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【特集】UMN Research Memo(4):「バイオ創薬技術」「製造技術」の両輪で新型ウイルスワクチンの研究開発に取り組む

UMN <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

(6)自社開発の次世代バイオ医薬品(組換え型ワクチン)の開発パイプライン

現在、UMNファーマ<4585>が来シーズンに向けて事業化を目指している季節性インフルエンザワクチンは、UMN-0502(国内向けはアステラス製薬が販売予定)とFlublokR(米PSCの商品名)であり、国内では既に臨床試験(第I~III相)は完了しており全ての主要評価項目を達成、事業パートナーであるアステラス製薬(株)がPMDA((独)医薬品医療機器総合機構)に対して製造販売承認申請を行い審査中である。また、米国ではFDAへの(株)UNIGEN岐阜工場の製造所認可の申請準備段階であり、それぞれ承認が得られれば、来シーズンにもワクチン供給開始となる見通しである。世界のワクチン市場は、新興国の経済発展に伴い、ワクチンの接種機会増大などにより、2021年に向けて年率10%以上(CAGR11.2%)の高成長が見込まれ、2011年比2.9倍(340億ドル)まで市場拡大が予想されている。

ノロウイルスは、未だワクチンがなく、同社が開発すれば世界初のノロワクチン(UMN-2002)となる。現在は、第一三共(株)と共同研究を進めており、前臨床試験フェーズで最適な開発候補を模索段階にあり、2020年以降の第3の柱になるべく期待されている。

また、H5N1型並びにH9N2型鳥インフルエンザウイルスはパンデミック(世界的感染症の流行)が最も懸念されているウイルスであり、同社はそれぞれUMN-0501(H5N1型対応)、UMN-0901(H9N2型対応)に取り組んでおり、鳥H5N1型インフルエンザの流行が確認されている中国を含むアジア5ヶ国での独占的事業化権を取得し、韓国では日東製薬(株)が臨床試験を準備している。今後さらに、ウイルスの遺伝子変異に伴う新型インフルエンザウイルスが出現することも予想され、同社の研究開発は世界的にもバイオ医薬品業界で注目されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水 啓司)

《HN》

 提供:フィスコ

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