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【市況】日経平均は小幅続落、日銀のETF買い入れの有無が焦点だが、週末で換金売りニーズは強まりやすい/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は小幅続落。前日比11.34円安の16474.67円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。18日の米国市場は良好な経済指標や原油相場の上昇を好感して堅調推移、前日に大幅安となった反動も重なって買い先行の動きとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円高の16535円となっていたが、為替の円安方向の動きも支援となり、一時はこの水準を上回る上昇となった。

 ただ、前場中頃からは伸び悩む展開となり、前引けにかけてはマイナス圏に沈む状況となった。為替相場での円安一服に加えて、日銀のETF買い入れに対する期待感なども高まらないことから、次第に週末要因からの手仕舞い売りに押される状況となっている。

 業種別では、鉱業、鉄鋼、輸送用機器、卸売り、海運などが上昇率上位。一方、陸運、食料品、医薬品、空運、その他製品がさえない。内需系セクターの下落が足を引っ張る形になっている。東証1部の騰落銘柄は値上がりが830で値下がりが952、全般的に売り優勢となっている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>がしっかりな半面、KDDI<9433>が足を引っ張る格好に。

 全般的に手掛かり材料に欠ける中、国際帝石<1605>や三菱商事<8058>、千代化建<6366>、日揮<1963>など、原油高メリット銘柄が強い動きに。ほか、富士通<6702>やマイクロニクス<6871>、三井化学<4183>など、アナリストの高評価銘柄にも見直しの動きが向かっている。材料株では沖電線<5815>や虹技<5603>など電線地中化関連に短期資金が向かっている。

 TOPIXの前引けの下落率は0.10%、これまでの経験則からは、日銀のETF買い入れは期待しにくいところだろう。ただ、昨日は経験則に当てはまらず、ETF買いが入らなかった。仮に、予想外に日銀のETF買いが後場から観測される状況となれば、売り方の買戻しが想定以上に強まる可能性もあるだろう。想定通りETF買いが入らない状況ならば、後場も手仕舞い売りが優勢の展開と見られる。

 物色の流れとしては、前場に強い動きとなった資源関連株に引き続き注目が向かう公算。電線地中化、AI、フィンテックなどテーマ物色の動きに関しては、依然として新興市場のさえない動きから、上値追いの動きは限定的にとどまる可能性が高い。週末要因に対する意識も強まりやすく、換金売りの流れは早まりやすいと見られることに注意。(佐藤 勝己)
《AK》

 提供:フィスコ

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