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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~日銀のETF買入れによる需給が売り込みづらくさせる

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日銀のETF買入れによる需給が売り込みづらくさせる
・ドル・円は100円49銭付近、ドルは下げ渋り、日銀のETF買い期待で買戻し
・ソニー、三菱自動車など14社の目標株価変更


■日銀のETF買入れによる需給が売り込みづらくさせる

日経平均は続落。107.95円安の16448.00円(出来高概算6億4000万株)で前場の取引を終えている。米国市場の下落を受けてシカゴ日経225先物清算値は小安く、FRB議長講演を控えていることもあって売り先行で始まった。16500円を割り込んで始まった日経平均は、その後も下げ幅を広げており、一時16373.07円と8月上旬以来の安値水準をつけている。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の7割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも下落。セクターでは鉄鋼、化学、非鉄金属が小じっかり。半面、保険、輸送用機器、空運、不動産、医薬品、小売、鉱業が冴えない。売買代金上位では、トヨタ自<7203>、ソフトバンクグ<9984>、任天堂<7974>、ニトリHD<9843>が軟調。

前引けのTOPIXは0.70%の下落となっており、後場は日銀のETF買入れが意識されることになりそうだ。TOPIXは1280pt辺りでの底堅さが意識される一方で、25日線が上値抵抗となっている。一目均衡表では雲上限が支持線として意識されており、反発が期待されよう。

ただし、雲は来週にはねじれを起こしてくるため、この局面で雲を割り込んでくる可能性は警戒しておきたい。また、日経平均については雲が16050円処に位置しているが、値幅としては400円程度であり、仕掛け的な商いによってバイアスが強まるようだと、あっさり割り込んでくる可能性はありそうだ。もっとも、あくまでも警戒の中であり、イエレン議長講演の内容次第では割り込むことなくリバウンドをみせてくる可能性も十分あるだろう。日銀のETF買入れによる需給が売り込みづらくさせていることも、下支えとなる。過度な警戒感は必要ないかもしれないが、見極めムードから一段と商いは細るだろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)



■ドル・円は100円49銭付近、ドルは下げ渋り、日銀のETF買い期待で買戻し

26日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開となった。日銀によるETF買いに期待が広がり、ドルは買い戻されたようだ。ドル・円は100円60銭付近で寄り付いた後、日経平均株価の軟調地合いを受け100円39銭まで下落した。ただ、5日移動平均線に跳ね返される格好で、その後は100円53銭まで値を戻す展開となった。

日経平均が16500円を下回り日銀によるETF買いが高まっているため、ドルは短期筋などによる買戻しが観測された。ただ、今晩23時に予定される米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え様子見ムードが広がっており、動きづらい展開。

引き続きドル売りが弱いなか、ランチタイムの日経平均先物は小幅に下げ幅を縮小しており、ドルは午後の取引で100円半ばを挟んで底堅い展開となりそうだ。

ここまでドル・円は100円39銭から100円59銭、ユーロ・円は113円36銭から113円53銭、ユーロ・ドルは1.1279ドルから1.1294ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は100円49銭、ユーロ・円は113円47銭、ポンド・円は132円73銭、豪ドル・円は76円69銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄

・値下がり寄与トップはテルモ<4543>、日経平均を約13円押し下げ
・ソニー<6758>、三菱自動車<7211>など14社の目標株価変更
・ストップ高はなし


・フィッシャーFRB副議長
「FRB内では加熱経済の問題を議論している」


☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・14:00 基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行)


<海外>
・15:00 独・9月GFK消費者信頼感指数(予想:10.0、8月:10.0)

《WA》

 提供:フィスコ

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