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2016年08月20日14時50分

【市況】国内株式市場見通し:週末イベントや日銀の動向見極めで、動意薄の様相が強まる公算

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■薄商いの中、1ドル=100円割れなどで下落

先週の日経平均は下落。為替相場の円高推移がマイナス視される格好になった。16日にドル・円相場は6月24日以来の1ドル/100円割れとなり、その後も100円レベルを挟んだ動きが続く状況となっている。週初は寄り付き前に4-6月期のGDPが発表された。実質GDP成長率は前期比年率+0.2%となり、市場予想の+0.7%を下回った。日銀の追加緩和期待につながるかともみられたが、うるう年効果による押し下げを除けば、成長率は同+1.3%程度となるため、こうした期待感が高まることはなかった。米FOMC声明文でも、追加利上げのタイミングは見極めにくく、ドルの上値を抑えたものとみられる。

日銀のETF買い入れに対する思惑から、為替の円高にもかかわらず下げは限定的にとどまっていたが、18日には、「TOPIXの前場終値が前日比0.2%以上の下落なら日銀がETFを買い入れ」といった経験則が覆される形となり、やや下げ幅を広げる動きにもなった。売り優勢のスタートなら押し目買いといった動きも手控えられる形に。なお、夏休みムードも広がり市場参加者が減少、売買ボリュームなどが盛り上る状況にはならず。

■ジャクソンホール会合が最大の焦点に

今週、最大の焦点となるのは、8月26日にジャクソンホールで予定されているFRB議長の講演となろう。8月25日から27日にかけて、ジャクソンホールでは各国中央銀行関係者が集まる金融・経済シンポジウムが開催される予定となっている。FRB議長が早期利上げに前向きな発言をするのか、利上げ先送りを示唆するのか、現時点でも注目度が高まる格好になっている。実際は、方向性が定められるような発言はなされない可能性が高いものの、少なくても、イベント前には様子見ムードが強まっていくことになろう。

米国では、新築住宅販売件数(23日)、中古住宅販売件数(24日)、耐久財受注(25日)などの経済指標が発表される。ジャクソンホール会合前だけに、従来以上に反応が強まる可能性もあろう。また、欧州では独Ifo景況感指数(25日)が発表予定、こうした海外の経済指標が為替の動きを通して東京株式市場にも影響を与えることになっていこう。

■日銀のETF買い入れスタンスを探る動きも強まる公算

来週は国内では大きなイベントが予定されていない。足元では連動性が薄れてきているとはいえ、引き続き為替動向が最大のカタリストとなろう。また、日銀のETF買い入れ動向にも注目が一段と高まる方向にある。どの程度までの下落であれば買い出勤するのか、どこかの段階では、日銀のスタンスを探ろうといった売り仕掛け的な動きも強まろう。ただ、いずれにせよ、薄商いの中では日銀のETF買い入れインパクトは大きく、買い方は押し目買いに徹する可能性がある。上値追いの減少、押し目買いの増加で、大きな方向性は定まらない公算だ。

原油市況の上昇、米国株式市場の堅調な動きが、世界的にも金融相場にポジティブな影響を与えている。この両輪のトレンドは同一方向とみられるが、差し迫ったリスク要因も世界的に減少しつつある中、米国金融政策の変化が顕在化してくるまで、当面はリスクオンの流れを演出していく公算が大きい。

■景気敏感株の底上げ継続には不透明感、中小型株への資金シフトも想定

今週の物色動向で目立ったのは、景気敏感株買い、内需ディフェンシブ売りといったリターンリバーサルの流れである。原油市況の上昇などは支援材料といえるが、為替の円高が進行している状況下、輸出関連株上昇の持続性には懸念も残る。決算発表後のアナリストの業績見直しの動きなどが、売り込まれた景気敏感株見直しのきっかけにもつながっていると考えられるが、今後はこうした動きも一巡してこよう。なお、半導体製造装置各社も足元で堅調な動きになっているが、来週は北米半導体製造装置BBレシオ(23日)などが関連株のさらなる評価材料につながるか注目。

新興市場には資金流入の減少が継続しているが、日経平均動意薄の状況が継続すれば、さすがに出遅れ感に対する意識も強まってこよう。足元ではテーマ物色の動きも散見されつつあり、個人投資家のマインド改善を期待したい。とりわけ、23日には「第1回FinTechフォーラム」が開催され、黒田日銀総裁の講演も予定されている。フィンテック関連などの動意にも注目したいところ。

《FA》

 提供:フィスコ

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