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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱商、KDDI、ホンダ、ファストリ

三菱商 <日足> 「株探」多機能チャートより
■三菱商事 <8058>  1,843.5円  +92 円 (+5.3%)  本日終値
 三菱商事<8058>が全体下げ相場のなか大きく買い優勢。原油価格の下落など逆風環境にあって異彩の逆行高となった。同社が2日取引終了後に発表した17年3月期の第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高に相当する収益は1兆5277億7900万円(前年同期比16.1%減)と減収ながら、最終利益は1008億4400万円(同34.5%増)と大幅な増益となった。資源価格下落に伴い収益は2ケタの落ち込みとなったが、鮭鱒(さけます)養殖事業における市況の回復や、食肉事業の関係会社の経営統合に伴い一過性利益を計上、これにより最終利益段階では35%増益となったことがサプライズとなった。株価は前日まで8日連続安と下値模索が続いていただけに買い戻しに勢いがついた格好だ。

■ネットワンシステムズ <7518>  667円  +33 円 (+5.2%)  本日終値
 ネットワンシステムズ<7518>が高い。同社グループのネットワンパートナーズはきょう、IoTビジネスの加速に向けて、産業用ネットワーク製品などを手掛ける台湾のMoxa社と協業すると発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。Moxa社は1987年に設立され、60カ国以上で産業用ネットワーク製品を提供している企業。ネットワンパートナーズは、Moxa社のイーサネットスイッチ製品群およびシリアルデバイスサーバ製品群(シリアル通信をイーサネットに変換する機器)をパートナー企業経由で販売を開始した。

■日本ユニシス <8056>  1,434円  +65 円 (+4.8%)  本日終値
 2日、日本ユニシス <8056> が決算を発表。17年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比7.9%増の13.8億円に伸びて着地したことが買い材料視された。金融機関や電力事業者向けにシステム開発やアウトソーシングの受注が伸びたことが寄与。今期経常13.5%増益の達成に向けて堅調なスタートを切ったことを好感する買いが向かった。

■KDDI <9433>  3,278円  +121 円 (+3.8%)  本日終値
 KDDI<9433>が大幅反発。2日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)の連結決算は売上高1兆1304億5300万円(前年同期比8.0%増)、営業利益2751億1200万円(同19.1%増)、純利益1671億500万円(同16.1%増)と2割近い営業増益となったことが好感されている。データ通信利用料の伸びによりモバイル通信料収入が増加したほか、端末販売収入の増加で国内通信事業が順調に拡大したことが売上高・利益を押し上げた。また、端末販売に応じて代理店に支払う販売奨励金の減少も増益に寄与した。なお、17年3月期通期業績予想は、売上高4兆7000億円(前期比5.2%増)、営業利益8850億円(同6.3%増)、純利益は5400億円(同9.1%増)の従来予想を据え置いている。

■ホンダ <7267>  2,865円  +105.5 円 (+3.8%)  本日終値
 ホンダ<7267>が大幅反発。2日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高3兆4717億3000万円(前年同期比6.3%減)、営業利益2668億4300万円(同11.5%増)、純利益1746億9900万円(同6.1%減)と2ケタ営業増益となったことが好感されている。主力の北米販売が好調だったほか、中国や欧州でも販売を伸ばした。円高による売上高の目減りや、熊本地震に伴う悪影響などはあったものの、コスト削減効果でカバーし業績を押し上げた。また、タカタ製エアバッグのリコールの負担が減ったことも寄与した。なお、17年3月期通期業績予想は、売上高13兆7500億円(前期比5.8%減)、営業利益6000億円(同19.2%増)、純利益3900億円(同13.2%増)の従来予想を据え置いている。

■エービーシー・マート <2670>  6,870円  +250 円 (+3.8%)  本日終値
 エービーシー・マート<2670>が続伸。2日の取引終了後に発表した7月度概況で、既存店売上高が前年同月比5.5%増と3カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されている。前年に比べて週末が1回多かったことに加えて、商品別ではトレンドであるサンダルとレディースシューズが好調だったことが寄与したという。なお、全店売上高は同8.3%増だった。

■ファーストリテイリング <9983>  34,540円  +900 円 (+2.7%)  本日終値
 2日、ファーストリテイリング <9983> が7月の国内ユニクロ事業売上推移速報を発表。既存店売上高は前年同月比18.1%増と4ヵ月連続で前年実績を上回ったことが買い材料。7月は、前半に気温が高く推移したこともあり、夏の主力商品で吸汗速乾機能を持つ肌着「エアリズム」などが好調だった。既存店の客数は前年同月比8.1%増と6ヵ月ぶりに伸びたほか、客単価も同9.2%上昇した。

■CYBERDYNE <7779>  2,087円  +39 円 (+1.9%)  本日終値
 CYBERDYNE<7779>が全般悪地合いの間隙を縫って3日続伸。政府・与党が打ち出した事業規模28兆円の経済対策では、補助金や助成金による民間事業活性化の対象としてロボット分野にも注力。医療用ロボット「HAL」を手掛ける同社は介護関連分野とも密接に絡み、国策恩恵が期待できる銘柄として見直し買いを呼び込んでいる。また、海外では米国での展開に期待が高まっている。同社は7月下旬に、HAL医療用の米国展開に向けて、営業力強化目的で米デラウェア州に子会社を設立することを発表、HALの米食品医薬品局(FDA)承認が接近していることを示唆する動きで、これも買い人気の底流にある。

■三井物産 <8031>  1,204円  +21 円 (+1.8%)  本日終値
 三井物産<8031>が後場プラスに転じた。年初来安値1156円接近で自律反発狙いの買いが入っているほか、午後1時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算で売上高1兆199億7100万円(前年同期比20.5%減)、純利益611億4500万円(同36.9%減)となり、純利益が市場予想の430億円前後を上回ったことが好感されている。原油などの資源価格の下落を受けてエネルギー部門の収益が落ち込んだことが響いた。また、円高で海外収益が目減りしたことや、前年同期に次世代・機能推進セグメントで有価証券評価益を計上した反動も利益の減少につながった。なお、17年3月期は純利益2000億円(前期834億1000万円の赤字)の従来予想を据え置いている。

■日本電産 <6594>  9,329円  +158 円 (+1.7%)  本日終値
 日本電産<6594>が軟調地合いのなか3日ぶりに反発。2日の取引終了後、米国有数の産業コングロマリット企業であるエマソン・エレクトリック社から、モーター・ドライブ事業および発電機事業を買収すると発表しており、業容拡大への期待感から買いが入っている。同社は産業用・商業用事業の強化を図っており、今回の買収も同戦略の一環。買収するエマソンの事業は、欧州・北米地域で高いブランド力と強固な顧客基盤を有しており、今回の買収により、産業用製品のフルラインアップ化と欧州・北米地域における事業基盤の地理的補完に加え、同社モーターとの組み合わせによる顧客提案力の強化が可能になるとしている。なお、買収金額は12億ドル(約1220億円)。買収対象はフランスやイギリス、アメリカなど6つの会社が含まれ、従業員数は9700人強に達する。

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