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【経済】日銀ETF買いに変化の兆し

TOPIX <日足> 「株探」多機能チャートより

日銀は7月29日の金融政策決定会合において、上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年間約3兆円から約6兆円へとほぼ倍増させた。
 この後、8月4日・10日に一日あたりのETF買い入れ額が700億円を超え、新しいルールとしては一日の買い入れ額も倍増させることになったとみられる。
 しかし、その一方で、先週は前場の引けでTOPIXが前日比マイナスという日が数日あったが、日銀のETF買い入れは全くなかった。先週はドル円が100円を割り込み、日本株が連日弱含むなかで日銀が全くETFの買い入れに動かなかったのはかなり違和感がある。6兆円に増額したことにより、日銀は計算上3日に1回、場合によっては前場引けで前日比プラスでも買い入れなければ枠を使い切れないことからしても不自然だ。
 金額のルールは倍増ということだとしても、日銀がETF買いに動くルールは変化した、あるいは変化することを検討しているのかもしれない。
  買い入れ額が大きくインパクトがあるため、相場でこの動きを利用して儲けようという動きばかりになるような弊害が生じることを懸念して、硬直的な運用を避け、ランダムに買い入れるなどの方法に出てくるのかもしれない。いずれにしても、日本国内の材料が乏しいなか、相場関係者は日銀のETF買いの動向や発動条件ばかり気にする状況が続きそうだ。
《YU》

 提供:フィスコ

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