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【市況】日経平均は小幅続伸、TOPIXプラスで日銀買い入るなら、こう着でも心理的インパクト大/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は小幅に続伸。45.86円高の16300.75円(出来高概算8億7000万株)で前場の取引を終えている。米国市場は雇用統計を控えて高安まちまちとなったが、前日の日銀によるETF買い入れのインパクトが大きく、心理的に売り方の買戻しを誘う流れに向かわせている。また、決算発表で17年3月期予想を下方修正したトヨタ自<7203>が買い先行で始まったことも、安心感につながった。

 買い先行で始まった日経平均は、寄付き直後には一時16355.98円まで上げ幅を広げている。ただ、積極的な上値追いにも慎重であり、買い一巡後は16300円を挟んでのもみ合いが続いている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がりが拮抗しており、若干ながら値下がり数が上回っている。規模別指数は大型、中型株指数が上昇し、小型株指数は軟調。セクターでは証券、輸送用機器、鉱業、その他金融、精密機器、パルプ紙が上昇。半面、医薬品、保険、電力ガス、繊維、小売が冴えない。

 日経平均は25日線と5日線レベルでのこう着となっている。一目均衡表では転換線に上値を抑えられているものの、雲上限を突破してきている。米雇用統計の発表を控えている週末としては底堅い相場展開であろう。とはいえ、日銀のETF買い入れに対する需給要因への思惑が買い戻しを誘っている感があり、中小型株などには利食いに押される動きも目立ってきている。インデックスに絡んだコア銘柄が中心になるため、日経平均の底堅い値動きほど、市場のムードはそれ程良くはない。

 後場については、日銀のETF買い入れが行われるかが注目されるところ。TOPIXが辛うじてプラス圏で推移するなか、ETF買い入れが観測されるようだと、心理的に市場に与える影響は大きい。売り仕掛け的な商いは出しづらく、利益確定とはいえ、より下を売り込む流れにもなりづらいだろう。調整局面では押し目買い意欲の強さが意識されることになりそうだ。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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