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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~日銀効果でショートカバーと売り惜しみに向かいやすく

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日銀効果でショートカバーと売り惜しみに向かいやすく
・ドル円は102円02銭付近、ドル伸び悩み、個人勢などがドル買いも材料不足は否めず
・日本電産、ソニーなど5社の目標株価変更



■日銀効果でショートカバーと売り惜しみに向かいやすく

日経平均は大幅に反発。323.30円高の16577.75円(出来高概算10億2000万株)で前場の取引を終えている。予想を上回る米雇用統計の結果を受けた米国株高の流れを受けて、買い優勢の展開。シカゴ日経225先物は16410円だったが、大阪225先物はこれを上回る16520円から始まった。その後もじり高基調が続いており、前場半ばには一時16612.13円まで上げ幅を拡大させる場面をみせている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは保険が5%超の上昇となっているほか、銀行、海運、不動産、機械、非鉄金属、証券、倉庫運輸、輸送用機器などが強い。一方で、医薬品、食料品、サービス、建設、電力ガス、陸運など内需・ディフェンシブ系を中心に小安い。

日経平均はマドを空けての上昇となると、その後も上げ幅を広げる強い値動きをみせている。これにより価格帯別出来高で商いが膨れている16600-16800円のレンジを捉えてきている。決算発表がピークを迎えるなかで積極的には参加しづらいところであるが、それ故に、参加者が限られる中では小さいエネルギーでもトレンドが強まりやすいところであろう。

TOPIXの前引け段階での上昇率は1.5%となっている。きょうのところは日銀のETF買い入れは入らないとみられるが、16600-16800円のレンジを捉えるなか、ショートカバーが強まりやすい。また、買い方にとっても利食いが出やすい水準だろうが、日銀のETFへの思惑から売り惜しむ動きもでやすい。より指値状況が薄くなるため、トレンドが出やすくなる。先週の日銀の700億円超のETF買い入れのインパクトの心理的影響は相当強い。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は102円02銭付近、ドル伸び悩み、個人勢などがドル買いも材料不足は否めず

8日午前の東京外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開となった。日本株は堅調地合いが続いたが、ドルは国内勢による売りが観測され上昇は限定的だった。ドル・円は101円後半で寄り付いた後、前週末に発表された米雇用統計が予想を大幅に上回ったことが好感され、日経平均株価が前週末比で300円超高の堅調地合いとなりドルは一時102円26銭まで上昇。

その後も個人を中心とした買いが観測され、ドルは102円台を維持した。ただ、「米雇用統計が強い内容だったわりにドルの上昇は鈍い」(市場筋)との声が聞かれ、上値の重さが意識されている。

ランチタイムの日経平均先物は引き続き堅調地合いのため、株高を意識した個人の買いが継続しており、目先も102円台を維持しそうだ。ただ、材料難のためでまとまったドル買いは入りにくく、上値は重そうだ。

ここまで、ドル・円は101円87銭から102円26銭、ユーロ・円は112円93銭から113円40銭、ユーロ・ドルは1.1080ドルから1.1093ドルで推移した。

12時15分時点のドル・円は102円02銭、ユーロ・円は113円24銭、ポンド・円は133円51銭、豪ドル・円は77円61銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・日本電産<6594>、ソニー<6758>など5社の目標株価変更
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、2位ファナック<6954>、2銘柄で日経平均を約68円押し上げ

・内需・ディフェンシブ関連株は軟調
・小野薬<4528>、カルナバイオ<4572>などのストップ安でバイオ株が売られる

※一時ストップ安(気配値)を含みます


☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・14:00 7月景気ウォッチャー調査・現状(予想:42.5、5月:41.2)


<海外>
・時間未定 中・7月輸出(前年比予想:-3.3%、6月:-4.8%)
・時間未定 中・7月輸入(前年比予想:-7.0%、6月:-8.4%)
・時間未定 中・7月貿易収支(予想:+3118.5億元、6月:+3112億元)
・15:00 独・6月鉱工業生産(前月比予想:+0.9%、5月:-1.3%)

《WA》

 提供:フィスコ

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