロジェクターなどさまざまなデバイスに情報を表示させて、モデルハウスの来場者への新しいビジュアルプレゼンテーションシステムとして使われているという。

■大阪チタ <5726>  1,465円 (+36円、+2.5%)

 大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> が4日続伸。日証金が26日、29日約定分から制度信用取引の新規売りおよび買いの現引きに伴う貸借取引の申し込み停止措置を実施すると発表した。ただし、弁済繰り延べ期限の来た買いの現引きは除く。 貸借取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方があるなかで、29日は買いが優勢となっている。

■東レ <3402>  997.8円 (+21.7円、+2.2%)

 東レ <3402> が上げ足を強め一時1000円乗せ上伸。ここに来て機関投資家とみられる実需買いが観測され、上値指向が強い。同社が世界トップシェアを誇る炭素繊維は、増産指向にある航空機向け重要が高水準だが、軽量化ニーズが高まる自動車向けや宇宙船向けなどにも新たな需要が創出されており、今後も中期的に業績成長を支える見通し。一方、市場では「スマートフォン向けなど有機EL素材の成長期待に加え、新興国では経済成長に合わせて紙おむつ需要が拡大、同社が手掛ける不織布も収益への貢献が見込まれる」(国内中堅証券)と指摘している。足もと為替市場での円安傾向もポジティブ材料。また、16年4-6月期は売上高こそ伸び悩んだものの、高付加価値商品の伸びが利益採算を向上させており、営業利益段階で410億円と前年同期比2ケタ増益を確保していることも買い安心感につながった。

■リクルート <6098>  3,955円 (+85円、+2.2%)

 26日、リクルートホールディングス <6098> が予定していた国内外での売り出し6113万4800株→5747万9200株に、オーバーアロットメントによる売り出しを上限336万5200株→上限316万3900株に変更したことが買い材料視された。同日に行われた764万3300株の自社株買いで、売り出し株の一部が売却されたことに伴うもので、株式需給への影響緩和を好感した買いが向かった。

■日伝 <9902>  2,863円 (+40円、+1.4%)

 26日、日伝 <9902> が株主優待制度を拡充すると発表したことが買い材料視された。9月末の株主優待に加え、3月末を基準日とする株主優待制度を追加。100株以上1000株未満保有でクオカード1000円分、1000株以上保有で同3000円分を贈呈する。発表を受けて、株主還元の拡充を好感する買いが向かった。

■第一三共 <4568>  2,377円 (+24.5円、+1.0%)

 第一三共 <4568> が反発。同社は26日、抗インフルエンザウイルス薬「イナビル吸入粉末剤20mg」(一般名はラニナミビルオクタン酸エステル水和物)について、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の予防に用いる場合として、成人および10歳以上の小児への40mgの単回吸入投与と、10歳未満の小児への20mgの単回吸入投与の用法・用量追加に係る承認事項一部変更承認を国内で取得したことを発表した。イナビルは、同社が創製した長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤で、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症に対応している。今回の用法・用量追加に係る承認により、小児から成人まで同剤の単回吸入投与によるインフルエンザウイルス感染症の予防が可能となる。

■花王 <4452>  5,424円 (+53円、+1.0%)

 花王 <4452> が堅調。26日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエイト」を継続、目標株価を6600円から6700円に引き上げた。為替の円高により売上高が目減りするなかでも、アジアで紙おむつの販売数量増が収益改善に寄与し、アジア市場での同社の存在感上昇と、収益貢献が持続していることが明確化しているとし、第3四半期決算は市場コンセンサスが切り上がる契機となると指摘。16年12月期は通期連結営業利益で会社側計画の1840億円に対して従来予想の1940億円から1964億円へ、17年12月期を2122億円から2146億円へ引き上げている。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。


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