【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
エンジャパン <日足> 「株探」多機能チャートより
■エン・ジャパン <4849> 2,050円 (+260円、+14.5%)
9日、エン・ジャパン <4849> [JQ] が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比35.0%増の17.3億円に拡大して着地したことが買い材料視された。旺盛な求人需要を背景に、主力の求人情報サイト「エン転職」で求人広告の掲載件数が大きく伸びたことが寄与。上期計画の25.3億円に対する進捗率は68.7%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■戸田建設 <1860> 535円 (+51円、+10.5%)
東証1部の上昇率トップ。9日、戸田建設 <1860> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比42.6%増の77.6億円に拡大して着地したことが買い材料視された。民間建築を中心とする高水準な手持ち工事が順調に進む中、選別受注が奏功し、採算が大きく改善した。上期計画の75億円を既に3.6%上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■PCデポ <7618> 1,498円 (+136円、+10.0%)
東証1部の上昇率3位。9日、ピーシーデポコーポレーション <7618> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比73.0%増の14.6億円に拡大して着地したことが買い材料視された。「Windows10」への無償アップグレードに伴うサポート需要が増加し、利益率の高いソリューションサービスの売上が伸びたことが寄与した。上期計画の23億円に対する進捗率は63.7%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。同時に、9月30日現在の株主を対象に1→1.2の株式分割を実施すると発表。流動性の向上や投資家層の拡大を好感する買いも向かった。年間配当は従来計画の13円を据え置いたため、年間配当は実質10.0%の増額となる。
■タカラトミー <7867> 986円 (+81円、+9.0%)
東証1部の上昇率6位。タカラトミー <7867> が急騰。同社は9日取引終了後、17年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表。売上高は337億8900万円(前年同期比2.1%増)、営業損益は1億5100万円の赤字(前年同期14億8700万円の赤字)、最終損益は10億3300万円の赤字(同8億500万円の赤字)だった。営業赤字幅は前年同期から大幅に縮小、13億円強の改善となったことを評価する買いが集中した。トップラインが伸びていることはポジティブ材料で、仕入れコストの低下で利益採算が改善したことも寄与した。また、ポケモン関連株の人気が再燃している点も株高効果をもたらしている。
■ユニバーサル <6425> 2,944円 (+241円、+8.9%)
9日、ユニバーサルエンターテインメント <6425> [JQ]が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益が97.4億円の黒字(前年同期は12.5億円の赤字)に浮上したことが買い材料。パチスロ・パチンコ機の導入台数が大きく伸び、67.1%の大幅増収を達成したことが寄与。急激な円高で保有する社債に為替評価差益72.2億円が発生したことも利益を押し上げた。上期計画の11億円を既に8.9倍も超過しており、業績の上振れを期待する買いが向かった。
■澁谷工業 <6340> 1,909円 (+151円、+8.6%)
東証1部の上昇率8位。9日に決算を発表。「今期経常は6%増で2期連続最高益更新へ」が好感された。澁谷工業 <6340> が8月9日大引け後(15:00)に決算を発表。16年6月期の連結経常利益は前の期比20.1%増の61億円になり、17年6月期も前期比5.7%増の64.5億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。8期連続増収になる。
■東洋ゴム工業 <5105> 1,164円 (+72円、+6.6%)
東洋ゴム工業 <5105> が急伸。10日11時ごろ、16年12月期の連結業績予想について、売上高を4050億円から3950億円(前期比3.1%減)へ、純利益を240億円から180億円(同10.8倍)へ下方修正したが、免振ゴム偽装に関する製品補償対策費および製品補償引当金繰入額を特別損失として追加計上することが要因であることから、悪材料出尽くしとの見方が強まったようだ。営業利益は520億円(同18.0%減)で据え置いている。足もとは、新車用タイヤで国内市場での装着車種の販売が好調に推移したほか、海外市場において新規ビジネスの獲得が貢献。また、市販用タイヤも販売数量が前期を上回って推移しているが、円高の影響などで売上高は計画を下回っていることから、従来予想を据え置かれた。なお、同時に発表した第2四半期累計(1-6月)決算は、売上高1864億3900万円(前年同期比4.1%減)、営業利益262億1800万円(同10.0%減)、純利益21億5100万円(前年同期41億5600万円の赤字)だった。
■リログループ <8876> 16,240円 (+980円、+6.4%)
