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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~インデックス売買中心だがシグナルは好転しつつある

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・インデックス売買中心だがシグナルは好転しつつある
・ドル・円は102円11銭付近、利益確定売りで上値が重い
・花王、日本電産など7社の目標株価変更


■インデックス売買中心だがシグナルは好転しつつある

日経平均は大幅に反発。366.81円高の16727.52円(出来高概算7億7000万株)で前場の取引を終えた。ジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演の内容を受けた影響から円相場は1ドル102円台に乗せてきている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比190円高の16590円となり、これにさや寄せする格好から買いが先行。16600円を回復して始まった日経平均は、その後も上げ幅を広げており、前場半ばには16737.95円まで上げ幅を拡大させている。その後はこう着感が強まってきているが、日中高値圏での底堅い値動きをみせている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の7割超を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは、保険が5%超の上昇だったほか、海運、輸送用機器、ガラス土石、証券、その他金融、不動産、鉄鋼、機械、非鉄金属などの強さが目立つ。一方で、小売、食料品、空運が小安い。売買代金上位では、トヨタ自<7203>、三菱UFJ<8306>、ソフトバンクグ<9984>、任天堂<7974>、三井住友<8316>、ソニー<6758>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、村田製<6981>、ホンダ<7267>が堅調。

シカゴ先物にさや寄せした後は16600円近辺でのこう着とみていたが、予想以上に強い動きをみせている。日経平均は5日、25日線のほか、一目均衡表では転換線を突破してきている。遅行スパンは先週、下方転換シグナルを発生させていたが、大幅反発で上方シグナルを発生してきている。米利上げ観測を背景としたインデックスに絡んだ売買が中心となろうが、シグナルは好転しつつある。

ただし、価格帯別出来高では商いが膨らんでいる16600-16800円のレンジ内での推移である。強弱感が対立しやすく、戻り待ちの売り圧力も意識されやすいところである。明確に上放れてこないと、さらに同水準での商いが積み上がる格好となり、戻り待ちの売り圧力が意識されやすいだろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は102円11銭付近、利益確定売りで上値が重い

29日午前の東京外為市場では、ドル・円は102円を回復したが、利益確定売りで上値の重い展開となった。ドル・円は、26日の海外市場でイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ米金融当局者から利上げに前向きな発言が相次いだことで、同日のニューヨーク市場では101円後半に値を切り上げた。週明け東京市場ではその流れが引き継がれ、ドルは101円90銭付近で寄り付いた。

東京市場の午前の取引では、日経平均株価の大幅高を背景にドル・円はリスク選好的な買いが強まり、一時102円22銭まで値を切り上げた。ただ、102円台は利益確定売りが厚いとみられ、ドルの上昇は鈍い。ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いが続いているが、利益確定売りに押される可能性もあろう。

ここまでドル・円は101円84銭から102円22銭、ユーロ・円は113円97銭から114円44銭、ユーロ・ドルは1.1178ドルから1.1201ドルで推移。

12時20分時点のドル・円は102円11銭、ユーロ・円は114円39銭、ポンド・円は134円03銭、豪ドル・円は77円08銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・値上がり寄与トップはファナック<6954>、同2位はファーストリテ<9983>、2銘柄で日経平均を約44円押し上げ
・花王<4452>、日本電産<6594>など7社の目標株価変更

・極楽湯<2340>、安川情報<2354>、インフォマート<2492>などがストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます



☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・特になし


<海外>
・英サマーバンクホリデーでロンドン休場

《WA》

 提供:フィスコ

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