市場ニュース

戻る
2016年08月17日10時34分

【経済】三井智映子と始める資産運用入門12:株主優待と「つなぎ売り」


こんにちは、フィスコリサーチレポーター三井智映子です。
皆さんと一緒に資産運用について考える連載「三井智映子と始める資産運用入門」。今回は株主優待についてのお話の第2回目、「つなぎ売り」とその活用法についてお話ししたいと思います。

■株主優待をノーリスクでゲット!
株主優待を得るための投資方法のひとつとして、今回は「つなぎ売り」をご紹介したいと思います。
つなぎ売りというのは、買い注文と売り注文をどっちもする……、現物買い注文と信用売り注文をセットにして成行で発注することです。同時に成行注文を発注すると、買いと売りが同時に約定します。そうすると約定後に株価が上がっても下がっても、買った現物と信用売りしたものとで損益が相殺され、リスクが回避できるわけです。もちろん利益もありませんが、こと株主優待を受けるという点で言えば、この取引が有効になります。
なぜかと言うと、前回お話ししたように、株主優待は「権利確定日に株主である」ことで得ることができる権利だからなんです。
具体的にお話ししますと、まず、株主優待の権利付最終日にこのつなぎ売りを行ないます。これで現物の株式が手元にあることなりますから、権利確定日に優待の権利が確定しますよね。そして権利確定日が過ぎたら、保有している現物と信用売りとを清算するわけです。その間の株価の変動は売りと買いで相殺されるのでリスクはゼロ。つまり、ノーリスクで株主優待がゲットできるのです。

■つなぎ売りの際に気をつけること
ただ、気をつけなければならないこともあります。まず、取引にかかる手数料。現物買い、信用売りそれぞれに手数料がかかります。そしてもうひとつ、信用取引に関しては、それ以外にも費用が発生するケースがあるということです。
そもそも信用取引には「一般信用取引」と「制度信用取引」の2種類があります。一般信用取引は証券会社から借りた資金(株式)で取引をするもので、清算時に金利をつけて返済します。金利や返済の期限などは証券会社によって異なります。
制度信用取引は証券取引所が公表している制度信用銘柄選定基準を満たす銘柄だけが対象の信用取引で、金利は証券取引所ごとに決められています。制度信用取引の方が貸し出し金利は低めですが、一般信用取引の方が信用取引できる銘柄数が多いです。
さらに、つなぎ売りで必要な信用売り(空売り)に関しては制度信用取引の場合「逆日歩(ぎゃくひぶ)」が発生するケースがあるので注意が必要です。空売りでは株式を借りて取引するわけですが、その株式を借りた相手(日本証券金融株式会社(日証金))に支払う費用が逆日歩だと考えてください。逆日歩は制度信用取引の際にかかる可能性がある費用で、仮に逆日歩が発生した場合は、これだけで数千円~数万円の負担となる可能性もあります。
一般信用取引ではこの逆日歩がかかりませんので、株主優待を得るために「つなぎ売り」をするなら、私は、一般信用取引を利用することを推奨します。逆日歩による出費の可能性は避けたいですし、一般信用取引なら取引できる銘柄数が多いというメリットもあります。
ということで、株主優待をゲットしたい銘柄が決まったら、窓口となる証券会社で貸借銘柄に指定されていて、一般信用取引で売り建て可能なものであることを確認してくださいね。

■「つなぎ売り」するなら?
では、優待目当ての「つなぎ売り」をするなら、どの証券会社がいいのでしょうか?
まずは一般信用取引の売り建てを扱っているか、そしてその銘柄数はどうか、さらにはサービスの充実度がどうか、というあたりがポイントになると思います。そういう視点でみていくと、楽天証券、カブドットコム証券、SBI証券が、私がおすすめする御三家となります。
なかでもSBI証券は、貸株に長期、短期(5営業日)、1日(当日)の扱いがあって、株主優待目当てのつなぎ売りには使いやすいですし、同社の「HYPER空売り」を使うと、一般的には空売りができない新興市場の銘柄も日計り信用取引で「新規売建」が可能ですので、新興市場銘柄でもつなぎ売りによって株主優待がゲットできます。

信用取引を上手に使って、株主優待をお得に手に入れてみてはいかがでしょうか?


三井智映子と始める「資産運用入門」は資産運用の基礎を三井智映子の見解でコメントしています。

フィスコリサーチレポーター 三井智映子

《NO》

 提供:フィスコ

日経平均