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【市況】米国株式市場見通し:原油価格及び経済指標に注目


先週の雇用統計が予想を上振れる好調な結果となり、FF金利の先物取引から算出される利上げ確率は9月まで28%、11月まで28%、12月まで48%、16年2月まで48%(5日時点)と年内利上げの可能性が高まった。しかし、雇用統計以外の経済指標は強弱入り混じる内容となっているほか、原油相場も再び40ドル台まで下落するなど、インフレ見通しの低下が懸念される。暫くは原油価格の動向や雇用以外の経済指標が注目される展開となるだろう。また9月7日のレイバー・デーの祝日頃まで夏季休暇に入る投資家や市場関係者も多く例年、閑散取引となる時期だが、休暇を前後して一旦ポジションを手仕舞う動きが、相場全体の上値を抑える可能性があることに注意したい。

今週は、百貨店のメーシーズ(11日)、ノードストローム(11日)、コールズ(11日)、JCペニー(12日)など小売を中心に企業決算の発表が控えている。小売以外ではエンターテイメントのウォルト・ディズニー(9日)、口コミサイトのイェルプ(9日)、製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(9日)、革製品のコーチなどの発表が予定されている。先日発表された4-6月期GDP速報値では個人消費が堅調であったことから、小売各社の決算に対する期待は高い。また小売各社が展開している新学期セール「バック・トゥ・スクール」の足元の動向にも注目が集まるだろう。

5日時点のファクトセット社の集計によるとS&P500構成銘柄の86%が決算発表を終了し、69%が利益、54%が売上高のアナリスト予想平均を上回った。全体では、先月末時点で5.5%の減益が予想されていたが、3.5%の減益見通しへと改善した。エネルギーセクターは大幅減益となったが、ITや一般消費財、製造業は予想を大幅に上回る利益成長となったことが業績改善の要因だ。

経済指標では、6月卸売在庫(9日)、7月輸入物価指数(11日)、7月小売売上高(12日)、7月生産者物価指数(PPI)(12日)などの発表が予定されている。6月小売売上高が予想を上振れたことで7月も好調な内容が見込まれる一方、生産者物価指数(PPI)で下落が続く原油相場の影響を確かめたい。中国の7月貿易収支(8日)や消費者物価指数(9日)にも注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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