9日、リログループ <8876> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比23.8%増の32.4億円に伸びて着地したことが買い材料視された。企業のアウトソーシング需要の拡大を背景に、借上社宅管理、賃貸管理サービスともに管理戸数が増加したうえ、福利厚生代行サービスの会員数も伸びた。顧客企業の海外赴任者数が増加し、海外赴任支援サービスが伸びたことも大幅増益に貢献した。
■ゼンショHD <7550> 1,735円 (+104円、+6.4%)
9日、ゼンショーホールディングス <7550> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比10倍の21.8億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。主力の「すき家」を中心とする牛丼部門の既存店売上高が前年同期比2.3%増と堅調に推移し、1.8%の増収を確保。前期高騰していた牛肉価格の低下や光熱費の低減が利益拡大に大きく貢献した。
■ペプチドリーム <4587> 5,530円 (+330円、+6.4%)
ペプチドリーム <4587> が大幅高。同社は9日取引終了後、16年6月期の決算を発表したが、売上高は43億2700万円(前期比74.9%増)、営業利益は25億4800万円(同83.2%増)、最終利益は15億8100万円(同57.5%増)と際立った伸びを示し、これがポジティブサプライズとなった。同社は2つ以上結合した特殊なアミノ酸(特殊ペプチド)を使用した創薬基盤技術を商業化したバイオベンチャーで、創薬初期段階から収入を得られる点が大きな優位性となっている。世界のメガファーマをはじめ製薬大手との共同開発契約が相次いでおり、安定感のある収益成長シナリオが確保されている。
■テーオーシー <8841> 926円 (+51円、+5.8%)
9日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は10%増益で着地」が好感された。テーオーシー <8841> が8月9日大引け後(16:00)に決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比9.6%増の16.7億円に伸び、4-9月期(上期)計画の29.5億円に対する進捗率は56.9%に達し、5年平均の53.2%も上回った。
■リクルート <6098> 4,010円 (+200円、+5.3%)
リクルートホールディングス <6098> が大幅3日続伸で年初来高値。9日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高4075億4000万円(前年同期比18.4%増)、営業利益327億1000万円(同8.6%増)、純利益174億300万円(同21.8%減)と営業増益で着地したことが好感された。販促メディア、人材メディア、人材派遣の主要3事業がいずれも好調な滑り出しとなったことに加えて、前年に買収した豪ピープルバンク社やチャンドラー社、米アテロなどが寄与した。なお、17年3月期通期業績予想は、売上高1兆8300億円(前期比15.2%増)、営業利益1170億円(同2.6%増)、純利益740億円(同14.7%増)の従来予想を据え置いている。
■東京急行電鉄 <9005> 814円 (+33円、+4.2%)
東京急行電鉄 <9005> が高い。9日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高2699億3900万円(前年同期比5.2%増)、営業利益228億8900万円(同12.3%増)、純利益186億2900万円(同11.7%増)と2ケタ営業増益となったことが好感された。東急レクリエーションの子会社化効果に加えて、前期に複合施設「二子玉川ライズ」が全面開業し、集客効果が高まったことが寄与した。また、二子玉川ライズ2期の開業負担がなくなったことなども利益押し上げにつながった。なお、17年3月期通期業績予想は、純利益を540億円から610億円(前期比10.4%増)へ上方修正した。100%子会社横浜金沢プロパティーズの吸収合併などの変動要素を織り込んだことが要因としている。なお、売上高は1兆1392億円(同4.4%増)、営業利益は770億円(同2.0%増)の従来予想を据え置いている。
■そーせいグループ <4565> 16,670円 (+640円、+4.0%)
そーせいグループ <4565> [東証M]が続急伸。創薬基盤技術を強みにメガファーマとの提携で収益急拡大、昨年2月に買収した英国子会社ヘプタレス・セラピューティクス社を成長エンジンに株価も変貌を遂げたが、依然として市場の成長に対する期待は強い。製薬企業世界トップのノバルティス社が販売するCOPD治療薬「シーブリ」と喘息治療を加えた配合剤「ウルティブロ」のロイヤルティー収入も同社の収益を支える。10日引け後に4-6月期決算発表を控えていたため、これに先回りしての買いを呼び込んだ。アイルランドに本拠を置くアラガン社とヘプタレスは今年4月にアルツハイマー治療薬の開発で提携しており、決算発表では同治療薬の治験の進捗度合いも注目されている。
■奥村組 <1833> 586円 (+18円、+3.2%)
奥村組 <1833> が続伸。同社は9日の取引終了後、17年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結業績予想の修正を発表。営業利益を33億円から42億円(前年同期比10.6%増)へ、純利益を37億円から45億円(12.2%増)へ上方修正、売上高は975億円(同5.0%増)で据え置いた。建築事業の売上総利益率が改善している。
