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【経済】米国債需要増加もドルに対する強気な見方は後退


 10日に行われた米10年国債入札は好調な結果となり、長期債を含めて米国債利回りは全般的に低下した。10年国債入札では、外国中央銀行などの間接入札者の落札比率は72.18%で、前回の54.3%を大幅に上回った。これまでの最高は今年6月に記録した73.63%。

 今回の10年債入札における最高落利回りは1.503%で前回水準(1.516%)を下回っており、過去2番目に低い利回り水準となったが、それでも海外勢のしっかりとした需要が確認された。利回りの絶対水準は低下しているものの、ドイツや日本の長期国債の利回り水準はマイナスであることから、投資家の資金は米国債に向かっている。

 米国債の需要増加はドル相場に対する支援材料になるとの見方があるが、9月利上げ観測の後退が需要増加の一因との声が聞かれている。早期利上げにつながる材料が提供されない場合、米国債利回りはさらに低下し、ドルに対する強気な見方は一段と後退する可能性がある。
《MK》

 提供:フィスコ

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