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【市況】【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:1ドル=100円の心理的支持線を守れるか

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより

以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2016年8月10日9時に執筆
8月相場入りした東京市場では、4日に公表されたトヨタ自動車<7203>の2017年3月期業績の下方修正をうけて、マ?ケットがどのような反応を示すかに注目が集った。第一四半期集計をもって通期修正とはなんとも思い切った判断と映る。

今年に入ってから円はドルに対しすでに20円幅で円高となっている。英国のEU離脱ショックを材料に急騰するなど一向に反転しない円高をうけて、トヨタが今期の円相場と下期業績をどのように計画しているのか。同業他社に限らずその他のグロ?バル企業の2017年3月期収益見通しと今後の株価にも大きな影響を与えうるだけに、個人投資家にとっては投資のヒントとなる情報だ。

トヨタが公表した下期の想定為替レ?トは1ドル=100円、1ユ?ロ=110円に設定された。この想定レ?トは、今後の日本経済の円高への耐性指標として注意するべき数値となる。日銀による為替介入に対する警戒感が高まる大台割れポイントとも重なり、ここを踏みとどまることができるのか、を市場参加者は見極めることになる。

直近ではトヨタ株が下方修正を織り込んでその後堅調に推移していることで、市場参加者の過剰なまでの円高恐怖症に対する熱さましにはなっただろう。好調な米雇用統計をうけて、積み上がった円高ポジションの反転もあながち否定できなくなってきた。

円という通貨は日本経済そのものを材料視することのない極めて稀な通貨だ。あくまで欧米通貨の対極に存在し、国内事情より他国の経済情勢と混乱に過剰に反応する。冷静に見れば日本国内で大騒ぎしている政局などは、海外から見れば平和的でかわいいものなのかもしれない。

個別株では、株価が500円台と安くポケモンGO関連商品を手がけるのでは?と期待が先行するミツミ電機<6767>、8日に業績の上方修正を発表し割り負け感の出ている第一カッター興業<1716>、週足チャートの三角もちあいが煮詰まるサイバネットシステム<4312>などに注目している。

※個人投資家ブログ「兜町放浪記」は株式市況の解説と分析を中心に株式投資+αを目指す株式ブログです。単なる上がる株・下がる株の予想屋を標榜とせず、株式投資を通じて社会全般と経済と人生を学ぶ、個人投資家に支持されるブログとなるよう日々アクティブな情報発信に励んでおります。当ブログの監視銘柄は直接「兜町放浪記」にお立ち寄りいただくことをオススメします。

執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記

《MT》

 提供:フィスコ

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