■江崎グリコ <2206> 5,970円 (+180円、+3.1%)
江崎グリコ <2206> が続伸。9日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券がレーティング「オーバーウエイト」、目標株価7200円継続、17年3月期は通期連結営業利益で会社側計画の200億円(前期171億1000万円)に対して従来予想の225億円から236億円へ、18年3月期を248億円から260億円へ引き上げた。国内の菓子事業は、強みであるチョコレートが成長をけん引。国内チョコレート売上高の約半分を構成する「ポッキー」に加えて、「GABA」、「LIBERA」など健康機能性を切り口とした新たなブランドの育成が進んでいることを指摘している。
■HUG <3676> 3,495円 (+95円、+2.8%)
ハーツユナイテッドグループ <3676> が続伸。いちよし経済研究所は9日、同社株のフェアバリューを3500円から3650円に引き上げた。レーティングは「A」を継続した。第1四半期(4-6月)の連結営業利益は前年同期比97%増の4億8100万円と同期としての過去最高益を更新した。コンシューマゲームの不具合(バグ)の検出(デバッグサービス)が主力。スマートフォンゲーム向けなどのデバッグ需要が好調だ。また、今後は「プレイステーションVR」や「ニンテンドーNX」向けタイトルの増加でデバッグ需要は一段の拡大が見込める。同経研では17年3月期の連結営業利益は会社予想25億7200万円に対し28億円(前期比43%増)への増額修正を予想している。
■大成建設 <1801> 819円 (+21円、+2.6%)
大成建設 <1801> 、大林組 <1802> 、清水建設 <1803> 、鹿島 <1812> など大手ゼネコンをはじめ、大豊建設 <1822> 、前田建設工業 <1824> 、戸田建設 <1860> など建設株が軒並み高。景気刺激策として政府が打ち出した経済対策は事業規模28兆円超におよび、財政投融資の活用によるリニア中央新幹線の大阪延伸前倒しや、熊本地震からの復興、国土強靭化をテーマに防災および老朽化したインフラの再整備など、建設関連企業のビジネスチャンスは大きく膨らんでいる。10日は為替が円高傾向に振れており、輸出株が手掛けにくい環境にあることも、内需の建設株に資金を誘導する背景となっている。
■三井金属 <5706> 203円 (+5円、+2.5%)
三井金属 <5706> が3日続伸。同社は9日の取引終了後、第1四半期(4-6月)決算を発表しており、連結経常利益は前年同期比7%減の58億4200万円となった。市場では、同利益を40億円前後と予想しており、前向きに評価する買いが流入したようだ。チリで開発を進めているカセロネス銅鉱山などの損失が想定より小さかった、との観測が出ている。
■雪印メグミルク <2270> 3,280円 (+80円、+2.5%)
雪印メグミルク <2270> が高い。同社は10日午前11時に、17年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は52億3900万円(前年同期比40.4%増)となり、上半期計画76億円に対する進捗率は68.9%に達した。売上高は1476億500万円(同2.9%増)で着地。チーズやヨーグルトなどの主力商品の販売拡大に加え、利益面では高付加価値品の拡売によるプロダクトミックスの改善や原油安によるエネルギーコストの減少などが寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。また、同社は10日、プロバイオティクス乳酸菌「ガセリ菌SP株」による寿命延長効果の作用メカニズムを解明したことを、「第39回 日本基礎老化学会大会」(5月27日)と「第20回 腸内細菌学会」(6月9日)で発表したことも明らかにしている。
■東宝 <9602> 3,055円 (+70円、+2.4%)
東宝 <9602> はしっかり。9日の取引終了後、連結子会社のTOHOシネマズがポケモン(東京都港区)との間で「ポケモンGO」とのコラボレーションを実施することで合意したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回のコラボにより、TOHOシネマズ全館(一部を除く)が「ポケモンGO」のゲーム内で「ポケストップ」として登場する予定で、来館者増などの効果が期待されている。なお、開始時期など詳細は順次開示していくという。
■ネクソン <3659> 1,583円 (+35円、+2.3%)
ネクソン <3659> が4日続伸。10日、中国テンセント・ホールディングス(広東省)が開発したガンシューティングゲーム「HIDE AND FIRE(ハイドアンドファイア)」日本語版の事前登録を開始したと発表しており、新タイトルへの期待感から買いが入った。「HIDE AND FIRE」は、現在までに全世界累計1億ダウンロードを突破し、中国・台湾でセールス第1位を獲得するなどアジア各国で人気を博しているゲーム。幅広いプレイヤーが楽しめるシンプルな操作性を実現したほか、ライバルとの対戦や仲間との協力プレイを複数人同時かつリアルタイムで遊べることが特徴としている。
※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース